昨日もアメリカ人はバイデン政権が奨励していた民主党のトランスジェンダリズムに嫌気がさしているという話をしたが、民主党が負けた理由は経済や移民問題よりも虹色政策に力を入れすぎたことにあるのではないかという声が民主党内部からも上がっている。
「民主党は極左に迎合するのをやめるべきだ」と、ニューヨーク州選出のトム・スオジ下院議員は水曜日にニューヨークタイムズ紙に語った。「誰かを差別するつもりはないが、生物学的な男子は女子のスポーツでプレーすべきではないと思う」。
マサチューセッツ州選出のセス・モールトン下院議員も同様の見解を示し、木曜日にタイムズ紙にこう語った: 「民主党は、多くのアメリカ人が直面している課題に対して残酷なまでに正直であることよりも、誰も怒らせないようにすることにあまりにも多くの時間を費やしている。私には2人の娘がいる。私は、彼女たちが競技場で男性または元男性アスリートに轢かれることを望まないが、民主党議員として、私はそれを言うことを恐れているはずだ」。
トランスジェンダーの権利をめぐる争いが近年特に激しくなっているテキサス州では、当時のテキサス民主党委員長ギルベルト・ヒノホサが地元ラジオ局に対し「トランスジェンダーの権利を支持することは、この問題が提起されるすべてのカテゴリーにおいて可能だ。
ヒノホサは、金曜日に民主党の敗北を理由に辞任する前に、水曜日にXで謝罪し、「私の考えを注意深く明確に伝えることができなかった」と述べた。
また、ザ・アトランティックの記事では今回の選挙運動期間、民主党はジェンダーの問題についてはっきりした姿勢を示さなかったと批判する。
トランスジェンダーが住宅や雇用で差別を受けるべきでないという点については、ほとんどのアメリカ人が同意しているが、トランスジェンダーの女性が女子スポーツに出場することを認めることについては、同じレベルの理解には達していない。
ドナルド・トランプ陣営はまた、カマラ・ハリスが以前、囚人の性別適合手術に税金を投入することを支持していたインタビューの動画を使った広告を、スウィングステートの有権者やスポーツファンに浴びせかけた。このCMは効果的だった。
ニューヨーク・タイムズ』紙は 、ハリス支持派のスーパーPACであるフューチャー・フォワードが、この広告について「視聴者が(CMを)視聴した後、選挙戦を2.7ポイントトランプ氏に有利に移行させた」と報じた。ハリス陣営はこの話題をほとんど避けていた。
これについてトランスジェンダー活動家らはかなり落胆している。
ハリスの先週の敗北はトランスジェンダー界隈やLGBTQ活動家にとっては悪夢のシナリオとなった。これは共和党の長年にわたる臆病で礼儀正しい姿勢が勝てる問題を見過ごしているとしていたジェンダー論批判派(GC)の主張を正当化することとなった。そして、民主党は火曜日まで持っていた立場が将来の選挙で持続可能かどうか自問自答している。
ジェンダーの厳格な定義を課す法律や、未成年者に対する性別医療の禁止は、すでに民主党を分裂させていた。テキサス州選出の議員は今年、「思春期のホルモン抑制」を禁止する共和党案に賛成し、民主党の予備選に敗れたため離党した。しかし、民主党がこの運動を2008年に全面的に受け入れて以来初めて民主党はLGBTQ+活動家に迎合しすぎたのではないかという批判の声が上がっている。
米大統領選で勝利した共和党のトランプ次期大統領は、経済や移民問題のほか、民主党候補のハリス副大統領のLGBT政策に対して「性別は2つだけ」「女子スポーツから男性を締め出す」と主張していた。スポーツに携わる女子選手や選手の父母からは、トランプ氏の「女性を守る」姿勢を評価する声も多く寄せられ、返り咲く勝因の一つになったとの指摘もある。民主党内からはハリス氏の政策が過激だったと反省する声も出ている。(略)
トランプ陣営は選挙期間中、ハリス氏がトランスジェンダーの受刑者の性別適合医療に公費投入を認めると発言した過去の映像をCMで放送し続けた。フットボール中継の合間などに頻繁に流れたこのCMは「カマラ(ハリス)の課題は『彼ら』であって、『あなた』ではない」と結んでいた。CNNによると、このCMのために2000万㌦以上が投じられた。
MSNBCテレビの司会者で、本来トランプ氏に批判的なジョー・スカボロー氏は6日の番組で、こう指摘した。
「あのCMはこれまでに放送されたどのCMよりも大きな影響力を持っていた」「地方の人も、ヒスパニックや黒人の若い男性も、みんな理解した。ハリスはリベラル過ぎた」
カナダ人ニュースさんでも、いままでリベラルと言われていたひとたちが、一斉に男子の女子スポーツ参加や子供の性転換手術について批判する人たちを紹介している。
ほんの数日前まで民主党支持者はこうした批判が出来なかった。ところが今はこれを言っても大丈夫だと判断したのだ。
私は数か月前にアメリカにおけるトランスジェンダリズムは三年以内に崩壊すると書いたが、もしかすると崩れ始めたらあっという間に崩壊するかもしれない。