前回に引き続き、トミー・ロビンソンのドキュメンタリー法律を武器にする独裁政権"Lawfare, a Totalitarian State"の紹介をしよう。
第二章:政治化された司法
独裁政権の特徴の一つとして、司法が公平であるかのようにふるまうことだ。イギリスでは「白人でもいいんだよ」とソーシャルメディアに書いたり、モスクの前にベーコンサンドイッチを置いたというだけの罪で二年も禁固刑になった人たちがいる。ベーコンサンドの男性は刑務所で不審死を遂げている。ところがテロリスト脅迫をしたモスリム女性三人は罰金すらも課されないとか、13歳の少女を強姦したモスリム移民はシャリア法下ですだったのでイギリスの法律を理解していなかったという理由で無罪放免になったりしている。「法律の無知は言い訳にならない」という諺はどこへ行ったのだろうか? また未成年少女たちに売春させていた俗にいう「グルーミングギャング」のメンバーは何人もの未成年少女たちに度重なる性加害をしていたにも関わらず釈放された。
法律というのは全ての民に同じように施行されなければならないはずなのに、イギリスでは判事の一存でどうにでもなってしまう。拙ブログでも当時取り上げたが、トミーは未成年少女たちに強制買春をさせていたモスリムギャングたちの裁判を裁判所の外で生配信していた時に逮捕され、三か月も独房に入れられたが、後にこの逮捕は不当であったという理由で釈放された。
しかし検察はその後も諦めずにトミーを再逮捕。最終的に法廷侮辱罪で有罪判決を下し、その後10か月の禁固刑に処した。トミーの罪といえば、有罪になったグルーミングギャングの一人に「どんな気持ちですか?」と聞いたことだ。
トミーが有罪判決を受けた時、裁判所の前で待ち構えていた記者にトミーは「私は今あなたがしているのと同じことをして有罪になったのです、あなたはジャーナリストとして気にならないのですか?」と聞いている。
トミーのうけた仕打ちとは反対に、スペクテイター紙の記者二人は、審議中の裁判の様子を陪審員の判決が出る前に違法に報道したという罪で起訴されたが、単なる罰金で済んでいる。
裁判にはお金がかかる。去年の11月にトミーが逮捕された時も、トミーは7回も出廷している。そしてその度に何千ポンドという経費がかかっている。その間自由行動も出来ず仕事もできなかった。この逮捕で裁判にかかった費用は全額6万ポンドだ。で、その結果はどうだったのかといえば、逮捕自体が違法、保釈条件も違法、すべてが違法だったという判決が出たのだ。
トミーを逮捕した警察官は嘘をつき、書類を偽装し、逮捕にあたったすべての警官のボディカムのビデオは紛失したという。
「私は勝ったのでしょうか?それとも彼らが勝ったのでしょうか?彼らは暴力的に私を逮捕し、ペパースプレーをかけ、私の首都への立ち入りを6か月も禁止しました。私は経済的にも大打撃を受けました。これが勝利といえるのでしょうか?その間ジハーディストが首都を占拠し、それを警察が許可しているのです。私の行動は制限され家族との行動すら制限されました。」
トミーは子供をクリスマスのライト点火に連れて行くことすら許されず、ロンドンに来るのにいちいち警察にお伺いを立てなければならず、その度にモスリム警察官の一存で拒絶されたという。
これは法戦争です。プロセスそのものが罰なのです。
またイギリスでは次から次へと新しい法律が出来ている。すべて国民を守るためという名目だが、去年通ったオンライン安全法などがそのいい例である。トリガーノメトリーのコンスタンティン・キシン(Konstantin Kisin)によると、ロシアでは去年400人がソーシャルメディアで言ったことが原因で逮捕されたという。
イギリスでは何人逮捕されたと思います?あててごらんなさい。3300人です。
元警察官のハリー・ミラーによれば、イギリス警察はジェノサイドに続く五段階の法則を用いており、ソーシャルメディアで誰かが書いたことをリポストするだけでもその一段階に達していると判断するというのだ。
- 偏向ある行動
- 偏見による行動
- 差別行為
- 偏見による暴力行為
- ジェノサイド
だからジェノサイドに至る前に阻止しないと、その人の行動はどんどんエスカレートするという考えなのである。
