苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

トランスジェンダー活動家による不誠実なクィア理論

**カカシ注:このエントリーは一度書いて公開したが、私のアンチからA氏に言いつけてやると脅迫を受けた。A氏はすぐ市井の女性を訴えることで悪名高い。変な言いがかりをつけられたくないのでA氏を特定するような部分は書き直して公開することにする。**

 

A氏という、とあるトランスジェンダー活動家による「クィア」についてのエッセーを見つけた。A氏は女性を自認する男性で活動家らがいういわゆる「トランスジョセー」なのではないかという噂があるが、A氏はそれを否定も肯定もしていない。

ともかくA氏の書いていることは非常に稚拙であり、トランスジェンダー活動家(TRA)が繰り返しているプロパガンダをコピペしたもので独創的なアイデアは全くない。そこで典型的な活動家であるA氏が言うクィア論の問題点についてひとつづ指摘していこうと思う。

クィアの語源

先ずクィアという言葉の語源についてA氏は次のように語る。

  • クィア」はかつて英語圏で使われた同性愛者やトランスジェンダーに対する蔑称であり、差別用語だった。その語義は「おかしい人」「変態」「風変わりな人」であり、語感は日本語の「ホモ」や「オカマ」に近い。
  • 90年前後のアメリカで、LGBTコミュニティは「クィアで何が悪い」というふうに肯定的に使うことによって、「クィア」という侮蔑の言葉を誇りの言葉、既存の規範を挑発する言葉として奪還・再領有した。
  • 現在ではLGBTをはじめ、アセクシュアル、ノンバイナリーなど非規範的な性の在り方の人々に対する総称として使われている

この説明自体には異論はない。

同性婚の合法化によって攻撃の矛先がトランスジェンダーに移行したという嘘

A氏は2015年にアメリカ全土で同性婚が合法となって以来、反同性婚運動をしていたアメリカの右翼保守や宗教右翼がその攻撃の矛先をトランスジェンダーに向けたのだという。

これはTRAが繰り返し主張していることだが、実はこれは事実とは全く逆である。我々保守派から言わせれば、ほとんどのアメリカ人が反対していた同性結婚が法廷の判断で合法になってしまったことは遺憾ではあったが、一旦合法となってしまった以上仕方ないという諦め状態だった。ともかくこれでLGB界隈の人達も満足して静かになってくれるだろうくらいに思っていたのだ。

同性結婚合法化のために活動していたストーンウォールやGLAADなどの虹色系市民団体は目標達成後にその存在の意味がなくなってしまった。団体への献金も減り、活動を継続していくためには他の目標を作る必要があったのだ。人権屋でおいしい思いをしてきた活動家たちには、同性愛者への差別はほぼなくなったので団体を解散しようなんて考えは浮かばなかった。

それで彼らが次の行動として取り上げたのが「反トランスジェンダー差別」である。この頃までアメリカではトランスジェンダーなどという言葉さえほとんどの人が聞いたことがなかった。世の中には自分を異性だと思い込んでいる気の毒なひとたちが居るくらいは知っていても、彼らが社会に与える影響に興味のあった人などほとんどいなかった。なぜなら性同一性障害を持つと言われる男性(ほとんどが男性だったから)は人口の0.03%くらいしか居ないと言われており、普通の人には無関係な存在だったからである。

我々が同性婚に反対していた理由のひとつに、一旦同性婚が認められたら、もっと過激な思想が生まれるだろうということだった。例えば一夫多妻制や近親婚などといった非伝統的な結婚の形を押し付けられるのではないかと心配していた。しかし実際に起きたのは男を女と認めろという我々保守派の想像を超える異常で過激で変態的(クィア)な思想の押し付けだった。

A氏はドナルド・トランプが大統領になってからトランスジェンダーへのバックラッシュが激化したというが、トランプ大統領は比較的リベラルな考えの人でトランスジェンダー女性が女子トイレに入るのは構わないとすら言っていた。私はトランプのそういうところが嫌いで、2016年の共和党予選の頃はネバートランパーだったくらいだ。後にトランプは気が変わったようだが、それはトランスジェンダー活動家らによる過激な活動が目に余るようになってきたからだ。

保守派によるトランスジェンダーへの多種多様な手口とは?

