苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

何処まで行っても犯罪者の味方をするギャブン・ニューサム知事

私が住むカリフォルニアの衰退は目に余るものがあるが、その大きな原因がギャブン・ニューサム知事(民主党)にある。ニューサム知事はカリフォルニアのホームレス問題は自分にとっては一番の課題だと何年も言い続けているが、州の予算を使い続けて解決するどころか事態は悪化の一途をたどっている。比較的安全な我が市でも毎日散歩する度に図書館前の芝生や階段のところにホームレスが寝ているのを見かけるようになった。

さてそんなギャブン・ニューサム知事は、今度は麻薬所持や窃盗の罰を重くしようという法案を真向から反対しているとしてカリフォルニア共和党の下院議員から強く非難されている。

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この法案は提案36で題して「ホームレスや麻薬中毒及び窃盗を減らす法案」“Homelessness, Drug Addiction, and Theft Reduction Act”である。これはカリフォルニア州中の地区司法長らに支持されており、2014年に通った提案47を補正するもので、検察が麻薬所持者をもっと重い罪で起訴できるようにするものである。

読者諸氏はもうご存じかもしれないが、加州では2014年州民投票で承認された(私は承認した覚えはない!)提案47で、ある種の犯罪を軽犯罪と見なすことになってしまい、万引きも$960ドル以下なら銃犯罪窃盗とはみなさないとなってしまった。それでオークランドなどでは大きなゴミ袋をドラッグストアに持ち込み棚のものをどんどん詰め込んで悪びれずに堂々と持ち去る泥棒が後を絶たない。

そこで今回、こうした犯罪を昔のように重犯罪として取り扱おうという提案がされているわけだが、ニューサム知事は、「私はこの麻薬所持を重犯罪と見なす政策には危惧を感じる。刑務所の人口が向こう10年間で何千何万、いや何百万と増えてしまうかもしれない。納税者に多くの負担をかけてしまう。そしてそれが社会の安全を良くするとは思えない」と語った。

刑務所の人口が何百万になろうとも、街中でテントを張る麻薬中毒者が増えるよりずっといいではないか。毎日のようにこういう奴らに何千ドル単位で万引きされてる小売店の負担を考えたら、刑務所設置のために予算を割くくらいがなんだというのだ?税金というのは州民を守るために使うべきではないか。州がこれまで大金を注ぎ込んで何の役にも立ってないホームレス政策。その金を犯罪の取り締まりと刑務所建設に使えばいいのだ。そうすれば道で野宿している麻薬中毒の犯罪者ホームレスも住むところが出来、町の秩序も守れ安全になりウィンウィンの状況になるではないか、それの何が嫌なのだ?

「私たちは立法府と並行して、投票に参加することなく、的を絞った具体的な取り組みを支援するために活動しています。「この州における薬物政策に関して、1980年代に逆戻りさせるような、現在の議案第36号の人々が進めようとしている散発的なものではありません」

と知事は続けた。1980年代の何が悪かったというのだ?私は1981年からカリフォルニアに住んでいるが、こんなに秩序は悪くなかった。泥棒が堂々と小売店に入って来てサンタクロースみたいな大きな袋を持って出ていくなんて姿は見たことが無かった。ガードレールの下にずらっと並んだホームレスキャンプなんて見たことなかった!麻薬所持しながらうろうろしている男が逮捕もされないなんてことは絶対になかった!

この発言に激怒しているのが共和党下院議員のケビン・カイリー(Rep. Kevin Kiley (R-CA) 

これは、窃盗やその他の犯罪、ホームレス問題、薬物使用、薬物の過剰摂取、その他多くの問題を引き起こしたカリフォルニア州における提案47号の時代を終わらせるための提案である。この提案は投票権を獲得し、今年11月にカリフォルニア州民による投票が行われる予定である。

カリフォルニア州知事によって企てられた、州史上最も腐敗した計画のひとつにもかかわらず、私はこの11月に圧倒的多数で可決されると信じている。実際、多くの計画が繰り返され、そのすべてが非常に斬新で前例のないものであり、カリフォルニア州の民主的プロセスを弱体化させるものであり、地域社会の治安を悪化させ続けるものであり、知事が圧倒的多数の議会を持っていたにもかかわらず、そのすべてが失敗に終わった。

そっか。今度の選挙で私にも発言権があるということか。これは是非とも通過さえなければならない。提案36を覚えておかなければ!

ニューサム知事はこの法案を州民投票で決めたくないようだ。それであの手この手を使って選挙項目から削除しようとした。しかしそれがうまくいかないとなると知事は別のもっと効果の薄い法案を提案した。同じような法案が二つあれば有権者は混乱してしまう。無論それが目的だ。

さらに、(知事は)もし自分の法案が他の法案よりも高い数字で可決された場合、他の法案は、たとえ対立していないものがたくさんあったとしても、その法案はすべて抹消されることになるというのだ。カイリー議員は続ける。

これは文字通り、州知事が提案し、起草し、議会に提出した、カリフォルニア州における民主的選挙の結果を覆す仕組みである。州知事が実行しようとしたトリックによれば、エンド47イニシアチブは60%の得票率で可決され、それにもかかわらず無効となる可能性があった。知事は提案の資格認定期限を早め、州務長官が提案に番号をつける期限を早め、自分の偽の提案(私たちはこれを 「偽者提案」と呼んでいる)がより高い番号を得て、より多くの票を獲得できるようにした。

私は、カリフォルニア州知事が、私たちの地域社会の治安を維持するために、民主主義のプロセスを妨害し、弱体化させようとする協調的な努力を、可能な限り強い言葉で非難する

何故ニューサム知事はカリフォルニアの治安維持をこうも嫌がるのだろうか。何故知事はカリフォルニアを貧乏で危険な州にすることに躍起なのだろうか。州北部のサンフランシスコやオークランドはもう治安が悪すぎて大型小売店がどんどん撤退してしまっている。カリフォルニアからは収税や人件費の高騰でどんどん大企業が他所の州へ移ってしまっている。多くの富裕層もフロリダやテキサスに移住してしまっている。シリコンバレーもいつまで続くか解らない。

知事はナッパバレーに大きなブドウ園を持つ富豪だが、ワインだけではカリフォルニアは成り立たない。もしかして知事はホームレス政策とは名ばかりの税金無駄遣いでかなりの利権を得ているのかもしれない。だから彼にとってホームレスは常に問題として残しておく必要があるのかもしれない。知事でありながら州の繁栄や安全よりも私服を肥やすことしか考えていない、こんな男が州を牛耳っていると思うと本当に絶望する。