苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

イギリス、英トライアスロン連盟が23年施行新指針。男性・トランス・出生時男性ノンバイナリを含むオープンカテゴリを設置、出生時女性のみが女性カテゴリに

イギリスのトライアスロン連盟は新しく「オープン」カテゴリーを設けてトランスジェンダー選手がそちらに参加し、女子競技は女子として生まれた選手のみが参加できるようになると新しいトランスジェンダーポリシーを発表

これによって、男子を含むすべての個人、トランスジェンダー及び男子として生まれたノンバイナリがこのカテゴリーに含まれ、生まれつき女子のカテゴリーからは分けられることになる。

この新方針の定義の部分を読んでいてちょっと感激した。それというのも、言葉使いが今まで聞いてきたような「生まれた時に割り当てられた性」などという非科学的なものではなく、トランスジェンダーを「自分の性別(ジェンダー)自認が出生時の性(セックス)と違う人」と定義しており、きちんとセックスとジェンダーを区別していることである。そして新しくオープンカテゴリーを設けるにあたり、新方針はその背景は科学的根拠に基づくものだとしている。強調はカカシ。

イギリストライアスロンは、水泳や自転車や走ることは誰もが楽しく権利を支持し真に許容的克すべての参加者に安全で公平である環境を作るよう規制する。

スポーツにおいて大人の男子は第二次性徴期のテスタストロンの影響を受け、大人の女子に比べ肉体的及び生物学的に顕著な有利性を持つことは科学が証明していることは議論の余地はない。

加えて、科学者の間では思春期で得た男子の肉体的・生物学的優勢は性転換した後でも保持するという意見が多数派である。 (Hilton & Lundberg, 2020
https://link.springer.com/article/10.1007/s40279-020-01389-3 and Harper et al., 2021
https://bjsm.bmj.com/content/55/15/865).

トランスジェンダー女性がもつ優勢がスポーツの上でどの程度影響を及ぼすかという科学的調査は限られているとはいうものの、現在存在する科学は、テスタストロン制御のみではトランス女性がトランス以前に得た優勢な運動能力を十分に制御できないと結論付けている。

英トライスロンはトランスジェンダーコミュニティーが差別や偏見の恐れを持たずに競技に参加すべきであると考える。トランスジェンダーと自認する人々は尊厳と尊敬を持って扱われるべきであり、同連盟はホモフォビア、バイフォビアそしてトランスフォビアを断じて許さない方針である。

やっとスポーツ連盟のなかにも正気な人が出て来たようだ。ところでこれを読んでいて面白いことに気付いた。今後トライアスロン競技主催者は次のカテゴリーを設けなければならないとある。

  • 女子カテゴリー
  • オープンカテゴリー

女子カテゴリー参加資格:出生時の性が女子である人のみ女子カテゴリーに参加することが出来る。出生時の性が女子であるひとのみグレートブリテン、イギリス、スコットランド、ウエールスの国際競技において、女子枠に参加資格を持つ。女子プロ競技者のライセンスは出生時の性が女子の人のみ取得できる。

オープンカテゴリー参加資格:トランスジェンダー及びすべての選手がオープンカテゴリーに参加できる。参加者は皆男子プロ競技者のライセンスを取得できる。

これを読んでいて、ふと気づいたことがある。カテゴリーは女子とオープンの二つだけが義務付けられているが、男子カテゴリーがない!

そっかあ~、男子競技がオープンカテゴリーになるのか!

いや、実は私は前々からトイレにしろお風呂にしろ女子の方はそのままにして、男子の方をオールジェンダーにすればいいと思っていた。そうすれば新しく施設をこしらえる必要もなく、今のままのインフラを保って誰もが使える・参加できるシステムが作れるからである。

最初にこの記事の見出しを読んだ時、私はてっきり男女枠の他に新しくトランスジェンダーカテゴリーを作るものだと早合点していた。しかしなんのことはない、結果的に生まれつきの男子はトランス女性だろうとなんだろうと男子競技に参加しろということになったわけだ。

さてこの新方針を紹介していたこちらの記事なのだが、明らかにトランスジェンダー活動家の立場から書かれており、「トランス男性はどうするんだあ~」と言っているが、出生時が女子のトランスマンは男性ホルモン接種さえしていなければ女子競技参加は可能だ。もし男性ホルモンを摂取しているのであれば、女子競技ではドーピングになってしまうのでオープンカテゴリーに参加するのが理想だろう。まあ勝てないだろうけど。

この新方針は2023年1月1日からイギリスで行われるすべてのトライアスロンイベントで施行される。これは2018年に設立された女子カテゴリーに性別自認が女子であればテスタストロン数値が規定以内なら参加できるという方針と差し替えになる。

同連盟はこの新方針を作成するにあたり、3000人以上の競技参加者からアンケート調査を行ったという。同記事によれば「しかしそのうちのたった16人がトランスジェンダーだった」と不満そうだが、元々トランスジェンダー選手なぞ数が少ないから問題にならないと言っていたのはトランス活動家のほうだからね。

ではトランスジェンダー界隈の反響はというと、マーメイドという悪名高いトランスジェンダー団体に所属する自信もトライアスロン選手であるエイミー・ガッドはピンクニュース(LGBT系ニュースサイト)のインタビューで、

「トランス女性として2016年からトライアスロンに参加している身としては、女子カテゴリーから排除されることに非常に失望しています。「これは単に女性と女児を分けることになるだけで、誰のためにもなりません。私は今後私を女子として認めないスポーツに参加するかどうか決めなければなりません。」とガッドは語った。

男子としての優勢性が失われたので参加したくないのなら、参加しなくてよい。こんな奴がいるからこそ、オープンカテゴリーなんてものを設けることになったのだから。

国際水泳連盟FINAに続き、トライアスロンも正気の方針を取り入れるようになったので、サイクリングや陸上競技など次々に同じような規則を設けてほしい。もういい加減に正気に戻る時がきたのだ。

トランス界隈はFINAやトライスロン連盟の方針を「非科学的だ」として非難してる。