苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

サウンド・オブ・ホープの左翼プロデューサー、保守派メディアがスポンサーになり発狂

先日の火曜日、恒例のシニア半額セールを利用して映画を観て来た。今週の映画は「サウンド・オブ・ホープ :ポッサム・トッドの物語Sound of Hope」去年話題になったサウンド・オブ・フリーダムを制作したエンジェルスタジオと保守派ポッドキャストメディアのデイリーワイヤー(DW)がパートナーとなって配給。私はDWの会員なので毎日DWのベン・シャピーロやマット・ウォルシやマイケル・ノールズのポッドキャストを聴いており、この映画のことも番組中の宣伝を観て知ったのだ。

この映画の内容について話をする前に面白いことが起きているのでそちらのお話を最初にしておこう。

この映画「サオウンドオブホープ:ポッサム・トッドの物語」の重役プロデューサーのレティシャ・ライトは映画「ブラックパンサー」に主演した女優。彼女は自分の映画の配給会社エンジェルスタジオが保守派メディアのDWと提携したことに激怒しているという。

サウンドオブ、、は低予算の地味な映画だが、7月4日の四連休で6.8百万ドルの売り上げをあげている。DWが提携したことで宣伝効果もあったにもかかわらずライトは自らのソーシャルメディアにおいて、自分はデイリーワイヤとは全く関わっていないと主張した。

複数のデッドライン、ハリウッドリポーター、エンターテイメントウィークリーなどのハリウッドメディアはライトによるエンジェルスタジオとDWのパートナーシップ批判を報道した。

はっきり言いますが、私がこの映画製作を完成させた後、エンジェルスタジオが配給権利を購入し、その後でデイリーワイヤーと提携したのです。これは私が決めたことではありません。またこの決断に関する話は聞かされていませんでした。私はデイリーワイヤーとは一切関係がありません。

 

ネット上の言説の一部が分裂的な政治的方向に向かうのは残念なことです。この話は政治の話ではなく、子供たちの話です。そこから遠ざかるような会話は不必要で有害です。

 

この映画を積極的に支持し、子供たちのためになるキャンペーンを行おうとするすべての人々に感謝しています。しかし、この美しい映画を分裂的な政治目的のために利用することは許せません。それが私がこのプロジェクトに参加した理由ではありません。

とライトは自分のインスタグラムで述べた。これに対してDWのCEOであるジェラミー・ボーリングは、ライトとDWとの間に政治的見解の違いがあったとしても、重要なのは映画のメッセージであるコミュニティが一緒になって恵まれた子供たちを助けたということだと述べた。

初日の7月4日、『サウンド・オブ・ホープ』は全米で最も興行収入を上げた映画のひとつであり、ディズニーの今年最大の公開作品に次ぐものでした。この映画は大ヒットを記録し、アメリカの児童養護施設の危機を打開する運動を巻き起こす可能性を秘めています」とボーリングはXに書いている。

 

「デイリー・ワイヤーは、このような重要なプロジェクトでエンジェル・スタジオと提携できて本当に光栄です。しかし、現代の左翼の不寛容さは、この映画のプロデューサーの一人で、『ブラックパンサー』で有名なレティシア・ライトが、この快挙とその意味を祝う代わりに、このメッセージを全米に伝えるというDaily Wireの関与を非難するためにこの場を利用したことです。」

 

レティシアと私は、おそらく同じ政治を共有しているわけではありませんが、私たちはキリスト教の信仰を共有しており、さらに重要なことは、私たち全員が同意できるもの、つまり困っている子供たちを助けるために団結するコミュニティに光を当てるという同じ目標を共有していると信じています」とボーリングは付け加えた。「私たちは、この映画からのメッセージや、この映画がもたらす影響から、人々がこの気晴らしを奪わないことを願っています。誰もがこの映画を見て、子供たちのための戦いに参加すべきだ。あまりにも重要なことなのだから。

また配給会社のエンジェルスタジオのジョーダン・ハーモン社長もこの力強い映画は恵まれない子供たちを守るためのものでエンジェルスタジオは、子供を守るために懸命に働くデイリーワイヤーとレティシャ・ライトと組めたことを誇りに思うと語っている。

この映画を観ればわかるが、非常に献身的なキリスト教の教えが最初から最後まで貫き通されている。なにせ主役はマーティン牧師とその妻のドーナで、この夫婦が先頭に立って教会の檀家が一体となってなんと77人の孤児をたった一つの教会の信者たちが養子にしたという話だからである。

これは非常に不思議な反応だ。映画というのは撮影が済んだらそれで終わりというわけではない。プロデューサーの仕事の大事な一貫として予算の確保がある。特に配給は非常に大事だ。しかし例えどれだけプロヂューサーが左翼リベラルであろうとも、映画の内容が強くキリスト教のメッセージを含んでいるせいで一般の配給会社は触りたがらない。それでキリスト教会社であることを隠さないエンジェルスタジオが名乗りを上げたのはごく自然な成り行きだ。

ライトが本気でこの映画は政治的なものではなく子供達を救うことが最優先であると思っているなら、誰が金を出そうといいではないか。「ネット上の言説の一部が分裂的な政治的方向に向か」っているいとしたら、それはデイリワイヤーの提供を持ち出したライト自身だ。だいたい映画の配給を誰がやっているかなんて観客は気にしていない。観客が気にするのは映画がおもしろいかどうかだけだ。ライトがデイリーワイヤーのことを持ち出さなければ誰もそんなことに気付きもしなかっただろう。ライトはそんなことを気にせずに朝のテレビ番組にでも出て大いに映画の宣伝をすればよかったのである。それなのに何故DWを攻撃するなどという余計なことをやっているのだ?

この映画の批評はまた回を改めてしたいと思う。