そもそもバックラッシュというのは何かへの反発を意味するわけで、すでにトランスジェンダーによる何かしらの活動がなければバックラッシュなど起こりようがない。繰り返すがほとんどのアメリカ人はトランスジェンダーの存在すら知らなかったのだから。

A氏はトランスジェンダーに批判的な人々をバックラッシャーと呼び、彼らの攻撃の手口は多種多様であるという。で、その多種多様な手口というのは何かといえば、、

  • トイレや更衣室の利用を制限
  • 性別承認医療を禁止
  • スポーツから締め出し(これはトランス自認男子を女子競技から締め出すという意味だろう。)
  • 法的性別の変更要件の厳格化を訴える
  • 性転換を望む子供が急増といって恐怖を煽る
  • オンラインでアウティングミスジェンダリング、デッドネーミングを繰り返すなど誹謗中傷やハラスメントを行う
  • トランス狩り(transvestigation)といって不確かな情報を根拠に他者をトランスと決めつけたりする(五輪のボクシング選手らをトランスと決めつけたように)

といったことが日常的に行われるようになったとA氏は言う。いやいや、A氏は自分でこんなことを書いて恥かしくないのか?

女子自認男子の女子トイレや更衣室の利用制限及び女子スポーツからの締め出しは当然

そもそも「トイレや更衣室の利用を制限したり、、、スポーツから締め出したり」ということが起きるのは女性を自認している男性体の人間が女子空間や女子スポーツに入れさせろと要求し、無理やり入り込んでいるという現状があるからである。もし彼らがそのようなことを要求しなければこんな反発は起きないのだ。

すでに学校などで女子を自称する男子生徒により女子生徒強姦事件がいくつか起きている。女子スポーツに関してはもう拙ブログでも何度も紹介している通り、女子自認男子選手により女子選手の優勝がいくつも奪われている。

女子スポーツに関して、TRAは昔女子自認男子のアスリートなど数が少ないので女子スポーツに与える影響などほとんどないと言ってきた。ところが蓋を開けてみればこのありさま。規制しろと言い出す人が出てくるのは当然だ。

法的性別の変更要件の厳格化を訴える理由

「法的性別の変更要件の厳格化を訴えたり」となるのは、安易な条件で性別を簡単に変えられることによる弊害がすでに起きているからだ。

女子刑務所に自称女子の男子が収容されて女子囚役者に暴行を加えるなどの事件や、逮捕され起訴されてから女性を自認んする性犯罪者が多く居る事実は見逃すことが出来ない。

日本でも特例法の要件が次から次へのなきものにされていることを考えれば、GCジェンダークリティカル=ジェンダー理論に批判的な人々)が性別変更要件の厳格化を訴えるのは当然のことだ。これも簡単に性別を変えさせろと訴えた側の悪行が原因なのである。

性転換を望む子供が急増しているのは事実

GCが「性転換を望む子供が急増している」というのは、恐怖を煽るために行っているのではなく、 実際に性転換を望む子供の数は急増しているから言っているのだ。

Komodoがロイターのためにまとめたデータによると、2021年には全米で約4万2000人の子どもと10代の若者が性別違和の診断を受け、その数は2017年のほぼ3倍になった。

いい加減な性別承認医療は害あって益なし

A氏のいう「性別承認医療」が如何にいい加減なものであるかは、すでにイギリスのジェンダークリニックであるタビストックが閉鎖されたことでも証明されている。この「医療」は自分がトランスジェンダーだと自認する患者は必ず正しいと肯定し、実際に患者が性違和に悩んでいるのかどうかなどという判断をせずに、性転換への道をまっしぐらに歩ませるやり方だ。それで最近では幼少期にトランスさせられて後悔する人々の数が激増しているのだ。

アウティングミスジェンダリングやデッドネーミングは誹謗でも中傷でもない

異性を装っている人の本来の性別を暴くアウティングも、彼らを元の性別で扱うこと(ミスジェンダリング)も、人を改名前の旧名で呼ぶこと(デッドネーミング)もTRA達が勝手に悪行と決めつけた行為である。これらは単に真実を語る行為であり言論の自由の範囲内である。これらの行為は不道徳でもなければ、ましてや犯罪でもない(少なくともアメリカや日本では)。それを「誹謗中傷」だの「ハラスメント」だのといって他人の言論を弾圧する行為こそ理不尽である。

