苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

イスラエルのやっていることがジェノサイド?なわけないだろ!

イスラエルの国際社会は何かとイスラエルのやっていることがジェノサイド(民族浄化)だというが、こういう大きな言葉をやたらに振り回すのは本当にやめてもらいたい。今の状況で国際法を持ち出す学者先生方の無責任さは本当に腹が立つ。

ここで書くまでもないが、イスラエルのやっていることがジェノサイドではないことの理由をちょっと書いておこう。先ず国連のジョエノサイド条約によるジェノサイドの定義。強調はカカシ。

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第一条

 締約国は、集団殺害が平時に行われるか戦時に行われるかを問わず、国際法上の犯罪であることを確認し、これを、防止し処罰することを約束する。

第二条

 この条約では、集団殺害とは、国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為のいずれをも意味する。

(a) 集団構成員を殺すこと。

(b) 集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。

(c) 全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。

(d) 集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。

(e) 集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。

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この条約の違反をイスラエルがしているかどうかは「次の行為」の前にある国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為という部分に注目せねばならない。

イスラエルの標的はあくまでハマスでありガザ民ではない。これはイスラエルハマスの戦争であり、ガザ民殲滅を意図した行為ではないため、この条例には当てはまらないのだ。

この条例の日本語は非常に分かりにくいと思うので、辞書によるジェノサイドの定義をこちらに上げておこう。

gen·o·cide [ˈjenəˌsīd]

NOUN the deliberate killing or severe mistreatment of a large number of people from a particular national or ethnic group with the aim of destroying that nation or group:

つまり、特定の国民や民族をその国家や民族の絶滅を目的として大量に殺害及び弾圧する行為をいう。

今回のイスラエルハマス戦争においては上記の項目はどれも当てはまらない。イスラエルがガザ民の民族浄化を目的としているのなら、極端な話、原爆でも落とせば済むことである。無論ガザとイスラエルは距離が近すぎるので原爆は実用的ではないから別な武器が必要だが、それでも、ガザ民を皆殺しにすることが目的であるのなら、イラクアフガニスタン戦争でアメリカ軍が用いた*MOABを使ってガザ完全破壊を達成することはできる。自国民の兵士を危険にさらして地上戦に持ち込む理由は皆無である。

*GBU-43/Bマッシブ・オードナンス・エア・ブラスト(MOAB /ˈmoʊb/、口語では「すべての爆弾の母」と説明される)は、空軍研究所のアルバート・L・ワイモーツ・ジュニアがアメリカ軍のために開発した大爆量爆弾である[1] 。開発当時、この爆弾はアメリカの兵器庫で最も強力な非核兵器であると言われていた[2]。この爆弾はC-130ハーキュリーズ、主にMC-130Eコンバット・タロンI型またはMC-130Hコンバット・タロンII型によって運搬されるように設計されている。爆弾の名前とニックネームは、1991年の湾岸戦争中にイラクサダム・フセイン大統領が唱えた「すべての戦いの母」(Umm al-Ma'arrik)にインスパイアされたものである

MOABは2017年4月13日、アフガニスタンのアチン地区にあるイスラム国-ホラサン州のトンネル群に対する空爆で初めて戦闘に投入された

イスラエル軍はガザ民殲滅を意図するどころか、ガザ侵攻を始める前から何日にもわたってガザ民が戦火に巻き込まれないように避難するよう告げていた。民族浄化が目的な何故かれらに避難勧告をする必要があったのだ?

イスラエルの標的はあくまでハマスであり無関係な民間人ではない。だがこれは戦争だ。民間人が一人も犠牲にならない戦争などない。

ハマスの報道による二万人のガザ民が犠牲になったという数は全くあてにならない。だいたいハマスは戦闘員と民間人の区別をしていないので、死者の何%が戦闘員なのかもわからない。病院や学校の職員もハマス戦闘員ではないとしても、ハマスメンバーであることに違いはない。ガザのような場所である程度の地位に就ける人はハマスメンバーでなければ無理だからである。また、返還された人質の話によれば、国連経営の学校の教師の家で監禁されていたという。ハマスのようなテロ組織は女子供も手先に使う。人質の監視を女がしていれば、彼女もまたハマスメンバーだ。子供が爆弾や武器の配達を行っていた事実もある。これまでにも小さな子供が手りゅう弾を投げるなどの行為したこともある。だから、犠牲者に女子供が多くいたとしても、彼等が完全に無実な非戦闘員だと断言することはできないのである。

このような状態で民間犠牲者の数が多いという理由で(実際多いかどうかも解らないが)、民族浄化だという理屈が通るのなら、どんな戦争もジェノサイドだということになってしまう。イスラエルの今回の戦争が他に何万回と繰り返された戦争と全く違ってジェノサイドであると言い張るなら、その根拠を出してもらいたい。現在進行形で起きているトルコ政府によるクルド人テロ組織PKK地域への空爆などは、どういうカテゴリーに入るのだ?

さて、こういう話をすると、いや、イスラエルのジェノサイドは今に始まったことではない、もう75年間もパレスチナ民族浄化をやっているではないかという人がいる。だが、これがバカバカしい屁理屈なのは現状が物語っている。

これはダグラス・マレー氏も言っているが、ガザの人口は2005年にイスラエルが撤退してから10倍に膨れ上がっている。民族浄化をしているのに人口が爆増するというのはどういうことだ?イスラエルはよっぽどジェノサイドが下手なのか、ジェノサイドなど起きていないかのどちらかでしかない。これにひきかえ1947年以来近隣諸国のユダヤ人人口は激減。いまや完全に絶滅状態。誰がジェノサイドをやってるんだと聞きたい!

イスラエルの軍隊が強力であることは誰もが認めることだ。その気になればイスラエルイスラエル領内からパレスチナ人を完全に追放することが出来る。ガザからイスラエル民間人を撤退させた後で、ガザをまっ平にすることもできた。なのにしなかった。

ナチスドイツはドイツ政府占領下にあったドイツおよび近隣諸国のユダヤ人の財産を没収し、組織的に強制収容所に拘束し、後に大量処刑を行った。ユダヤ民族を絶滅させるためである。ジェノサイドといはこういうものを言う。ナチスドイツとイスラエルの行為のどこにも共通点はない。

最後のXでbuveryさんが書いたポストを張って終わりにしよう。

サウジなどイエメン人を40万人弱殺しているし、今も紛争は続いている。スーダンジャンジャウィードサブサハラのボコハラム、ソマリアからケニアのアルシャバーブ、その他、イスラム国、アルカイダ、無数のイスラムテログループがジェノサイドを引き起こしているが、イスラムが殺す分はノーカン。

国連がこういう本当の意味でのジェノサイドについてだんまりを続けている限り、彼等のイスラエル批判になど耳を傾ける必要はない。

追記:ジェノサイドの効果がどう表れるかを示したグラフ。赤い線はジェノサイドによって人口が減ったことを示すもの。ガザの人口(右下)はまるで減っていないことが解る。

Dr. Eli David@DrEliDavid

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