40代にして二人の娘の母親でありながら、男性体を求めてFtM 転換を行った女性の話を見つけた。彼女は自分の決断に後悔はないとはいうものの、年端も行かない子供の性転換は身体的にも精神的に非常に危険であると、自らの体験から警告している。
この人の名前はスコット・ニュージェント(47歳)。性転換と一口に言っても、単に、男性の場合なら去勢、女性の場合なら乳房除去と言った手術を一回受ければそれで終わりというわけではない。異性ホルモン接種から始まって顔や体中あちこちの整形手術を何度となく繰り返し、徐々に異性体に近づけていく。しかしこの道のりは長くつらくそして経済的負担も非常に大きい。
スコットの場合もスコットの体験した医学的な問題は気が遠くなるほど凄まじいものだった。まずスコットは合計7回の手術を受けた。そして種々の手術や治療によっておきた副作用などことと言えば、、
- 深刻な肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう 英語でPulmonary thromboembolism (PTEは身体の血流によって体内から運ばれてきた血栓が栓子となって肺動脈が閉塞する別名「塞栓」)
- 救急病院へのヘリコプター輸送、救急車輸送、
- ストレスによる心臓発作、
- 敗血症(はいけつしょう、英: sepsisとは、感染症に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害)
- 陰茎形成手術の失敗で17か月にわたる慢性化膿に苦しみ、抗生物質投与を16回、三週間にわたる抗生物質点滴治療、
- 頭全体の脱毛症、
- 腕の整形手術、
- 肺と心臓への永久的な負傷、
- 膀胱の一部を切除、
- 不眠症による幻覚、
- 尿道の毛による激痛による失神、
などなど。これらの苦しみからPTSD になり、一年間も家の外にでることが出来なくなった。そしてこれらにかかった医療費用は保険を合わせても90万ドル、約九千万円強である!そんだけあったら豪邸が一つ建つ。
しかも、これらの症状は陰茎形成手術自体が実験的なものであるという理由から普通の泌尿器科などでは扱ってもらえなかった。また手術が失敗し、様々な問題が起きた後でも、性転換関係の手術や治療は実験的なものが多く、弁護士も扱いたがらない。
スコットは自分が男性体を獲得したこと自体は後悔していないが、その過程での選択には色々後悔があるという。ところでスコットは自分が間違ったからだに生まれたとのではない、自分は女性として生まれ体を変えただけであり自分の性が変わったとは思っていないという。
これだけの苦しみを体験したスコットなら、未成年の性転換を急ぐことに警鐘を鳴らす権利はあるだろう。
多くの医者が好んで鎮静剤のように子どもに与えたがるホルモン制御剤のルプロン(Lupron)アメリカ食品衣料品局(FDA)も性同一性障害の治療薬として正式に認めていない薬だ。この薬の長期的使用の安全性も未知であり、また使用をやめた後に元に戻る保証もない。
「解っていることは長期にわたるホルモン治療は寿命を縮めるということだ。」とスコットは言う。このホルモンが心臓発作、塞栓、粗骨症、肝臓や腎臓疾患、精神病、などなどを引き起こすことはすでに医学的に証明されているのだ。
私は20代の頃に筋トレに凝って完全なジムラットになっていたことがあるが、その頃ジムのロッカーなど、あちこちに貼られていたのがステアロイドと呼ばれる男性ホルモンの危険性に関する警告だった。ステアロイドは短期に筋肉を増幅させ、瞬発力なども出る作用があるため筋トレ及び運動選手の中には、この薬を悪用する人が多くいたからである。しかし当時からステアロイドの危険性は周知の事実であった。ロイドレージと言われる癇癪や躁鬱症などは良く知られた症状だった。
にもかかわらず、性転換の目指すFtMの1/4もの患者にこの危険なホルモンを投与されている。その結果3~12%の患者が精神病を患うという。しかもなんとこの危険なホルモンは思春期前後の子供たちにまで投与されているというのだ。頭脳や骨の形成がされる大事な時期の子供たちにである!
大人が摂取しても危険なホルモン剤を成長途中の子供に処方したらどういういことになるのか、そのことはまだ誰も知らないのだ。そんな危険な薬品を子供たちを使って実験するなど医者としてあるまじき行為ではないのか?
身体的な問題もさることながら、性転換治療による精神面での悪影響についても活動家たちはあまり語りたがらない。
トランス活動家たちは、子供が自分は異性ではないかと言い始めると、性転換をさせなければ子供は自殺してしまう可能性があると親たちを脅す。しかし、性同一性障害の子供たちがホルモン治療を受けなければ自殺率が上がるという調査は実はインチキ調査なのである。これは2018年に小児科ジャーナルに掲載された “Transgender Adolescent Suicide Behavior” が元になっているのだが、これは2012年から2015年というたった三年間に及ぶ研究であり、長期的な調査ではない。
もっと長期的に30年にわたり医学的性転換をした324人の大人たちを対象にした調査によれば、かなり高い確率で自殺願望や自立できない神経疾患を伴うと結論づけている。すでに自殺願望のある子どもたちは、性転換治療を受けた後でも自殺願望は収まらないのである。スコットの個人的な観察でも転換手術をうけた10年後ぐらいに自殺願望を訴える人が結構いるという。
イギリスはアメリカよりも先に子供への性転換治療を始めたため、その悪影響もアメリカより先に体験している。それで最近になって、子供への性転換促進に対して警戒を示すようになってきた。イギリスの国民保険省(NHS)はホルモンブロッカーが子供の身体に与える問題について、きちんと両親に伝え、薬品治療の前に精神科での治療を推薦する方向に変わってきている。 思春期に医者から性転換を勧められて後に後悔した患者からの訴訟が起きていることなども方針変更に役立っているのだろう。
スコットは自らも性転換を体験した者として、性転換は急がずにじっくりと考える必要があると語る。人生を完全に変えてしまうような決断を頭脳がきちんと育っていない時期に決めるべきではないと。子供は先ず健康な大人になることに専念し、その後本当に変わりたいならその時決断を下すべきだと。
そしてトランスジェンダーだと悩み子供たちの親には、医学的性転換は大人のものだということを理解してほしいという。このような転換には非常に大きな危険が伴う。そんなことを子供たちに強いるべきではない。もし子供が性転換できないなら自殺すると脅したら、性転換治療ではなく、まず自殺願望治療専門の精神科のお医者に子供を連れていくべきだと勧告する。
問題なのは、ネットには性の悩みを抱える未成年をおかしな方向へ誘導する情報があふれかえっている。トランス活動家たちは何故か政治的権力を得て、性転換こそが幸せの道であり、それに疑問を投げかける者はトランスフォビアだのターフだのと言って攻め立てる。あれだけ左翼リベラルのために戦ってきたJKローリング女史ですら、性別は変えられない、と言っただけで社会的に抹殺しようする輩が後を絶たない。
だからこそ、こういう実体験から「早まってはいけない」と警告してくれる人がいることは非常に大事なことだ。今自分の性別に悩んでいる人は、実際にこういう体験者の話に耳を傾けるべきだろう。