苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

アサシンクリードシャドーズの黒人侍キャラクターに制作者の日本人蔑視を感じる

私はコンピューターゲームなんて全然しないが、それでもゲーマーのユーチューブチャンネルは時々観ている。それというのも欧米のゲームのポリコレぶりが頻繁に話題に上るからだ。しかし今回のアサシンクリードの弥助を巡る問題はゲームファンでなくても目に留まるほど激しく炎上している。日本人ファンの間からは不買運動ならぬ発売禁止署名運動まで起きているほどだ。これに関する詳しい話はぷく太さんキャベツさんが説明してくれているので興味のあるかたはそちらをご覧になって頂きたい。

今回アサシンクリードの新作シャドーズが戦国時代を舞台にするということで日本のゲーマーたちも期待していた。ところが蓋を開けてみたら主人公は日本人ではなくアフリカ黒人とあってびっくり。しかもこの黒人は弥助と言う「史実に基づく人物で侍」だという設定になっていることに二度びっくり。

織田信長には奴隷あがりの弥助という黒人の家来が居たというのは本当らしいが、この人が実際侍だったかどうかというのはかなり疑わしい。こういうことには詳しい歴史研究家のメタトロンというユーチューバーも、色々調べてみたが結局解らないというのが本当のところだと言っている。(メタトロンはイタリア人の歴史研究家で日本語堪能で武術の心得もあり侍の歴史に非常に詳しい。)日本に黒人が居たということ自体特筆すべきことなので、もし彼が侍で石をもらうくらいの立場の人ならそれなりの記述が残っていてもよさそうなものだがそれがない。

しかし問題なのは弥助が侍だったかどうかということではない。このアサシンクリードというゲームはこれまでにも色々な国を舞台にしており、主人公は必ずその国の人だった。だから日本を舞台にしているのだから日本人を主役にすればいいのに、わざわざ得体のしれない黒人キャラクターを起用したということに日本人は少なからぬ苛立ちを感じている。しかも史実上あまりはっきりしていない人物をあたかも日本の英雄であるかのように語り、無理やり黒人上げをしているとしか思えない描写に日本人なら余計に腹立たしさを感じるだろう。

しかしそれでも、たかがゲーム。これまでにも日本の時代劇風なゲームはいくらもあったし、日本製のアニメにしろ時代劇にしろ時代考証なんてハチャメチャなものがいくらもある。今回に限ってそんなに目くじら立てる必要はないだろうと言われればそれはそう。ところが制作者のUBIはこの作品は史実に基づいているとか、日本人の専門家が監修していると、これによって日本の歴史を学ぶ参考になるとか鳴り物入りで宣伝していたのだ。その割には、桜が咲いているのに稲刈りしていたり、女忍者が刀を背中に担いで真昼間に街を歩いていたり、家紋が逆さま、日本なのに中国語の字幕、AIで作ったらしい画像は盗作の疑いあり、などなど日本文化に対する敬意が全く感じられない。歴史にそれほど精通していない一般日本人でも気付くほどの多くの間違いに専門家の監修者はなにをやってたんだという疑問もわく。

キャベツさんも言っているが、UBIはこれを悪気でやったわけじゃないだろう。だからこそ、UBIがいかに日本文化を軽視しているかが解るのだ。悪気でわざとやったならまだわかる。だがそういう細かいことに注意を払わずいい加減にやって、それをそのまま作品として発表してしまうということが問題なのだ。

それでも日本人ゲーマーたちから色々間違いを指摘された時に、UBIが勉強不足でしたと間違いを認めるなら話はわかる。ところがUBIはこうした指摘を嫌がらせだのヘイトだの黒人差別だの言い出して被害者そぶりである。これまでポリコレ連中がやたら言っていた「文化盗用」はどうなったんだ?他の少数派からならちょっとでも指摘されたら平謝りするくせに相手が日本人だとこうも高慢な態度に出るのはどういうことだ?それとも何か、彼らの言う多様性には日本人は含まれないのか?

実はその通り。ポリコレ連中の言う「多様性」だの「ピープオブカラー(色付きの人)」とは黒人のことで東洋人は含まれていない。日本が舞台なのにわざわざ黒人を主役にしたのも黒人というマイノリティーに迎合することで多様性ボックスをチェックできてるので、日本人が何を言おうとどうでもいいのだ。

ところで私はこの発売禁止署名運動というのには感心しない。そんなことをしてもUBIには痛くもかゆくもないし、どんなもので発売を禁止するのは言論の自由の原理に反する。ここは嫌なら買うなである。つまり不買運動をすればいいのだ。UBIも商売だ、日本人をバカにしたゲームは日本では売れないということが解れば、今後は日本で商売を続けたいならそれなりに気を使うようになるだろう。痛いところを突かなければ文句などいくら言っても意味はない。

ゲームに限らないが、最近のドラマや映画などでもポリコレが行き過ぎると人気は芳しくない。何度も持ち出しているようにドクターWHOの黒人でゲイの主人公はすこぶる不人気で視聴率はシリーズ史上最低だ。SNSで文句を言ったり署名運動などするよりも、不買運動が一番効果があるのだ。

アサシンクリードシャドーズが日本で完全にコケることを期待する。

つけたし:7月1日現在

ニッシ―さんの動画で日本人が如何に怒っているかが詳しく説明されているので一見の価値あり。特に西洋では日本人は人種に含まれてないというところが適格。私も本文中で書いたが、彼らのいう怒らせてはいけないマイノリティーに日本人は含まれていない。DEIの包括性に日本人は入らないのである。