苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

三歳の子供が一人でトイレに行ける?少子化が進んでトイレトレーニングも知らない若者たち

数日前に三歳の男児を女子トイレに連れて行った母親が、女装男に遭遇して怖かったと言う話をしていたのに、何故か男児を女子トイレに連れて行くなどけしからんと大炎上した話をした。多くの男児を持つ母親たちが、トイレトレーニングもまだ済んでない子供をどうやって男子トイレに送り込めというのだと反論していたが、それに関して「トイレトレーニングなんて言葉初めて聞いた」という投稿があった。

本当にびっくりしたんだけど、子供に対してトイレトレーニングと言うの初めて知った。子供はペットでも所有物でもない、1人の人間なのに。そんな言い回しがあるんだ?しかも親の中では当たり前の単語なんだ?ってびっくりした。

 

いや、びっくりしたのはこっちだよ。自分では何一つできない赤ん坊がおしめを替えてもらってる時代から、だんだんと母親に尿意や便意を伝えられるようになり、オマルが使えるようになり、やっとトイレに一人で行けるようになるまでには、そのひとつひとつの段階で母親からの辛抱強い訓練が施される。英語ではトイレットトレーニングというので、日本でもその略語が使われるようになったのだろうが、言葉があろうがなかろうが実際子供は放っておいて一人でトイレに行けるようになるわけではない。

大昔に狼に育てられた少女たちの話を読んだことがあるが、彼女たちは所かまわず排泄するので、最初はトイレできちんと出来るように訓練しなければならなかったとあったのを覚えている。

それで反出生だのなんだのと言って母親が未就学の男児を女子トイレに入れるのを嫌がる若い女性達は、子育てを知らないだけじゃなく、自分が子どもだった時の記憶以外に子供のことを知らないのではないだろうかと気が付いた。

私は子育てはしたことはないが、私が育った昭和40年代には、周りに子供が沢山居た。私と三歳違いの妹は当時出来たばかりの団地で育った。団地の入居者のほとんどは若い夫婦だったので乳児から小学生まで色々な年代の子供たちで溢れかえっていた。私は年長の方だったので、近所の年下の子供たちを引き連れて毎日外で遊んでいた。だから年齢によって色々出来ることに差があるなんてことは自然に学んだ。おしめこそ替えたことはなかったが、三歳児が一人でトイレに行かれないなんてことは子供のころから知っていた。

考えてみればこれも少子化の弊害なのかもしれない。妹や弟がいないと、母親が乳児から幼稚園児になるまでどんな苦労をするかを目の当たりにすることがない。近所に小さい子がいないと母親と幼児のやり取りを見ることもない。だからおもつがとれたかとれないかの三歳児が一人で男子トイレに入れるなどという信じられない妄想を抱いてしまうのかもしれない。

こういう人が母親になったら、本当に子育てができるんだろうかと心配になってしまう。