苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

民主党大統領候補ジョー・バイデンが選んだ最悪の副大統領候補カマラ・ハリス

本来ならば、今頃民主党共和党も大々的にコンベンションを開いて、正式に大統領選に向かって選挙運動を始めるところなのだが、ご時世がご時世だけに、大きな集会は自粛ということで、民主党は先日誰もいない講堂でジョー・バイデンが正式に大統領候補ノミネートを受理し、副大統領候補に大統領候補の座を争ってい最初に脱落したカリフォルニア上院議員のカマラ・ハリスが選ばれた。

ハリスは最悪の選択だという声もあるが、バイデン元副大統領は、最初から黒人女性を選ぶと宣言していたので、はっきりいって選択肢はかなり少なかった。

さてこのカマラ・ハリス(55歳)という人はどういう人なのか。多分それに関しては日本語の記事が色々出てると思うが、種々の資料を基にまとめてみよう。

ハリスは「ジャマイカ出身の経済学者のドナルド・ハリス氏(スタンフォード大学名誉教授)と、インド出身の内分泌学研究者シャマラ・ゴパラン=ハリス博士の間にカリフォルニア州オークランドで生まれた。」というわけで、黒人とはいうものの、一般にいうアフリカ系黒人ではなく、両親の離婚後は主にインド系の母親の影響でかなりインド系文化の中で育ったらしい。

さて1990年代にはカリフォルニア州アラミダ郡の検事補佐に就任。1994年にはカリフォルニア議会議長のウィリー・ブラウンの抜擢されて州の失業保険公訴委員会及び介護ほう助委員会の委員長になった。当時60歳で既婚だったブラウンとハリス(当時29歳)の不倫関係は結構有名。さんざんブラウンのおかげで出世させてもらったのに、後にブラウンの悪口を振りまいていたことも、当時は結構話題になった。

1998年サンフランシスコの検察官テランス・ハリナンにリクルートされて、副検察官に就任。後にハリナンと張り合って検察官の座を得る。2004年から2011年までサンフランシスコ検事を務める。

検事としての経歴が長いので、法と秩序の候補者だとして結構自分を売っていたが、この当時のことが去年民主党大統領候補を決める弁論会で大きな問題となった。この弁論会でハワイ出身のタルシー・ギャバード議員がカマラ・ハリスの過去について鋭い指摘をしたのだ。下記はツイッタラーのリッキーさん(@David_R_Stanton)が訳してくれたギャバード議員のインタビューでの発言。

「ハリス上院議員は『私は検察官としての自分の業績に誇りを持っている』と、そして『自分は検察官の長となる』と言います。でも私はこの『業績』なるものに深い懸念を持っています。引用するべき例が余りにも多いのですが、彼女は1500人以上の人々をマリファナ吸引の罪で刑務所送りにしました。なのに彼女は自分が『マリファナを喫った事があるか』と聞かれた時その事を笑い話にしたのです」

「彼女はとある無実の男性を死刑囚監房から救う筈の証拠をブロックしました、法廷が彼女にそれを強制するまでは。彼女は囚人達を刑期以上に刑務所に留めました。カリフォルニア州のための安価な労働力として使う為です。そして彼女はそのシステムをそのままにしておく為に闘ってたんです。貧しい人たちに衝撃を与えるほぼ最悪の方法です」

この発言がカマラ・ハリスの選挙運動に大打撃を与え、ハリスはアイオワの予選にも出ないまま大統領選を断念してしまったのだ。ちなみにギャバードの活躍が目覚ましかったため、民主党は躍起になってギャバードをつぶしにかかり、グーグルはギャバードの選挙運動を邪魔したとして、ギャバードから訴えられるなどという一幕もあった。

ハリスは2011年から2017年までカリフォルニア司法局長を務め、2017年から上院議員を務めている。

さて、ハリスが副大統領候補して最悪であるという理由はいくつかあるが、ここで気を付けなければならないのは、誰もジョー・バイデンが4年間の任期を無事に勤められるとは思っていないということだ。バイデンはすでに78歳という高齢。しかも演説をぶるたびに訳の分からないことを言い出す耄碌爺さん。もう認知症が始まっていると多くの人が思っている。となると副大統領候補は事実上大統領候補ということになる。

このことを踏まえたうえで、ハリスの副大統領候補としての最初の問題点は、ハリスは民主党有権者が大統領候補として最初に拒絶した候補だったということだ。民主党有権者はハリスは大統領としてふさわしくないとすでに判断しているのである。それが、なんとここへ来てハリスが事実上大統領候補になってしまったのだ。民主党有権者はそんな候補を歓迎するであろうか?

第二の問題点は、ハリスはジョー・バイデンのことを人種差別者だとかセクハラ男だとか批判した過去があることだ。特に先の弁論会では、ハリスはバイデンは人種分離主義者で、もしもバイデンの思い通りになっていたら、自分は人種近藤の学校へ行かれなかっただろうと語った。

バイデンに対して厳しい批判をしたことをノミネート後のインタビューで、スティーブン・コルベアに指摘されたハリスは「あれは弁論会だったから、ぎゃははははあ」と8回もいって笑ってごまかしている。「じゃあ、本気じゃなかったんですね?とっても熱心に語っているように見えましたが」。コルベアは左翼でハリスに対しては優しいインタビュアーなので、こんなきつい質問が出るとは思わなかったのだろう。それで笑ってごまかそうと必死になった。

しかしコルベアは誤魔化せても観ていた有権者たちはどう思っただろうか?

さて、ハリス候補の三番目の問題は、ハリスは黒人系とはいえ、黒人層に人気がないことだ。ギャバード議員が指摘したように、ハリスは検察官だった頃、マリワナ犯罪者の刑期を違法に伸ばして奴隷労力として使ったことや、現金保釈金制度で貧困層黒人を苦しめたりしたという過去がある。それとあいにくなことに、ハリスの父方の家はジャマイカで大型プランテーションを持っていた大農場主の家系で一時期300人の奴隷を持っていたという。ハリスはこの人の直系の子孫。これもかなり都合の悪い真実だろう。

さて最後に、トランプ大統領推薦のビデオで締めくくろう。トランプ・ペンスの選挙運動列車が猛スピードで通り過ぎるあと、バイデンの選挙運動車がやってくる。

ではよい一日を!