苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

カルチャーショック?それとも意思疎通の問題?お持たせお菓子に心揺れる女ごころ

今朝ツイッターでとっても面白いツイートを見つけた。それに関するコメントも非常に面白かったので私の感想を書いてみた。先ずは元のツイート。

男性社員が、おやつを社内の皆へ買ってきてくれたんだけど、切り分けが必要なやつで。「男性が買ってきたお土産を女性が切り分けて配る」という光景が、すごく嫌だなと思った。切れてるの買って来て、もしくは自分で切り分けて、と思うの私だけ??

このツイートに賛同する日本の女子社員から、「ほんと、ほんと、スイカを差し入れた人がいるけど切って配る人の身になってほしい」とか「カステラ持ってくる人がいるけど、切り分けて小皿に入れて配るのって大変」などとツイート者に同意する意見が殺到していた。

私はせっかく誰かが差し入れしてくれたのに、そこまで言うことないんじゃないかなと思ったが、あまりにも男子社員のお土産や差し入れは女子社員がきれいに切り分けして配るのが当然みたいに思われている職場が多いらしいということに気付き、自分の大昔の体験を思い出した。

古の昔、私が初めてアメリカの会社で勤め始めた時、いつも帰り際に自分の使ったコーヒーカップを洗っていたが、ある日流しに同僚が置いて行ったカップがあったので、自分のを洗うついでにそのカップも洗っておいた。次の日もまた他の人のカップがあったのでそれも洗って置いた。ところが毎日流しに置きっぱなしになっているカップの数が増えていく。

それでもついでだからと洗っていたら、ある日自分のカップを持って流しまで来た若い女の子が、「カカシ~、いつもカップあらってくれてありがとね。」と言って自分の汚いカップをそこへおいて立ち去ろうとしたのだ!私はブチ切れて「なんでアタシがあなたのカップを洗わなきゃならないのよ!カップ洗いは私の仕事じゃないわよ!」と怒鳴ってしまった。相手は非常に驚いた顔で、「いや、別に洗いたくないならいいわよ。」と悪びれずに答えた。そこで私は気づいたのだ。これはカルチャーショックってやつだと。

私の日本人の感覚では「いつもカカシさんにやってもらって悪いから、今日は私がやろう」って思ってくれるものという期待があったので、同僚たちの反応は非常な驚きだった。それでこれは日本とアメリカの文化の違いなのかもとずっと思っていた。ほんの今朝までは。

さて、それで男性社員が差し入れしたおやつを女性社員が切り分けして配るのが習慣になっている職場がある、という話を聞いて気が付いた。汚いカップを流しに置いて行った私の同僚たちに悪気がなかったように、女性が配るのを期待してる男性たちにも悪気はないと思う。

何も言わずに同僚のカップを何日も洗い続けて自分の好意を理解してもらえると思っていた私が間違っていたように、仕事以外の雑用を色々やって感謝してもらえると思っている女性社員たちも間違っているのだ。それが彼女たちの仕事だというなら別。昔はお茶くみという仕事もあったから。

ただし、それが自分の仕事ではなく、その雑用をすることで本来の仕事に支障を来すというのであれば、きちんと断る必要がある。ただこの場合差し入れした人は好意でやってくれており配る人の負担を理解していないだけなのだから、相手の好意を無駄にせず自分の負担を減らす解決策を考えるべきではないだろうか?

先の件は日本とアメリカの文化の違いだと思っていたが、おやつの切り分けの件で解るように、これは結局は意志の疎通の問題だと思う。配っておいてと頼まれた人は、台所におやつを置いてナイフと小皿を用意して好きな人は食べてくださいと同僚に言うだけでよいのではないだろうか?結構頼んだ人も、なるほど、その方が合理的だな、と納得するかもしれない。

もしかして日本の女性は必要以上の仕事を自分で背負い込んでいるのではないかな、そんな気がした。