苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

アメリカ軍の深刻な志願兵不足は軍隊のお目覚め主義ポリコレ方針が原因か

Tag:世論調査

今現在アメリカ軍は深刻な志願兵不足に悩んでいる。多くの人がこれは最近のアメリカ軍隊は優秀な兵士育成よりも、LGBTQ+などくだらないポリコレ政策を重視しすぎているからではないかと批判しているが、問題は肥満や麻薬依存症など若者の不健康な生活により軍人としてふさわしい候補者が減っていることにあると指摘する人もいる。

デューク大学の教授でクリントンブッシュ政権中、国家安全保障会議(the National Security Council)のメンバーだったピーター・フィーバー(Peter Feaver)教授はWOKE(お目覚め主義)の要素は誇張されていると語り、最大の理由は労働市場と若者の不健康な生活環境にあると語る。同教授によれば肥満や麻薬依存症などによって軍人にふさわしい候補者の数が減っていると出張する。

フィーバー教授は新著「サンキューフォーユアサービス( "Thanks For Your Service")の中で人々の軍隊への信頼感が薄れていることについて追及している。 フィーバー教授によれば軍隊が両政党によってあまりにも政治化されていることが原因だと語る。

最近行われたギャロップ社の世論調査によれば軍隊の信頼度は60%で1997年以来の低さである。58%の回答者が軍隊を信頼していると答えた。信頼度が60%未満だったのは1980年代でソ連など共産圏との冷戦が頂点に達していた時期である。

ギャロップ社によれば2018年くらいまで軍隊への信頼度は74%と非常に高かったが、バイデンによるアフガニスタン撤退の大失態により信頼度は地に落ちてしまった。特に無所属の間では55%にまで落ちた。

フィーバー教授は軍隊がWOKEなどのお目覚め主義も含めあまりにも政治利用され過ぎていると語る。これについてはクリスティン・ワームス陸軍長官も今年の初め記者団にWOKEのイメージが志願数に悪影響を与えていると語っている。

「軍に対する信頼の低下の一因となっているのは、軍指導者の政治化に対する賛否両派の懸念だと思います。(略)軍の指導者たちが政治化された空間に引きずり込まれれば引きずり込まれるほど、本当はそうではないのに、政治的であるという認識を助長することになると思います(略)私が言おうとしているのは、WOKE(お目覚め主義)軍隊に対する批判が、どのように垂れ流されているかということです。

この軍隊のお目覚め主義政策は多々の方面から批判を浴びている。海軍退役軍人のロン・ディサンティスフロリダ州知事は軍隊の「多様性、公平性、包括性(DEI)」について下記のように語った。

「私が見ている軍隊は、私が従軍していた軍隊とは違っていると思います」とデサンティスは今年語った。「今は政治的イデオロギーや、性別の代名詞のようなものが強調されている。DEIのようなものもよく目にしますし、そのせいでリクルートが激減しているのだと思います。」

マイク・ポンぺオ前国務長官もこの件についてフォックスニュースのオプエドコラムで陸軍が目標新規兵に満たなかった時にこのように書いている。

アメリカのために命を懸け、アメリカのために死のうとさえ決意した若者たちに、わが国が本質的に人種差別的であることを肯定しろとどうして言えるのか?ポンペオはこう書いた。「人種や性別という狭いプリズムを通して、戦友や姉妹を見るよう彼らに求めることができるだろうか?彼らの命を戦場で危険にさらすことなしに。覚醒した軍隊は弱い軍隊である。残念なことに、WOKEした弱い軍隊は、バイデンのリーダーシップのもとで我が軍がまさにそうなりつつある。」ポンぺオ長官はさらにバイデン政権は自分の出身校であるウエストポイント陸軍学校でもDEI方針を押し付けていると語った。

ヘリテージ基金ロバート・グリーンウェイ副会長(the Heritage Foundation)は批判的人種理論など軍隊内を分離するような方針が取られていると語る。軍隊にとって貴重な時間と資金が、軍をより有能にするために使われずにDEI教育に注ぎ込まれ、国家防衛のための資源が無駄に使われていると語る。グリーンウエイ氏はDEI教育や人種差別や過激思想と言った教育が軍隊の役に立っているという証拠は全くないと語る。

今や国民による軍隊への信頼度は地に落ちている。イラクアフガニスタンの戦争が終わり、長く危険な戦地への出動がなくなったにも関わらず、現役及び退役軍人の自殺率が上がっている。アフガニスタンからの屈辱的な撤退の後、軍隊は軍強化ではなくDEI/CRT/LGBTQ政策に力を入れているのだ。

私は2000年代のイラクアフガニスタン時代の志願兵の数をずっと追っていた。多くの人がアメリカの戦争は泥沼で負け戦となり士気が衰えて軍隊への志願兵が減っていると言いたがっていたが、実はその反対で陸軍や海兵隊は志願兵の数が目標より上回っていたくらいだった。陸軍や海兵隊は一番最前線に行く可能性の高いブランチである。それなのに何故比較的安全な海兵隊や州軍への志願よりも多かったのか?

平和主義者には解らないかもしれないが、一定数の男性には(女性にもだが)冒険を求める習性があるのだ。自分の戦争でもないのにわざわざ傭兵になって戦地へ向かう人もいるくらいだ。であるから愛国心があり軍隊に対する信頼度が高い時には戦時中こそ志願兵が増えるのである。

フィーバー教授は景気のいい時は若者は他に仕事を得ることが出来るので軍隊への入退者は減るというが、アメリカには軍隊家族が結構おり、男は(最近は女でも)何代にもわたって軍隊に勤務するのが普通という家庭が少なくない。軍隊にいたということを誇りに思う人たちが多くいる。しかし現在の軍隊を見ていると、現役軍人がトランスジェンダーだ何だと言ってホルモン治療を受けていたり、将校が化粧してみたり、人種差別がどうのこうのと訓練を受けさせられたり、そんなくだらない軍隊に誰が入りたいとおもうだろうか?

私は同性愛者の入隊にはずっと賛成だったが、今のLGBTQ+に染まった軍隊は御免被りたい。