苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

トランプ大統領機密文書裁判が無期限延期に

機密文書裁判が無期延期の意味するもの

私はトランプ大統領の大ファンであるが、トランプ大統領が面している数々の裁判についてあまり注意してみてこなかった。その理由というのは、すべての裁判が出鱈目裁判であり、ドナルド・J・トランプが次の大統領に立候補していなかったら、彼が共和党の大統領候補でなかったら、絶対に起きていないような裁判ばかりだからである。

だがこれらの出鱈目裁判も端からほつれ始めている。

アイリーン・M・キャノン連邦地裁判事は火曜日、ドナルド・トランプ前大統領の機密文書裁判を、裁判での機密証拠の使用に関わる法的問題と期限を理由に無期限延期とする判決を下した。

前大統領は、ジャック・スミス特別顧問の連邦刑事裁判で、2週間後の5月20日に公判に臨む予定だった。

2020年にトランプ大統領によって任命されたキャノンは、5月20日に裁判を開始することはもはやないと命令の中で述べ、新たな期日を設定しなかった。

「裁判所はまた、この時期に公判期日を最終決定することは、公判前および(機密情報手続法に関する)残された、そして近々予定されている無数の相互に関連した問題を解決する前に、慎重さを欠き、裁判所に提出されている様々な公判前申立、CIPAに関する重要な問題、そしてこの事件を陪審に提出するために必要な追加の公判前および公判準備を完全かつ公正に検討する裁判所の義務と矛盾すると判断する」とキャノンは書いている。

この動きは、11月の大統領選挙後まで裁判が行われない可能性を高め、裁判を頓挫させる恐れがある。

この裁判が11月以降になった場合、トランプが選挙に勝ち大統領になれば、トランプ政権の司法局が裁判を却下する可能性は強く、結果的にこの話はなかったことになる。トランプが負けた場合には、司法局も興味を失くすだろうから、そのまま裁判が続けられるかどうかは分からない。ということはこの無期限延期によってトランプは当面この問題を心配する必要がなくなったのである。

ポルノ女優に払った口止め料に関する裁判のゆくえ

さて、トランプの別の裁判、「2016年の大統領選中にAV女優に口止め料を支払った疑いでニューヨーク州で刑事裁判にかけられている」件について、先日から裁判が続いているが、この裁判も非常に馬鹿げているのだ。

これは2006年にトランプがポルノ女優のストーミー・ダニエルと一度だけ不倫をしたという話で、2016年の大統領選真っ最中にダニエルはこれをもとにトランプをゆすったのである。トランプは弁護士を通じて彼女に$130,000ドルの口止め料を払った。それだけならどうということはない。ただ問題は弁護士がトランプのプライベートな資金を使わず選挙資金から払ってしまったということが問題にされている。選挙資金は私用に使ってはいけないことになっているからだ。

はっきり言ってこれは会計上のミスであり、トランプが刑事責任を問われるような出来事ではない。会計上に間違いがあったなら、罰金を支払うなりなんなりして終わってしまうもので、普通ならそれすら起きないだろう。

実はダニエルは後に何度もトランプとの性交渉はなかったと白状している。彼女は単にトランプを揺するためと、自分の売名行為のためにトランプとの性交渉をでっち上げたのである。もっとも口止め料をもらっておきながらダニエルは雑誌やテレビのインタビューでべらべらしゃべっているのだから、この金は完全に無駄遣いだっただけでなく、とんだ厄介者となってしまった。

ところで口止め料を払うこと自体は違法ではないが、口止め料をもらっておいてその内容を公開する行為は契約違反である。それでダニエルはトランプ側から訴えられ敗訴し$121,972の慰謝料を請求されている。ダニエルはトランプにはびた一文も払う気はないと言って払っていないが。

もし性交渉の事実がなかったなら何故トランプはそんな大金をダニエルに払ったのかといえば答えは簡単だ。大事な選挙の前に10年も前のたった一度の不倫行為の話が色々でてくるのは都合が悪い。それが事実かどうかは問題ではない。ともかく金を払って追い払ってしまおうという考えだったのだろう。無実なのに金を払うのは理不尽であるが、スキャンダルで人生を破壊された有名人はいくらもいるので、否定して泥沼にはまるより13万ドルくらいの金で済むならさっさと済ませたいと考えたのは当然のことだ。

この裁判に関しては毎日のようにニュースで流れて来るが、はっきり言ってほとんどのアメリカ市民はこんな裁判に興味はない。トランプの敵はどんな理由でもトランプを陥れることが出来ればいいと思っているし、トランプ支持者はバイデン政権による司法局の職権乱用だと思っている。それにほとんどのアメリカ人はこの裁判はバイデンが自分のライバルを消すための陰謀だということに気付いている。

不動産詐欺裁判

ドナルド・トランプに対する驚異的な民事詐欺判決が2024年2月23日、にニューヨークで確定し、前大統領が4億5,400万ドル以上の罰金と利息を負担する評決が正式に下された。

(略)この裁判を起こしたニューヨーク州検事総長レティシア・ジェームズの広報担当者によれば、毎日約11万2000ドルの判決後利息が加算されることになる。

2月16日の判決で、アーサー・エンゴロン判事は、トランプ氏が有利な融資を受け、不動産帝国を支える取引をするために、長年にわたり自分の財産について嘘をついていたと裁定した。そして、3億5,490万ドルの違約金と1億ドル近い利息の支払いを命じた。

この正式判決により、トランプは30日以内に控訴することができる。同じ期間内に、彼は裁判所が管理する口座に「十分な資金」を入金するか、総額の保証金を確保しなければならない、とジェームズの事務所は述べている。

この裁判も出鱈目裁判である。これはトランプが銀行から融資を受ける際に自分の不動産の価値を不当に過大評価していたというもので、しかも銀行からの融資はきちんと期日に返金されているので、全く被害者がない犯罪ということになる。トランプ側はすでに保証金を支払っているので、この裁判は控訴される予定だ。

ところでこの不当な裁判を起こしたニューヨーク州検事総長レティシア・ジェームズ自身が2022年にセクハラで元側近から訴えられている。

ジョージア州選挙違反裁判

ジョージア州の選挙結果についてトランプ及び18人が選挙違反をしたとして数々の罪に問われている裁判で、検察官のファニー・ウィルスに利害相反があるとして、起訴取り下げを求めている件で、最高裁は検事を棄権させるかどうか審議することを認めた。

ウィルスがトランプ大統領を個人的に嫌っていることは周知の事実だが、自分の愛人を特別検察官に任命したことで、トランプ側から利害相反があるとして起訴取り下げの要請が出されている。