苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

雑記、片付けについて色々

ユーチューブで片付けや断捨離やゴミ屋敷掃除のビデオとか色々観ていて思い出したことがあった。

実は私もミスター苺も若い頃は全く片付けの出来ない人間だった。私はアメリカに来た当初、ルームメイトと二人でひとつのアパートに住んでいたが、ルームメイトは私以上に片付けない人だった。その頃に友人が遊びにきて「よくこんな散らかったところに住めるわね」と呆れられたことがある。それで私は人を自宅に招くのが好きではなく、人に見せない部屋だからというのでどんどん散らかって手の付けられない状態になっていた。ずぼらな他人と住んでいると自分だけ綺麗に住むというのはかなり難しい。

しかしそれよりもっとひどかったのがミスター苺のアパートである。彼の友人が冗談交じりに、あまりにも床に色々なものが積んであるから、床がゴミや紙がいくつもの層になっていてちょっとやそっと片付けても床にたどり着けないと言っていたのを覚えている。

ミスター苺と付き合い始めた頃、彼のアパートにも時々行ったが、自分の部屋も片づけられない私が他人のアパートの掃除など出来るはずはないので、ソファに座る度にそこに置いてあるものを床に置いたり、食事の時はコーヒーテーブルの上に山積みになっていた本などを他に移動させて空間を作って食べていた。

私が多少ましになったのは30歳ぐらいの時に、それまで勤めていた安月給の銀行勤めからリストラされ、ダウンタウンの証券会社に転職した頃である。給料が多少上がったので、友達から「熊の巣窟」と言われていた暗くておんぼろのアパートから、職場近くの明るくてロフトもあるちょっとおしゃれなアパートに一人で引っ越した。私はこのアパートは前のようなことにならないように綺麗に使おうと決心したのだ。

幸いなことに私はこの時代仕事が物凄く忙しく、アパートには寝に帰るくらいの時間しかなかったため、物を買いためるようなこともせず、外食がほとんどたったことから部屋の中が汚れることもなかった。ところが一年後ノースリッジ大地震が起き、壊れたアパートに住めなくなり今度は父が買ってくれたマンションに引っ越した。今度は賃貸ではなく自分のものだという自覚があったので、絶対にゴミ屋敷にはすまいと努力した。

その後ミスター苺と結婚した。結婚当初、我々には経済的余裕はなかったので、そのまま私のマンションで済むことになった。しかし元々独り用の狭いマンションに彼のガラクタ全部を持ち込まれては困る。それで元のアパートを出る際に大規模な断捨離がおこなわれた(当時そんな言葉は知らなかったが)。

彼のアパートのゴミ屋敷ぶりは、掃除のプロが言うところの最低から最高10のレベル2か3ぐらいではなかったろうか。いやあともかく凄い量のゴミだった。大型ダンプスター三台分くらいのゴミが出た。無論古いソファや椅子やベッドは全部処分させた。

 

ダンプスター

今思うと業者も頼まずに自分だけでよくあれだけのガラクタやゴミの処分が出来たものだと感心する。最後の掃除は私も多少手伝ったが、ほとんどは彼一人でやった。ダンプスターを借りた料金は大家さんが敷金から差し引いたようで、引っ越しの際は何も戻ってこなかった。

しかしこれだけの処分をしたにもかかわらず、三年前に断捨離を始めた時、ガラージに積み上げてあった主人の段ボール箱十数個を開けてみると、なんと1980年代からのどうでもいい書類がびっしり詰まっていたのを発見した。主人が私のマンションに引っ越す際に捨てておくべきだった書類が、そのまま私の住んでいたマンションの倉庫に移動されていたのである。私は倉庫を使っていなかったので、そこに彼の書類がすべて移動していたことに全く気付かなかった。しかもそれがこの家に越して来た14年前にもそのまま家のガラージに移動しており、それにさらにその後の10年以上の書類が加算されていたのだから驚く。なんでこの家に越して来た時点で古い書類を処分しなかったのだろうか?まあそんなことは今更言ってもしょうがないが。

昨日クローゼットの中身を箱に詰めていて、やっぱり要らないなと思う衣類を再びバスケットに詰め込んでそのままGoodwillというチャリティーのお店に持って行き寄付してきた。あんまり何度も行っているので、もうお店の人とは顔見知りになり、「今日は何を持って来たの?」と聞かれるほどになっている。

ところで主人の持っている何百枚というレコード盤だが、明日業者の人が買い取るためにみにくることになっている。二束三文でも買い取ってくれれば助かるのだが。

ともかく要らないものはほとんどすべて処分してしまったので、今度こそクリーンスレート(clean slate=白紙にもどす)で新生活に挑める。

 

追記:レコードが売れた!

ついさっき、うちにあった何百枚というレコードを外の州からわざわざ来てくれた(うちのためだけじゃないけど)業者さんがほとんど全部買い取ってくれた。こんなの興味ないだろうと思ったが一応出しておいた沢田研二布施明など日本のアルバムも、なんとそっちの方が興味あるとかでミスター苺の昔のロックなどより高く売れてびっくり。

結局残ったのは古いコメディアルバムとか映画のサウンドトラックやクラッシック音楽合わせて20枚くらい。うちにはレコードプレーヤーもないので、持っててもしょうがないからこれらは寄付するか捨てるかしよう。これで本当に要らないものの処分がすべて終わった。しかもいくらかお小遣いにもなったし。