苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

ドクターWHOで有名な俳優デイビッド・テナントの暴言に思う

拙ブログをご愛読下さってる諸氏はすでにご存じのように私はドクターWHOのファンである。ドクターのDVDは2005年の10代目ドクターのクリストファー・エクルストンから始まって2022年の16代目ジョディ・ウィティカ―の代まで全部もってるくらいだ。そのなかでも特に私が好きなドクターは11代目のスコットランド人のデイビッド・テナントである。ドクターがきっかけで彼のファンになり、その後彼の出演するシェークスピアの舞台やテレビシリーズなども観て来た。だから今回のことは非常に残念なのだが、やはり彼も典型的な考えの浅い芸能人だった。

数日前、デイビッド・テナントはイギリスのLGBT賞で最優秀芸能人アライ賞というのを受賞した(the British LGBT Awards)が、その際受賞スピーチで「正直に言えば、誰にもなりたい自分になる権利があり、誰かを傷つけない限りは自分の人生を生きたいように生きる権利があることを認めることが、特別な賞や特別な言及に値するべきだという事実に少し落ち込んでいる。」と語った後、「これは人間としての良識である。我々はそれを騙る価値がない世界に生きるべきではない。我々が目覚めるまで、ケミ・バデノックが居なくなるまで、彼女に悪いことが起きてほしいという意味ではないが、彼女には黙ってほしい」と続けた。(強調はカカシ)

ケミ・バデノックというのはイギリス保守党ただ一人の黒人女性議員で2010年の平等法における性別を生物学的性別に限るように補正案を提案している。

授賞式の舞台裏で、トランスジェンダーの若者へのメッセージを尋ねられた彼は、インタビュアーに、「彼らは愛されていないとか、受け入れられていないと感じるべきではないと答えた。みんな自己中心的だから、マスコミや政治家の一部から聞こえてくる雑音は......少数派なんだ。それは少数派だ。ちっぽけな愚痴をこぼす(Fワード)連中だ」

何時も思うがトランスアライというのは藁人形論が好きだ。というよりきちんと批判家が言っていることを理解していないから、相手の主張を勝手に歪曲して反論しやすいことだけに反論している。

我々は人が好きな恰好をして生きることも、同性と付き合うことも、思慮ある(かどうかはべつとして)大人がやっていることなら勝手にやって頂戴と思ってる。しかし彼も言っているようにそれは「誰かを傷つけない限り」という条件付きだ。問題なのはLGBTQ+アジェンダは十分に誰かを傷つけている。特に底辺層の一番弱い立場にある女性や子供たちがその犠牲になっているのだ。

これについて同じくスコットランド出身の我らがJKローリング女史もコメントしている。

この男は、女性だけのケアを望むレイプ被害者、男性の前で着替えさせられたとして現在医療信託を訴えている看護師、男性にスポーツの機会を奪われる少女や女性、有罪判決を受けた性犯罪者と一緒に収監されている女性囚人について話しているのです。

一方テナントに名指しで居なくなればいいとか黙ってほしいとか言われた党のバデノック議員はソーシャルメディアサイトXへの投稿で、テナントのことを「イデオロギーに目がくらんだ金持ちの左翼白人男性セレブ」だと非難した。「私は黙りません。女性や女児の安全よりもストーンウォールの拍手を優先する男たちに、私は黙らされません」

また保守派のリシ・スナック首相も「言論の自由は民主主義の最も強力な特徴です。「もし、あなたが女性に黙れと呼びかけ、存在しないことを望んでいるのなら、あなたこそが問題なのです」と語った。

本当に馬鹿な芸能人は政治に口出ししないでもらいたい。

オーストラリアのビクトリア制作の危険なビデオ

さて場所は変わってオーストラリアのビクトリア政府が政策したトランスジェンダーに関するこのビデオ、非常に気持ち悪いのでちょっと紹介しておこう。

ビデオは「四人に一人の多様ジェンダーの人がジェンダーのせいで嫌な目にあっている」と始まる。そして女装した男性がエレベーターに乗り込む。すると先にのっていた女性が彼を見て怖がってとっさにドアが閉まる直前に外へでていく。その後のキャプションに「あなたとエレベーター一緒なんて御免だわ。私をみないでくれる?」という心の声の文字が出て来る。このビデオは長いバージョンだが、短い方のビデオではその後に「トランスや多様ジェンダーの人は安全を感じる権利がある」と続く。この長い方のビデオでは女装男が女子サッカーに参加するのを女子選手たちが快く受け入れ「私たちは皆一緒にいる。あなたが一緒のチームで嬉しい。あなたは私たちに属する」という心の声がキャプションで流れ、「無言は多言に勝る。何を本当に言っているのか考えよう。」と締めくくられる。

いい加減にしろ!

なんで女装男のお気持ちのために女性の安全が損なわれてもいいということになるんだ?女性が安全を感じる権利はないのか?女性が身の安全を守る権利はどこへいったんだ?

これがビクトリアの税金で作られた政府制作のビデオだというのだから本当に呆れる。