苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

コロナ禍の次はインフレで苦境に陥るアメリカのファミリーレストラン産業

我ら苺畑夫婦は今年から年金生活にはいり、生活はきつきつ状態。そんなわけでこのインフレのご時世、いつも預金通帳(オンライン)と睨めっこである。そんななか先日主人の厚生年金の最初の振り込みがあった。主人は私より一歳年下なので、とっくに引退状態(無収入)にあったにもかかわらず年金をもらえるのは今年になってからだった。私のようなサラリーマンと違って主人は個人営業だったので、定期的に給料から年金を引かれていなかった。それで景気の良い時は払っていたが、きつい時は払わないという不規則な状態だったので貰える年金は私よりずっと低い。それでもアメリカでは配偶者年金というものがあり、年金を払って来なかった者でも配偶者の貰える半額の年金が貰えることになっている。それで彼は今年4月から私の半額の金額を貰えるようになったというわけ。ミスター苺が独身だったら今頃どんな生活をおくるはめになっていたことやら、よかったよね出来の良い嫁を娶っておいて。

 

さて、このインフレのせいで今アメリカの外食産業は大変な苦境に立たされている。先日もXで高安カミュ(ミジンコまさ)@martytaka777さんが、2024年に閉店もしくは店舗縮小をするチェーン店を紹介していた。

 

2024年に閉店するレストラン

  • ファドラッカーズは年末までに全店舗を閉店予定
  • オールドカントリービュッフェは残りの店舗を閉店
  • IHOPは100店舗を閉鎖
  • バッファロー・ワイルド・ウィングスはカナダ全土の店舗と米国の60店舗を閉鎖
  • アップルビーズは35店舗を閉鎖
  • レッドロブスターは破産手続きに入り、50店舗を閉鎖
  • デニーズは年末までに20店舗を閉鎖
  • マリー・カレンダーズは残りの店舗をすべて閉鎖
  • ピザハットは500店舗を閉鎖
  • アウトバックステーキハウスは700店舗のうち41店舗を閉鎖
  • サイバロは合計50店舗を閉鎖し、その大半はショッピングモールの店舗
  • マード・ピザは合計27店舗を閉鎖
  • ルビーチューズデイは2024年にさらに16店舗を閉店
  • BDQ は 59 店舗のうち 8 店舗を閉鎖
  • ジョーズラブシャックは60店舗のうち41店舗を閉店
  • ボーンフィッシュグリルは7店舗を閉店

 

実は先日私は用事があって銀行へ行った時、朝食時だったこともあり久しぶりにすぐ隣にあるマリーカレンダーで食事でもして行こうと寄ったところ、なんと閉店していてびっくりしたのだ。マリー・カレンダーは私がアメリカに来た当初からどこでも見かける普通のファミリーレストランで週末など外で待つ人が居るほどの繁盛ぶりだった。

マリーだけでなく、上記のリストに載っているレストランは日本でもお馴染みの名前もあるが、すべて老舗のファミリーレストランで、お値段も手頃なため一般家庭が時々家族連れで気軽に食事できるようなチェーンばかりである。

家計がきつくなってくると引き締めるのは外食。これらは一品一万円が普通なんていう高級料理屋ではないので、こうした店から客足が遠のくということは中流階級の一般家庭が貧しくなっていることの証拠だ。

よく日本ではアメリカは時給が高くて羨ましいなどという話を聞くが、先日カリフォルニアではファストフード産業の最低賃金が20ドルに値上がりし、その直後にフォスターフリーズというソフトクリームやハンバーガーなどを売っていたファストフードの一つが閉店し、従業員はその日の朝に解雇を通告されるという事件が起きた。フォスターフリーズはフランチャイズなのでこれは一店舗の出来事だが、経営が芳しくない店ではこうした傾向はあちこちで起きることだろう。

サンディエゴ在住の主婦がXで、タコベルやエルポヨロコといった近所のファストフード店も閉店するらしいと書いていたので、やはりこの最低賃金20ドルという値上げの影響は大きい。

私は普段ファストフードで食事をすることはないが、先日映画を観た帰り(シニアシチズンは火曜日7ドルで映画が観られる)にチックフィルエーというフライドチキンのお店に寄った。そこでチキンサラダがなんと10ドル!叔母ちゃんと二人で22ドルもした。昔なら普通にレストランで食事が出来た値段である。もうだいぶ前になるが、マクドナルドでチキンサラダがあった時代は5ドルくらいだったので、凄い値上げである。

トランプ政権時代のアメリカは好景気だった。コロナ禍が始まるまでは何もかもよくて特に黒人層の失業率が最低レベルまで落ちたほど。それがコロナ禍とBLM暴動のせいで台無しになった。あたかも2020年選挙に向けてだれかがサボタージュしたかのようである。

大統領が代わることでここまで世の中というものが変わってしまうものなのか、オバマの時代ですらここまでひどくなかった。有権者にとって一番の問題は景気と治安だ。この二つの点でバイデンは完全に失敗している。彼の政治は大惨事である。

我々年金生活のシニアとしては、これ以上のインフレは本当に苦しい。国境が開けっぱなしで違法移民がどんどん入り込み、カリフォルニアの治安は悪化の一途をたどっている。早くトランプ大統領に帰り咲いてもらってアメリカを再び偉大な国にしてもらいたい。

Make America Great Again!