トランス狩り(transvestigation)なんて存在しない

私は「不確かな情報を根拠に他者をトランスだと決めつけたりする」というトランス狩りなどという行為が存在する事実を知らない。これもまたTRAが勝手にねつ造した行為である。オリンピックで二人の男性体の選手がトランスジェンダーだと誤解されたのは、オリンピック自体がトランス自認男子の女子競技参加を認めているから起きたものであり、IOCが最初からこの二人の性別に関して透明な説明をしていれば起きなかった問題だ。

それに我々が問題にしているのはこの二人の選手がトランスジェンダーかどうかではなく男性体かどうかということだ。彼らが実際トランスでもただの男子でもDSDでも、男子は女子競技には参加すべきではないのだ。女性(男性)を名乗る人が本当にその性別なのかを知ることは時と場合によっては非常に大事なことだ。我々は興味本位で言っているのではない。

クィアにPNZが含まれるというのはデマと言う嘘

A氏はクィアの定義のなかに小児性愛ペドフィリア、死体性愛者ネクロフィリア、動物性愛者ズーフィリアなどが含まれるという言説はGCが言い出した完全なデマだと主張。

A氏はこの「デマ」を聞いたときに「怒りを禁じえなかった」とし、GCたちは「歴史の中でかろうじて奪還した尊い言葉を、またこのようにして曲解することで収奪しようというのか?」と問いかける。

A氏には気の毒だがQ+にPNZが含まれるというのは「バックラッシャー」たちが言い出したことではなくクィア界隈自身が言い始めたことだ。これについては拙ブログで先日書いた通り、LGBTQ+活動団体のジョブレインボーというグループがつい去年までQ+にはPNZが含まれると自分らのサイトに掲載していたのだ。

TRAは、クィア界隈では普通に受け入れられてきた概念が一般社会では受け入れられないのだと気が付いた途端に、これらはGCたちが広めたデマだと手のひらを反して仲間としていたPNZをさっさと見捨てたのである。

NZは別としても、昨今のクィア界隈の活動には、幼児を洗脳するものが非常に多い。幼稚園児にケバケバの化粧をした女装男が本を読み聞かせたり、家族向けとされるイベントで大人の男たちが子供の前で破廉恥な恰好で性行為を思わせる踊りを踊ってみたり、トランスジェンダー自認の男たちによる小児への性犯罪やポルノ所持などで逮捕される事件が多発している。

そして最も問題なのはクィアたちによるそうした行為をクィア界隈の人々が全く糾弾していないことである。いやそれどころかクィア界隈はA氏のように、あたかもこうしたことが起きていないかのように振る舞い、これらはGC達によるでっちあげでありデマであると主張するのだ。

クィア理論が必然的に小児性愛に結び付くという話は以前にも拙ブログで紹介している。何故クィア理論は小児性愛肯定へとつながるのか - 苺畑より In the Strawberry Fields

トランスレズビアンてなんだ?

女性を自認する男性が自分はレズビアンだと主張することは結構ある。A氏も自分のことをレズビアンでありクィアだと主張している。A氏は自分が生得的な女性であるとはあえて言わず、自分は「法律的にも身体的にもあらゆる面で女性だ」などと不自然な言い方をしている。あたかも自分は「あらゆる」条件を満たして女になったとでもいいたげである。つまりそれは元々は女ではなかったというふうに取れないだろうか?

何故A氏が元男性のトランスジョセーかどうかが問題になるのかといえば、昨今レズビアンを名乗のるトランス自認男性が増えており、彼らはレズビアン女性たちに性交を迫り断られるとトランスフォーブだと騒ぎ立てているからである。トランスジェンダーによる同性・両性愛者へのセクハラはすでにLGB界隈では問題になっており、レズビアンの出会い系サイトは自称女性の男たちが占領してしまっている。

イギリスでは多くの著名なLGBがストーンウォールから脱退したり、LGB同盟などという団体まで出来たくらいである。

もしA氏が生得的女性のレズビアンであるなら、女性自認の男性によるレズビアン攻撃を知らないはずがない。だがA氏はレズビアンバーの女性のみイベントへのトランス拒否を排除だ人権侵害だと言って批判しているのだ。

女性の立場からトランスジェンダーを擁護するのと、トランス当事者の立場からそれをするのとでは正反対の意味がある。なのにそれを隠したままクィア批判はGCによるバックラッシュだなどと主張するのは、TRAによる典型的なガスライティングである。