苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

バレンタインのキッスチョコ

今日はバレンタインズデイ。アメリカではこの日にちょっと普段は行かないような高級なレストランで食事をするカップルが多い。それで2月14日の外食は予約をしていないと、どこもかしこも大混雑である。もう久しくそんなことには構わなくなってしまった苺畑夫婦だが、私はこの時期に出張していることが多かったので、一緒にバレンタインを祝ったことはあまりない。ただ一度だけ面白いことがあった。もう20年くらい前の話だが、私が仕事を始めて初めての長期出張した時、ちょうどバレンタインズデイが被ってしまった。それで私はカリフォルニアの主人にバレンタインズデイのプレゼントを送った。その話を主人に電話で伝えると、主人も送ったよと言ったので楽しみにしていた。

私が買ったのは超大型のキッスチョコレート。普通は小粒で人差し指の人関節くらいの大きさなのだが、これは特別で片手にどっしりはまるくらいの大きさ。1ポンド(450グラム)くらいはあると思われるチョコの塊。出張先の近所のスーパーで売っていたのでつい買ってしまったのだ。

さてバレンタインズデイ当日に私が泊まっていた宿に主人からの小包が届いた。勇んで箱を開けてみると、なんとなく見覚えのある包装。なんだろう、と開けてみると、なんと超大型のキッスチョコレート!私が主人に送ったのと同じ型のものだった!

私からの小包を受け取った主人からすぐ電話がかかって来て。せっかく送料かけて送ったのに、ばっかみたいだね。でも心が通じ合ってる証拠だよ。などと言って大笑いした。

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アメリカではチョコレートを女性から男性に渡すと言う習慣はない。どちらかというと男性から女性にプレゼントする方が普通。でもカップル同士ならどちらからプレゼントしても別に構わない。

大昔私がまだ日系のコンピューター販売会社に勤めていた頃、日本の本社の女子社員たちからカリフォルニア支店の男子社員へとチョコレートが送られてきた。きちんとした英語で「日本の女子社員からアメリカの男子社員へ」とカードが添えられていたのに、最初に受け取った秘書の女性が「これはきっと英語の間違いよね。女子から男子へなんておかしいもの」と言うので、私が「いや日本では女子から男子に上げる習慣があるのよ」と説明したのだが、大量のチョコレートに魅かれて集まってきた女子社員たちが「カカシ、何言ってんのよ、女子から男子にチョコのプレゼントなんて聞いたことない。間違いよ絶対に」と私の説明を完全無視。秘書の女性がそそくさと箱を開けてしまい、女子全員で全部食べてしまった。ま、いっか、と思って私も食べたけど、、、(笑)。

後で支店長(日本からの駐在員)が秘書のところへやってきて、「あ、チョコレート着いたかい?本店の女の子たちから送ったって連絡きたけど。」と聞いたので「ありがとうございます。みんなで頂きました。美味しかったです。」と秘書の女性が答えると「みんなって?君たちが食べたの?」そう言って支店長が私の方を見た。「女子から男子だって言ったんですけどね、、」と肩をすくめた私。

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今日のことをすっかり忘れて昨日は叔母ちゃんと一緒にお昼を食べに行ってお金を使ってしまったので、今日も外食とかちょっと考えもの。どうせ予約なしで入れる店は少ないだろうし、ベイカリーでケーキでも買ってきてお祝いしようかな。