アメリカのユダヤ系はリベラルな人が多く往々にして民主党支持である。しかし昨今の左翼リベラルによるあからさまなユダヤ人差別及び暴力に関して、民主党から見捨てられた気がしているユダヤ系が増えている。
18歳の頃からずっと民主党支持だというある若者は先日トランプ大統領を起訴したニューヨーク市のアルビン・ブラグ検事の事務所の前で、コロンビア大学を占拠したハマス支持暴徒らを全員不起訴にしたとして抗議のデモに参加した。
「僕は長年の民主党支持ですが、当に見捨てられた気がします。これは非常に残念なことです。何故なら僕はリベラルや革新的価値観を信じているからです。でも民主党は僕を信じていない、ユダヤ系アメリカ人を信頼していないのです。」とシャボス・ケステンバウムはフォックス＆フレンズのインタビューで語った。
ハーバード大学出身のケステンバウム氏はこの月曜日マンハッタン検事のやったことは「危険な前例を作った」と抗議デモに参加した。
民主党はもうずいぶん前からユダヤ系アメリカ人を見捨てている。そのことにケステンバウム氏が気付かなかったのは彼がまだ20代前半と若く、多分これまで民主党のイスラエル政策やユダヤ人差別について注目してこなかったからだろう。
こちら私が2019年に書いたイルハン・オマル議員の反ユダヤ発言を罰しなかった民主党に関するエントリー。米民主党の明らかな反ユダヤ主義 - 苺畑より In the Strawberry Fields (hatenablog.com)
トランプ大統領のどうでもいい過去の問題を大騒ぎして起訴したブラグ検察官は、今回の親パレスチナ暴徒たちに対しては不起訴処分。民主党の連邦司法局は1月6日に議事堂で集まった平和的なトランプ支持者を徹底的に探し出して、たかが建造物不法侵入程度の人びとを何年もの禁固刑に処すなどしてきたにもかかわらず、コロンビア大学の校長オフィスを暴力的に占拠し清掃員を数人数時間にわたって人質にとるなどした暴徒らにはお咎めなしである。ケステンバウム氏は自分は民主党を見捨てたくないが、民主党には見捨てられたきがすると次のように語った。
どうして我々はこのような扱いを受けるのでしょうか。このダブルスタンダードは何なんでしょう？しかもこれはニューヨーク市だけじゃありません。反ユダヤ暴動はロサンゼルスでも起きてます。司法局の責任者でもあるジョー・バイデンは違法行為をしている人たちを徹底的に取り締まるべきです。でも彼はその能力がないのか、ユダヤ系アメリカ人を守る気がないのかのどちらかでしょう。
このように感じているのはケステンバウム氏だけではない。
CNNのこの記事Warnings signs for Biden’s Jewish support as war in Gaza drags on and antisemitism rises (msn.com)によると、ユダヤ系によるバイデン支持が減っているとある。
西ミシガンのミシガンユダヤ系民主党の会長トロイ・ズコウスキー氏は、2~3人から正面切って「ユダヤ人の誰が民主党になど投票できるでしょうか？」と聞かれたと語る。「私はトランプに投票するかもしれないユダヤ系については心配していません。それより第三候補に投票したり全く投票しない人たちのことの方が心配です。」
またこちらの記事Jewish Democrat warns Biden he could lose Georgia over Israel (msn.com)ではバイデンは気を付けないとジョージアのユダヤ系を失う可能性があるとある。エスター・パニッチ下院議員はジョージア州のユダヤ系は比較的すくないが、ジョージア州は2020年にたった12000票の差でバイデンが勝った接戦州であることを指摘、もしバイデン大統領と10分でも会見出来たら言いたいことがあると語る。
民主党が抱えている問題は、3月のガザ停戦を求める国連安全保障理事会決議の棄権や、イスラエルへの重爆弾の輸送を一時停止するという先月の決定などだ。
それらはユダヤ人コミュニティ全体とは相容れません」とパニッチはワシントン・エグザミナー紙に語った。「バイデン大統領は反ユダヤ主義について正しいことは言っていますが、今は、米国内のユダヤ人を守るために、もっと行動を起こす必要があります
パニッチによると多くのユダヤ系が民主党のいう大きなテントの中にユダヤ人は含まれていないのではないかと感じているという。ユダヤ系民主党支持者の間では単にバイデンに投票しないだけでなくトランプに投票する気だと言っているひともいるという。
とはいうものの、最近行われた世論調査ではまだ６３％のユダヤ系がバイデンの政策を支持すると答えている。Poll: 63% of American Jews Approve of Biden Presidency (jewishjournal.com)
今年の三月28日から四月三日までに800人のユダヤ系有権者を対象に行われた世論調査では６３％がバイデンを支持、３７％が支持しないと答えている。しかし先にあげたケステンバウム氏は今はユダヤ系によるバイデン不支持はもっと増えているはずだと語っていた。
長年民主党支持のユダヤ系が、いくら民主党が反ユダヤ主義者への対応が甘いとはいえ、すぐにトランプ大統領に投票したり共和党に移行したりはしないだろう。だが前述のズコウスキー氏が心配するように、もし十分な少数派がバイデン以外の第三候補者に投票したら、接戦値ではトランプが勝ってしまう可能性はある。民主党は一部の過激左翼に迎合するために長年の同盟者であるユダヤ系有権者を見捨てるつもりなのだろうか？
