苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

アメリカ民主主義の危機、ドナルド・トランプ前大統領が刑事裁判で有罪に!

5月30日木曜日はアメリカの民主主義の歴史の中で最悪の日となった。アメリカはそこいらにあるバナナリパブリックと呼ばれる独裁社会とは違って、選挙は正々堂々と国民の意思で決めることになっていたはず。だから現政権が自分の政権を倒しそうなライバル候補者を無実の罪で起訴して投獄なんてことは絶対にやらない国だったはずだ。ここはロシアやベネズエラじゃないのだ。しかしまさにそれが起きてしまったのだ。

(CNN) トランプ前米大統領が元不倫相手に支払った「口止め料」を不正に処理した罪に問われている裁判で、ニューヨーク州地裁の陪審団は30日、34件の罪状全てでトランプ氏を有罪とする評決を下した。量刑は7月11日に言い渡される。

 

裁判は6月28日に最終弁論が行われて結審し、陪審団が2日にわたって審議した。

トランプ氏は大統領選のあった2016年に、かつて不倫関係にあったとされるポルノ女優、ストーミー・ダニエルズ氏に多額の「口止め料」を支払い、大統領選に不利に働かないよう情報隠蔽(いんぺい)目的で業務記録を改ざんしたとして、虚偽記載の重罪などに問われていた。

これに関しては色々な人がコメントしているが、デイリーワイヤーのベン・シャピーロは司法の茶番だと言っている。

この事件は最初からジョークだった。マンハッタン地方検事のアルビン・ブラッグは、より有名になり、より権力を持つためにこの事件のすべてを仕組んだ。イワン・マーチャン判事の行動は基本的に検察側にあらゆる利益を与え、陪審員への指示は法を無視するという前代未聞のものだった。

先ずトランプの罪といえるものはすでに2016年の段階で連邦政府の司法局が起訴するに値しないと判断したものであり、今となってはすでに時効が過ぎている。にもかかわらずアルビン・ブラック地方検事が何故かマンハッタンでの犯罪として起訴したのだ。本来なら法域外でありマンハッタン地方検事に起訴する権限などないはずなのだ。にもかかわらず何故か裁判はおこなわれ、マンハッタンという超リベラルな場所で12人の反トランプ陪審員と、反トランプのマーチャン判事によってトランプは有罪とされたのである。

ではこの後どうなるのか。判決が出るのは7月ということだが、マーチャン判事がトランプを禁固刑にすることは間違いない。最悪の場合トランプは四年の刑に処されることになる。

アラン・ダーショウッツ弁護士はトランプの判決が覆されることはないだろうと語る

木曜日にスティーブ・バノンのポッドキャスト 「War Room 」に出演したダーショウィッツは、前大統領は 「まずニューヨークのシステムを通して控訴しなければならない。ニューヨークのシステムは、ドナルド・トランプを自由にする責任を負いたくない裁判官ばかりだ 」と語った。

ダーショウィッツ氏は以前にトランプ大統領の弁護士をしたことがあり、その時50年も務めたハーバード大学を首になった。またそれまで友人関係にあったマーサズビンヤードの隣人たちも彼と口をきいてくれなくなったという。そういう過去があるので、地方裁判官たちはトランプのかたなど持ちたくないだろう。ケースそのものはイカサマであり、正気な裁判官ならすぐにでも覆せるようなものだ。だが、個人的に裁判官らも人の子、そんな面倒くさいことに巻き込まれたくないだろうというわけだ。なんという情けない状況だろう。

では最高裁ではどうなのか、ヘリテージ財団の国内政策担当副会長兼ジョセフ・C・アンド・エリザベス・A・アンダーリック研究員であるロジャー・セべェリーノ弁護士の話ではそれは可能だという

セヴェリーノ弁護士は、金曜日の『モーニング・ワイヤー』に対し、トランプ大統領弁護団は「公正な裁判を受ける権利が侵害されたという憲法上の主張をすることができる」と語った。

 

憲法には意味がある。「アメリカ国民が投票しようとしているものが気に入らないからといって、政敵を投獄することはできないということだ。

 

セベリーノは、もしトランプが上告して勝たなければ、最高裁がこの裁判に介入すると信じていると語った。

なんにしても今すぐトランプが投獄されるということはないが、今後バイデン陣営はトランプは刑事犯有罪者だとして、次の大統領にはふさわしくないという選挙活動をするつもりだろうが、アメリカ国民のほとんどはこの裁判が完全なる茶番であることを知っている。こんな裁判で有罪判決が出たからといってトランプの支持が衰えるとは思えない。むしろ、このような汚い手を使うバイデン政権になどアメリカは任せられないと感じる人の方が増えるだろう。現に木曜日、ドナルド・トランプの選挙資金調達サイトに寄付が殺到したという。トランプ陣営は、マンハッタンの陪審が彼の口止め料裁判で有罪評決を下した後、最初の数時間で3500万ドル近い小口寄付を受け取ったと発表した。

トランプ陣営は金曜日の朝に声明を発表し、「見せかけのバイデン裁判の評決後、3480万ドルという記録的な資金集めに成功した 」と発表した。「WinRedプラットフォームでトランプ陣営が記録した過去最大の日の約2倍 」である。チーム・トランプは、木曜日の献金の30%は、トランプ陣営や他の共和党員が利用している共和党の資金調達サイト、「ウィンレッド・プラットフォームへの全く新しい献金者 」からのものだと付け加えた。少額寄付とは、1ドルから200ドルまでの寄付を指す。

さて、ではトランプの有罪判決は11月の選挙にどのような影響を与えるだろうか。クイニック大學の世論調査では(Quinnipiac University survey found)もしトランプが有罪になったら投票は見合わせると答えた人が6%いた。大統領選というのは接戦になることが多いので、もし支持者の6%が支持を止めたらこれは非常に由々しき事態である。

しかし同時に、有権者の多くがトランプはバイデン政権の汚いやり口に嵌められたと信じた場合、これまで以上に意欲が湧いて選挙に及ぶかもしれない。投票数は多いほどトランプには有利になる。

この先どうなるにしても、この裁判はアメリカの歴史の最大の汚点として残るだろう。