苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

『日本人が知らないイスラエル・パレスチナ紛争の「実相」』飯山陽博士の記事から読んでみる

よもぎねこさんがコメントで紹介してくれたイスラム教学専門家の飯山陽博士によるハマスは本当に「か弱きパレスチナ人を守る正義の味方」なのか2021.5.18(火)飯山 陽」という記事を読んでいて、ああ、飯山せんせ、よくぞ言ってくれましたとうなずきながら読んでしまった。

コメンターのアクアリウム好きさんが日本人はイスラエルパレスチナ紛争について非常に無知であることを指摘してくれているが、遠方の外国の話なので特にきちんと知ろうという興味もないし、偏見に満ちた歴史観念がメディアの報道でさらに偏見が増していき、強靭なテロ国家イスラエルがか弱い可哀そうなパレスチナをいじめているというイメージがどんどん膨らんでいく。

前回私は情報戦では常にイスラエルが不利になっているという話をしたが、飯山女史もその点を指摘している。

例えば17日の夕刻の出稿の見出しは、NHKイスラエル 米を後ろ盾に空爆を継続」、毎日新聞イスラエル軍、ガザを集中空爆 住宅多数倒壊」、産経新聞空爆下のガザ地区『住民標的、遺体が増え続けている』」となっている。これらの見出しを読むだけで、「イスラエルはガザで民間人を無差別に空爆する残虐非道な存在だ」と印象付けられる。

実はイスラエル空爆はピンポイント攻撃で、その性能の良さから無関係なすぐ隣のビルなどにはなんの支障も来していないことや、攻撃1~3時間前に避難警告まで発し、一般市民の犠牲を極力避けようとしていることなどはあまり報道されていない。

イスラエルの攻撃によりパレスチナの女子供を含む犠牲者が増えているという印象操作に余念のないメディアだが、実は飛行距離が短すぎてイスラエルに辿りつかないハマスのロケット弾がガザ市内に落下してパレスチナ人を数十名殺害しているという事実はほとんど報道されない。

アイアンドームのおかげでイスラエルの被害は比較的すくないとはいうものの、それでもイスラエル内での犠牲者はゼロではない。先日も子供を含む数人がアイアンドームから抜けて入ってきたロケット弾によって殺害されているが、メディアはイスラエルの被害については過小評価してほとんど報道しない。

しかし最も問題なのはメディアがハマスという組織がどんなものであるかを全く報道しない点にあると飯山女史は指摘する。

メディアはハマスが日本やアメリカ、EUなど主要国でテロ組織指定されていることにも言及せず、「イスラム組織」などと説明してはぐらかす。ハマスに資金や武器を提供しているのは、世界最大のテロ支援国家であるイランやトルコ、カタールであることも伝えない。ハマスがメンバーをUNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関)に送り込んで実質的に支配し、国際的な援助物資や資金を収奪していること、そのせいで一般のパレスチナ人に支援が全く行き届かないことも報道しない。

私から言わせれば、全世界から送られてくるパレスチナへの救済金がハマスの資金源になっていることくらいは常識のような気がするが、そんなことを知っている人は非常に少ない。先日私がアメリカ在住のパレスチナ人と話をした時も、救援物資の運搬がイスラエルによって阻まれパレスチナ人の手に届かないのだと本気で信じているようで呆れてしまった。ハマスがいかにパレスチナ人への援助物資や資金を収奪しているか、当のパレスチナ人たちですら知らないのである。

拙ブログでもイスラムテロリストが女子供を人間の盾にするのは常套手段だという話は何度もしてきた。ハマスにとってイスラエルによる迎撃で一般のパレスチナ人たちが犠牲になることは、いかにイスラエルが非常な国であるかを示すために都合がいいことなのだ。

ハマスは「弱きパレスチナ人を守る正義の味方」などでは全くない。パレスチナ人から搾取し、「正義」のためにはパレスチナの子供や女性を平然と利用する残虐なテロ組織だ。ハマスイスラエルの殲滅を目標に掲げ、イスラエルの一般民衆を無差別攻撃し、今回の攻撃でもイスラエルの子供や女性を殺していることも忘れてはならない。

本当にパレスチナ人をかわいそうだと思うならば、怒りを向けるべきはハマスである。

飯山女史の記事はさほど長くなく、非常に端的で読みやすいので、是非全文読むことをお勧めする。紹介してくれたよもぎねこさんに感謝である。

イスラエルが予告したハマスアジトへの攻撃。