去年の10月にオンライン安全法と言う法律が設立された。この法律によって誰でも誰に対しても「傷ついた」と言えば告発が可能となった。ドラアグクィーンが子どもを腐敗するとか、モスリム移民が治安悪化につながるとか、性別は二つだけだといった言論すら規制されてしまうのだ。
このままではイギリスでは独立した声はかき消されてしまうだろう。
第三章:敵対的な警備当局
独裁政権の常套手段は政府による国民の監視だ。イーロン・マスクがTwitterを買い取るまでは、FBIとTwitterが手を組んで国民の書き込みを監視していた。そしてFBIが気に入らないアカウントはTwitterに消させていた。
トミーは自分の家の前で公安の車が停車し彼の行動を逐一記録しているのを目撃している。
第四章:政府にコントロールされているメディア
独裁政権にとって大事なことは国民が得られる情報をコントロールすることだ。主流メディアはもちろんのことビッグテックも配下にし、都合の悪い情報は偽情報だの危険な情報だのといって排除するのだ。
この最たるものがコロナ禍の情報制限だろう。ワクチンは安全だ、ワクチンを打たない人は自分勝手だ、周りの人間を危険にさらしているというメッセージでメディアは埋め尽くされた。
ウエールスのウエールスの声(Voice of Wales)というニュース番組をネット配信しているスタンとダンは、ワクチンセンターで抗議運動が起きているというので取材に行った。言ってみると2~3人の男性がセンターの中の人としゃべっているだけで、特にこれといった問題は生じていなかった。ところが一時間ほどして警察官がやってきて抗議運動は外でやれと命令。抗議者の一人が移動を拒むとスタンとダンを含めた全員が逮捕された。
スタンとダンは記者であり(記者バッジもつけていた)許可を得て取材をしていただけだと言ったが聞き入れてもらえず、建造物不法侵入から詐欺へと罪状が変わり、それを口実に家宅捜査をされ機材を没収されてしまったという。そして保釈の条件として二人で行動してはならないと言い渡された。彼らの番組は二人でやっているわけだから、二人で仕事が出来なければ仕事にならないのにである。
彼らの逮捕の状況は録画されており、CIMカードは没収されなかったため、二人が抗議運動をしていたとか逮捕に抵抗したという警察官らの証言が嘘であることが証明されたが、動画がなかったらどうなっていたことかと二人は話す。
イギリスにはOfcomという情報機関がある。これは一件独立した機関であるかのように見えるが実は政府がすべてをコントロールしている。これはイギリスだけではないが、特にイギリスでは主流メディアへの信用度が落ちている。視聴率が下がっているため資金繰りも厳しい。それでこれらのメディアは政府からの補助金への依存が高くなっているのである。
独立ジャーナリストのマーヤー・タウシ(Mahyar Tousi)は取材される側も主流メディアの記者とタウシのような独立記者とでは態度が全く変わると言う。
政治評論家のピーター・マキベナは(Peter Mcilvenna)主流メディアの記者は口もきいてくれないという。プライベートでとある記者はマキベナの考えを報道したら自分が職を失うと告白したそうだ。
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コロナ禍での情報制限はアメリカでもひどかった。先ず武漢ウイルスが中国の武漢細菌研究所から漏れたものであること、コロナは若者や子供にはほとんど影響がないこと、感染しても初期ならハイドロクロロキンやイベルマクチンで治療が可能なこと、マスクや安全空間の確保はあまり意味がないこと、ワクチンには深刻な副反応があること、など初期の段階から訴えているひとはいくらもいたのに、それらを報道すると、人々を危険にさらしてるとして、記者がプラットフォームを失ったり、医者が解雇されたりと完全なる弾圧があった。
いまになって彼らの言っていたことは正しかったことが解ったが、当時嘘をばらまいていた人たちは何の罰も受けていない。
後々真実が解っても、すでに偽情報で受けた被害はとりかえしがつかないのである。政府による言論弾圧がどれほど危険であるかが解る。