苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

トランプは人種差別者、J.D.バンスは変人、カマラは救世主、始まったアメリカメディアの選挙妨害運動

先日日本の友達でライン通話をしていた時に、普段は政治問題に全く興味を示さない彼女が突然「カマラ・ハリスさんのことどう思う?」と聞いてきたのでびっくりしてしまった。私と彼女との付き合いはいわゆる竹馬の友である。しかし何十年にもわたる付き合いで政治の話をしたことは一度もなかった。それで彼女が何故そんなことを言い出したのか不思議だった。

彼女によると日本のメディアでやたらカマラ・ハリスの話題が上っており、トランプとの人気は五分五分で大人気だと聞いているというのだ。彼女の印象ではトランプは常に苦虫を嚙み潰したような表情でハリスの悪口ばかり言っているという。それで、なるほど、そういう印象操作もあるのかと思った。彼女は私と同じ年齢のOLである。彼女はテレビニュースは観ているがネットのニュースなどは観ていない。だから情報源がテレビニュースだけという彼女の見解は興味深い。

友達にも話したのだが、日本のメディアはアメリカの左翼メディアの報道の焼き直しなので、日本の主流メディアだけ見ていたらカマラ大人気でトランプは危機という印象を持つのは当然だろう。

実際トランプ候補はかなりの危機にさらされていると思う。もし人びとがカマラ・ハリスの実績(は全くないが)を正確に把握していればトランプが圧勝することは間違いない。しかし今までカマラ・ハリスが誰なのかさえ知らなかった一般国民にとって、突如彗星のように現れメディアが毎日のようにほめちぎるカマラは本当にすごい人なのかもしれないと思うのは自然だ。

民主党及び左翼メディアの作戦は、カマラ・ハリスは初めての女性黒人大統領候補で庶民の味方、トランプは黒人大嫌いの差別主義者、そして副大統領候補のJ.D.バンスは極右翼の変人という印象を作り上げることにある。

都合よく変わるカマラのカメレオン人種

実はカマラはバイデン大統領が副大統領には黒人女性を選ぶといって任命するまで自分のことを黒人だとは言っていなかった。いや、それどころかインド人とジャマイカ人の間に生まれた自分のことをインド系アジア人だと主張していた。カマラの両親は彼女が幼い頃に離婚して彼女は主に母親の家族の中で育った。カリフォルニアで検察官になった時、至上最初のインド系検察官として散々ローカルニュースで持ち上げられたほどだ。

それにアメリカで「黒人」と言った場合、カリブ海の人は念頭になくアフリカ系の黒人を意味する。しかもカマラの父親は以前に自分は黒人奴隷を持っていた大地主の子孫だと自慢げに語っていたことがある。だからカマラは色は黒いかもしれないが厳密な意味で全くアフロ黒人ではないのだ。いや、だからどうということはないのだが、彼女自身が自分はアフリカ系黒人であるかのように振る舞い黒人有権者に迎合していることが気持ち悪いのだ。カマラは黒人市民団体の前での演説でわざとらしく黒人の南部訛りを使ったりしてその迎合ぶりが半端ない。

インド系の共和党議員ビベック・ラワスワミーもカマラが都合のいい時だけインド系であることを主張することを批判している。

カマラは2019年の大統領選に出馬したが民主党大統領候補予選の最初のアイオワカーカスの前の討論会で大敗し予備選が始まる前に脱落してしまったほど民主党内では人気のない人だ。副大統領になってからもこれといった活躍はしておらず、ただ一つバイデンに任された国境問題の政策責任者としての仕事を完全放棄し、故郷に一度も足を運ばないという体たらくだった。彼女は外交問題でも常に頓珍漢な発言をしており、ロシアとウクライナの戦争が勃発した時も、ロシアという大きな国が弱小国のウクライナという国を占領した、幼稚園児にでも話すような言い方で、一体この人は何を言ってるんだと呆れられた。

しかしメディアはそんな都合の悪い過去はほとんどの国民が覚えていないか元々知らないだろうと踏んで、あたかもカマラが素晴らしい政治家であるかのようにカマラ上げに余念がない。

J.D.バンスは変人説

副大統領候補のJ.D.バンスは40歳とまだ若い。彼はミレニアム世代ということもあり、彼が20代の頃から普及し始めたネットを最大限利用していたようだ。それで彼の若い頃の発言がいたるところに残っている。

