苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

クレイジーキャッツの魅力再発見

YouTube植木等さんのコンサート模様の動画を見つけたので観ていたら、お爺ちゃんが部屋に入ってきた「何を聴いておる?」あ、昔のコメディーバンドだよ。「最初からかけろ」ギャグは日本語だからわからないかも。でもドタバタだから解るかな。

最初からかけ直すとお爺ちゃんは音楽が気に入ったと見えて大はしゃぎ。しかもバンドが途中でクラッシックなのにジャズ風になったり童謡になったりしてずっこけるところで大笑いしてる。しかも日本語のジョークの部分でもちゃんと笑っている。お爺ちゃんにも通じるクレイジーキャッツのギャグは凄い。

お爺ちゃんがもっと見たいというので検索してクレイジーキャッツ結成10周年記念コンサートの一時間近い動画を観た。クレイジーキャッツの全盛期は1960年代で私がまだ幼少の頃である。私は子供だったのでクレイジーキャッツは面白いコメディーバンドだと思って好きだったが、彼等がどれほど音楽的に技術の高いジャズバンドだったか知らなかった。

バンドリーダーのハナ肇(ドラム)を筆頭に植木等(ギター)谷敬(トロンボーン)石塚弘(ベース)安田伸(テナーサックス)石橋エータロー(ピアノ)桜井センリ(ピアノ)とそれぞれミュージシャンとしても一流のメンバーが揃っている。特に石橋のピアノはクラッシックのオーケストラで通用するレベル。

このコンサートではクレイジーキャッツだけでなく、バックにビッグバンドも揃っていた。私はもともと日本のジャズ音楽は世界的に一流であると思っていたが、それがすでに1960年代の時点でそうだったということを知らなかった。あのレベルなら1940年代のアメリカでも通用したはずである。

クレイジーキャッツなので真面目にジャズを演奏したかと思うと、途中でギャグが入ったり、しかも後のドリフと違って品のいいギャグ。今でも子供を連れて見に行ける本当の意味でファミリーフレンドリーなギャグだ。だから時代遅れにならない。時代だけじゃなく文化も超える。最後の方ではお爺ちゃんは一緒になって「ほんだらほだらあかホイホイ」と口ずさんで踊り出したほどだ。

お爺ちゃんがもっと見たいというので、色々検索してたらシャボン玉ホリデーの動画を見つけた。出演者の面々が豪華で、しかもすべて生放送!

動画についていたコメントを読むと、今のバラエティー番組とはくらべものにならないほど内容が濃く質が高いとのことだった。ああいう大人のミュージシャンが人気のあった頃にもっとそのありがたさを理解できていたらなあと思う。しかしユーチューブのおかげで少しは昔の文化を垣間見れるというのはありがたいことである。