苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

名前を変えても中身は同じ、DEIブランドを改名して誤魔化そうとする企業

読者諸氏もお気づきのことと思うが、左翼リベラルは自分らで作りだした言葉の持つ意味を多くの人が理解するようになりその概念を拒否するようになると決まって言葉を変えてあたかも新しいアイデアであるかのように売り込み始める傾向がある。トランスジェンダリズムも批判的人種理論(CRT)もトランスジェンダー活動家(TRA)もお目覚め主義(Wokeウォーク)なども悪いイメージが拡散し始めると、「それは右翼の陰謀論だ」などと言ってすっとぼけるのである。今やトランスジェンダーという言葉すら捨ててノンバイナリーに乗り換えようという動きすらある。

アクティビジョン・ブリザードというゲーム会社もそのひとつで、社内のニュースレターで、同社のDE&I(多様性、平等、包括性)グループの名前をInclusive Growth(包括的成長)グループと改名すると発表した。

今後、私たちのグループの名称をDE&Iから「インクルーシブ・グロース」に変更し、人材、候補者、ゲーム開発、クリエイティブの各プロセスにインクルージョンと公平性をもたらすために私たちのチームが行っているダイナミックで戦略的な活動を表現することになりました。

名前などいくら変えてみても中身が変わらなければ意味はない。だいたいからしてDEIはひと昔前のアファーマティブアクションの別名だ。アファーマティブアクションは多々の訴訟の末、企業は特定の属性に一定数の人数枠を設けることを法律で禁止字られた。そのためDEIと名前を変えて積極的にマイノリティーの志願者を勧誘するというふうに言い換えただけで、結局中身は何も変わっていないのである。

しかし最近のハーレー・デイビッドソンジャックダニエルなどの例でもわかるように、DEI方針を取り入れている企業がロビー・スターバックのような保守派の攻撃の標的にされていることに企業は少なからず脅威を覚えているのだろう。

だがそうだとするならば、名前を変えるなんてこざかしいことをやってないでさっさとDEI方針を放棄してしまえばいいではないか。DEIがあることで企業は特に利益を受けていない。それどころか消費者からの攻撃の標的にすらなってしまう。

だが一旦DEI部を作ってしまうと、そう簡単には辞めるわけにはいかない。なにしろDEI部には多くの「専門家」が雇われているわけで、これらの人員は何かあると「差別だ!」といって大騒ぎする煩い連中である。「DEIは儲からないからや~めた!」などといってやたらに部署を廃止したりしてしまうと企業は数々の訴訟を受けることになるのだろう。

ところでこのDEIを取り入れているのは民間企業だけではない。なんとアメリカ国土安全保障局(DHS)もDEIを自慢げに宣伝しているのだ。DHS情報技術戦略計画2024-2028には下記のような項目がある。

1.1 多様性、公平性、包摂性のある職場を構築する: DHSは、上級管理職を含むDHSのIT部門の全レベルにおいて、DHSがサービスを提供する人々の多様性を代表する人材の獲得に努める。 多様な学術機関、専門組織、地域社会との提携を拡大し、インターンシップ、ローテーション、能力開発プログラムを強化することで、全従業員のキャリアアップへの公平なアクセスを促進する。 また、より多くの多様な有資格者を採用するため、分散採用や遠隔地採用を拡大します。

国土安全保障局にはもっと大事な仕事があるはずだ。なんでこんなくだらないことに神経を集中させているのだ?だいたいDHSのような大事な部署で優秀な人材ではなく多様性に力を入れるなんてどうなってるんだ?

この間のシークレットサービスの不手際にしてもそうだが、DEIに気を使いすぎて職場に不適切な人材を起用することは文字通りひとの命に係わる。こんな方針は即座に辞めてもらいたい。