苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

トランプ大統領のAV女優口止め裁判、「証人マイケル・コーエンは嘘つき」元弁護士の証言

先日から行われているストーミー・ダニエルズという元ポルノ女優への口止め料支払いを巡りトランプ前大統領が違法な支払いをしたと問われている裁判で、先日元トランプの弁護士でダニエルズに口止め料を払ったマイケル・コーエンの証言が行われた。コーエンは2018年に検察側と取引をして、トランプに不利な証言をすることで自分の脱税の罪を軽くしてもらった過去がある。それでも弁護士資格は剥奪され短期ながら禁固刑にもなっており、それに関してトランプ大統領に個人的な恨みを抱いている人間だ。

本日、そのマイケル・コーエンの弁護士だったロバート・コステロがコーヘンはこの証言で嘘をついてると議会で証言した

マイケル・コーエンの元弁護士ボブ・コステロは刑事犯罪専門のベテラン弁護士だ。コステロは水曜日(5月15日)議会の公聴会でコーヘンが法廷で2018年、コステロからトランプ大統領について沈黙を守るよう圧力をかけられたという証言は嘘であると証言した。

「私はニューヨークで行われている裁判における昨日のマイケル・コーヘンの証言をここへ来る電車の中でよみましたが、彼が私に関して話した内容はほぼすべてが嘘です。」とコステロは語った。

 

コステロの発言は、下院連邦政府兵器化小委員会の公聴会で行われたもので、司法省がコーエンを捜査していた2018年4月から数カ月間、コーエンの代理人を務めた経験について述べた。

 

数カ月後の2018年8月、コーエンは脱税、銀行への嘘、選挙資金違反などいくつかの罪を認めた。

 

コステロによれば、コーエンは刑務所を回避する方法を必死に探しているようだったという。「やれることは何でもやる。一日たりとも刑務所で過ごすつもりはない」と、コステロはコーエンがマンハッタンのロウズ・リージェンシー・ホテルで初めて会ったときに何度も言ったことを回想した。

 

コステロによると、コーエンは 「逃げ道 」を探すのに必死で、2日前の夜にはホテルの屋上から飛び降りようと考えていたことまで認めたという。

 

コステロはコーエンに、トランプについて持っている不利な情報をニューヨークの連邦検事局に持ち込むようアドバイスし、そうすればコーエンは刑務所に行かずにすむかもしれないと言った。しかし、コーエンはトランプに不利な証拠はないと答えた

 

「神に誓って言うが、ボブ、私はドナルド・トランプについて何も持っていない。... 私はドナルド・トランプについて何も持っていない」とコーエンは言ったとコステロは回想した。

この記事にはないが、私が観たテレビでのインタビューでコステロは、コーヘンはトランプが大統領になった際に、それまでトランプと付き合いのあった忠実な仕事仲間たちがすべてワシントンに連れていかれたのにも関わらず、自分だけが連れて行ってもらえなかったことがかなりショックだったようだと語っている。

A split composite of Donald Trump and Michael Cohen.
Donald Trump; Michael Cohen.Getty Images

コーエンは自分は参謀長か司法局長になるべきだったと期待していたらしく、本人が思っていたほどトランプからは信頼されていなかったことを知ってトランプを恨んでいたという。

またストーミー・ダニエルズの弁護士から数年前にトランプ大統領と不倫関係を持ったという話を聞いた時、コーエンはそれが本当だとは思わなかったが、選挙前にそんなスキャンダルが起きては色々面倒なことになるため、自分の一存で片付けようと考えたと語ったという。そしてその口止め料が何処から出てどのようにダニエルズ側に支払われたかについてトランプ大統領は何も知らなかったとコーエンはコステロに語ったというのだ。ここでもコーエンはトランプ大統領に恩を売っておこうと思ったのだろう。

この裁判の鍵となるのは、トランプ大統領が自分の判断で選挙資金からダニエルズ側に口止め料を払ったのかどうかということで、実際にトランプとダニエルズの間に性交渉があったかどうかは問題とされない。例えそんなことがあったとしても、それ自体は違法行為ではない。それをいうなら口止め料を払うという行為すら違法ではない。問題とされているのはそのお金が選挙資金から出ていたかどうかなのである。

もしコステロが言う通り、コーエンが2018年にコステロに話たとされることが事実であるとしたら、この件はトランプとは無関係でありトランプは完全に無罪だ。

この裁判は最初から最後までトランプを陥れるためだけに行われたものであり、もしトランプがバイデンにとって最強のライバルでなかったら、誰も問題にしていない話である。選挙前に協力な政治ライバルをでっちあげの罪で逮捕し裁判にかけ、あわん良くば刑務所にぶち込もうなどとするのは第三国のカンガルーコートと一緒である。

本日共和党の議員ら数名がトランプを応援するために法廷で傍聴し、その後裁判所の外で記者会見を行った

トランプ氏の忠実な支持者であるマット・ゲッツ下院議員(フロリダ州選出)とローレン・ボーバート下院議員(コロラド州選出)を筆頭に、11人の共和党議員が法廷に駆けつけ、同党の推定大統領候補を支持した。「私たちは100%彼を応援している ボーバートはXに投稿した。

フアン・メルシャン裁判長の娘はなんとジョー・バイデンの資金集めをしている人物であり、本来なら利害相反で裁判官を務めるのを自ら断るべきであるにもかかわらず、トランプ大統領に箝口令(かんこうれい)を命令し、トランプがこの件に関して発言できないように黙らせている。

ゲッツとボーバートは、極右勢力である下院フリーダム・コーカスの議長を務めるボブ・グッド議員(ヴァージニア州選出)とエリック・トランプの隣の最前列に座った。

他にもアンナ・パウリナ下院議員(共和フロリダ)も参加し3週間の裁判の間に法廷に姿を現したトランプ支持者の中で最大のグループとなった。

火曜日には、マイク・ジョンソン下院議長も参加。J.D.バンス上院議員オハイオ州選出)、ダグ・バーガムノースダコタ州知事、バイオテクノロジー起業家のビベック・ラマスワミ氏など、トランプ大統領の副大統領候補として名前が挙がっている共和党議員も巡礼に訪れた。

主流メディアはトランプが共和党を分裂させているというが、どうしてどうして、この裁判のせいで共和党は団結している。共和党議員たちはこのようなことは民主主義国家ではあってはならないことだと口々にバイデン政権の司法局を批判した。

今支持率ではトランプの方がバイデンよりも圧倒的に優利である。もし選挙が公平に行われたならトランプが大勝利することは間違いない。だからこそバイデン陣営はなんとかしてトランプを候補の座からひきずりおろそうとやっきなのである。