以前にハマスから解放されて帰ってきた人質の人たちの何人かが証言していたのだが、彼等はどこか牢獄に監禁されていたわけではなく、民間人の家の一室に閉じ込められていた。そこにはハマスの戦闘員とその家族、妻や子供が一緒に住んでいたというのだ。その話を聞いた時に私は全く驚かなかった。何故なら私はその時イラクでテロリストに拉致され人質になった西洋人記者の話を思い出したからだ。
それは2005年くらいにイラクでテロリストに拉致され人質となった記者の話だ。詳細は覚えていないが、この記者はイラクのとある街のホテルに泊まったところ、すぐさま数人の男たちが部屋に入って来て彼を捉えて連行された。そして彼が一時監禁されたのが誰かの民家だった。彼の居た部屋の外では、ドアノブに椅子を立てかけて中年の女性が座って見張りをしていたという。そして外では子供たちが遊び鶏が駆け回っているような場所だったのだ。
三か月前にイスラエルとハマスの戦争が始まって以来、当初からイスラエル軍(IDF)はガザ民に南部に避難するように度々勧告していた。避難回廊まで儲けてハマスがしないのでIDFが代わりにガザ民を守りながら避難させたりしていた。にもかかわらず、IDFの空爆では女子供が犠牲になった。何故あれだけ避難勧告を出したのに、最前線に女子供が残っていたのか普通は疑問に思うはずである。それで西側の人間はハマスは民間人を人間の盾に使っている卑怯な奴らだと思いがちであるが、実は話はそんな単純なものではない。
イスラム教徒の社会は多くの部族によって成り立っている。彼等の社会は親兄弟、従弟、親族、そして部族と広まる。彼等にとっての善悪はそれが家族にためになるかどうかであり、普遍的な善悪という価値観はないのだ。だからなにをするにも家族ぐるみであり、家族にハマスメンバーが居れば家族全員がハマスなのである。
さて、今日は70日以上ずっとガザに出兵していて任務を終えて帰還した兵士たちの証言を紹介している人がいたので、その人のお話をここで紹介しよう。これはRon M@Jewtasticという人がXで書いていたもの。
ガザで民家を一軒一軒回って任務を遂行してきた兵士らは口々に言う。ガザの無実の人びとなんて嘘の話を信じるな、無実の民なんて居ないんだと。街中はハマス支持の民で埋まっている。家々にはRPGやライフルが備蓄され、庭にはロケット発信装置がある。ハマスのイデオロギーはあちこちに存在している。
もちろん貧困もある。だがアパートが密集している住宅街もあり、中には最新の家電や車やイスラエル人でもうらやむような贅沢な家もあった。ガザ民はブロケードよって貧困に苦しんでいる収容所の住民なんかじゃない。イスラエル兵たちはこの状況にショックを受けたという。
ガザはエジプトとイスラエルによって封鎖されていたはずだが、これを見る限りそんな面影は全くなかった。そこはモダンで繁栄している場所だった。
トンネル、武器、『ユダヤ人を捕まえに行く』ための準備とインフラは、いたるところにある。家の中、会社の下、モスクの中、UNRWAの学校、病院や診療所など、ガザは屋根のない監獄などではなく、巨大なテロ基地なのだ。- 数百万人が詰めかけ、地上と地下のテロ・インフラに果てしなく数十億を費やしたテロ組織に15年以上も支配されてきたこの巨大なテロ基地が、8週間程度でそう簡単に解体できるはずがない。任務遂行にはかなりの時間がかかるだろう。
ガザは3万人のハマスと無実の民間人で成り立っていたのではない。ガザ全体が巨大なハマステロ組織なのだ。だからハマス戦闘員だけ除去しただけではガザからテロ組織を完全に排除するのは非常に難しいだろう。
今思うと、イスラエルはガザから撤退すべきではなかったのだ。