バンスは2005年にイラク海兵隊員として出動し軍事記者をしていた時に当時流行し始めたブログを始めた。2012年に作ったスポティファイで公開していた好きな曲リストはバックストリートボーイズとかジャスティンビーバーとか20代男性にしてはかなりミーハーな趣味だ。その後もTwitterアカウントを作ったり消したり、ヤルプで批評を書いたり別のブログを始めたりした。

というわけなので共和党副大統領候補となった途端に民主党や左翼メディアが彼の20年に渡るオンラインコメントを目を皿のようにして漁っている。バンス氏はまさか自分が20年も前に書いたことが今になって敵に悪用されるとは当時は思っていなかっただろう。とはいうものの、今のところ出て来てる情報はバンス夫妻は犬好きで時々きにいらなかった獣医の批評を書いていたことくらいだ。

なんとかバンスは変人("weird”)という印象付けようとして、彼が数年前に民主党は子供のいないキャットレイディースたちに牛耳られているといった発言を持ち出してバンスを叩いている。バンスは単に子供のいない人たちは将来のアメリカの行方に興味がなく、家族を大事にしない政策をとっていると批判しただけである。

トランプはレイシスト

トランプは有名人だし、最初の大統領選の時から散々叩かれてきてるので今更国民が驚くようなスキャンダルはない。セクハラ訴訟も不倫口止め訴訟も不動産不正融資も機密書類持ち出し疑惑も、裁判で有罪になってもならなくてもトランプの人気には全く影響がない。民主党はありとあらゆる手段でトランプを陥れようとしたがすべて失敗している。

トランプは少数ではあるが黒人有権者の間でも人気が上がっている。トランプ大統領の前回の政権の時にアメリカの経済は非常に良好で黒人層の失業率が下がり黒人の生活を向上させた実績がある。それに刑事事件で不当に叩かれたトランプに対して、司法を信用していない黒人層にはトランプはいい意味のバッドボーイのイメージがある。それで民主党はトランプは人種差別(特に黒人差別)者であるという印象付けのため、黒人ジャーナリスト講演に招待して三人の黒人ジャーナリストによって袋叩きにしょうと企んだ

「多くの人々は、あなたが今日ここにいることが適切だとは思わなかった。あなたは、ニッキー・ヘイリーからバラク・オバマ前大統領まで、何人かのライバルについて虚偽の主張を押し付けてきた。あなたは、アメリカ市民である有色人種の4人の下院議員に対して、出身地に帰れと言った。あなたは黒人弁護士を『ケダモノ』や『ウサギ』といった言葉で表現した。あなたは黒人ジャーナリストを攻撃し、負け犬呼ばわりし、彼らがした質問は『愚かで人種差別的』だと言った」

とスコットは、セマフォーの記者カディア・ゴバとフォックス・ニュースのアンカー、ハリス・フォークナーが参加したQ&Aパネルで語った。

あなたはマール・ア・ラーゴ・リゾートで白人至上主義者と夕食を共にした。そこで質問ですが、あなたは黒人支持者にあなたに投票するよう求めていましたね(略)なぜ黒人の有権者は、あなたがそのような言葉を使った後、あなたを信頼しなければならないのですか?

これにはトランプもちょっとカチンと来たようだ。「未だかつてそんな失礼な質問をされたことがない。」とトランプ。

「こんにちは、いかがお過ごしですか?」と聞くでもなく。君はABCか?彼らは似非テレビ局だ。酷い局だ。私はここへ善意で来たのに何と恥ずべきことだ。私はこの国の黒人を愛している。私は黒人層のために沢山のことをしてきた。

本当になんと失礼な質問だろう。ほんの三週間前に暗殺未遂の被害にあったトランプが、わざわざ敵陣に赴いてくれたというのに、それを心配するでもなく開口そうそう何故黒人大嫌いなあなたを私たちが信用できると思うんですかって聞き方があるか?これがプロのジャーナリストの礼儀なのか?

観客は皆黒人ジャーナリストかその仲間のはずだが、このビデオを観る限りトランプは観客の心もつかんだように思える。すくなくともトランプはレイシストだという印象付けは失敗したようである。