苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

トランプ圧勝!第二回大統領討論大会

先日の木曜日(10/23/20)に行われた第二回で最後のトランプ対バイデンの大統領討論会。前回の罵倒バトルとは一転して今回はお互い紳士的な討論が行われた。前回の討論会の後、多くの人がバイデンは二分間自分だけで意味のつながる話など出来ないだからトランプ大統領は黙ってバイデンが墓穴を掘るのを見ていればいいのだと助言していた。トランプ大統領はその助言に耳を傾け、バイデン元副大統領の話を遮らずに、後になってその矛盾した内容に厳しく突っ込みを入れるという作戦を取り大成功を収めた。

では討論会でどのようなことが話題になり、それに対して二人がどのような意見を述べたのか、NHK の記事を見つけたので要点を取り上げてみよう。詳細はこちらのトランスクリプトから読んでみる。

新型コロナウイルス対策

先ずトランプ親分は自分の政策によって当初220万人の死者が出ると言われた病気を最小限に食い止めたこと、ワクチンも数週間以内に発表されること、自らも感染したが早期回復できたことなど、自分の功績を述べた。それに対してバイデン爺さんは、すでに22万人の命が失われており、このような結果をもたらした人間が大統領を続ける資格はないと批判。特に爺さんは親分の当初の政策について、その危険性を国民から隠していたと追及した。

トランプ大統領新型コロナウイルスの危険性についてすでにことし1月に認識していたにも関わらず、国民に知らせなかった。空気中で感染するおそれがありインフルエンザウイルスより深刻だと理解していたのに、言わなかった。私たちにパニックになってほしくなかったと説明しているが、アメリカはパニックにならない」と述べ、トランプ政権の対応を厳しく批判した。

武漢ウイルスの脅威について正しく把握していた人など誰も居ない。二月にトランプ大統領が中国からの外国人渡航者の入国を全面的に禁止した時に、民主党はこぞってトランプは過剰反応をしていると言い、春節のお祝いに中華街に行こうなどといてマスクなしで出かけていくというパフォーマンスをやった。その時バイデン爺さんは病気について何一つ発言していない。自分はさっさと地下室に閉じこもってずっと隠れていた。すでに大統領になろうと立候補していた人間が、そんな大事なことについて一言もいわなかったというのは問題ではないか?それについてトランプは、

「われわれはウイルスと共存する方法を学んでいる。バイデン氏のように地下室に籠もっているわけにはいかない」

と指摘。ではバイデン爺さんが大統領になったら、いったいどんな対策を取るつもりなのかという質問に対しては、「国を封鎖するわけではなく、ウイルスを封じ込める。安全に飲食店などを再開できる基準が必要だ」というに留まり、具体策は「マスクをしろ」の一点張り。しかも、必要とあればロックダウンもやむおえないと認めてしまった。

トランプ親分は民主党州のやっているような厳しいロックダウンは害あって益なしであると指摘。

ところで司会のクリスティン・ウェルカーは、バイデン爺さんの曖昧なコロナ政策に関しては何も突っ込まなかったにも関わらず、トランプ親分に対しては、ワクチンは誰が作ってるのか何時できるのかと厳しく問い詰めた。親分はその質問に逐一きちんと答えていた。

全体的にトランプ大統領が疫病はすでに角を曲がり収束の方向に進んでいるという希望の持てる未来を描いているのに対し、バイデンはこのままでは年末までに20万人が死ぬなど暗く厳しい未来が待っていると予測。希望と絶望という非常に対照的な二人の考えが明らかになった。

他国による大統領選挙への介入

ロシア、中国、イランなどが今回の大統領選挙に介入しようと試みているとされることについて

【バイデン氏】
「どの国であろうと誰であろうと、アメリカの選挙に介入する者には責任をとってもらう。今回の選挙では、ロシア、中国、そしてイランが関与していることが明らかになっている。私が当選したらその代償を払ってもらう。なぜトランプ大統領プーチン大統領と何も話そうとしないのかわからない」

私はこの時点でバイデン爺さんがロシアをわざわざ持ち出したことに驚いた。なぜなら、すでに爺さんの息子のハンターがロシアの元モスクワ市長未亡人から350万ドルの賄賂をもらっており、その使途も東ヨーロッパの売春婦に使ったというロシア・東欧暴力団がらみのニュースが公表されたばかりだったからだ。それでトランプ親分はすかさず、

トランプ大統領
「私はロシアからお金をもらっていないし、私ほどロシアに対して厳しい制裁を科した人はいない。バイデン氏は350万ドルものお金をロシアから受け取り、モスクワの元市長とも仲良くしている。あなたこそアメリカの国民に説明する責任がある」

と反論。それについて親分はバイデン家の恥を色々と暴露した。主流メディアが報道しないので、このスキャンダルについて知っている人は意外と少なかったかもしれないが、トランプ親分が持ち出したおかげで多くの人が知るに至った。バイデンがロシアを持ち出したのは藪蛇だったね。

その後の親分の納税問題にしても中国との貿易問題にしても、トランプ親分はバイデンの汚職問題につなぎ合わせてうまい具合に話の展開をコントロールした。北朝鮮対策に関しては、バイデンがオバマ時代になにもせずに北が核保有国になってしまったことを指摘。これも親分のペースだった。

さて肝心のハンターとジョーの汚職問題について。

バイデン氏と息子の疑惑

アメリカの一部のメディアがバイデン氏の次男、ハンター氏がウクライナ汚職事件の捜査の対象となっていた会社の役員を務め、多額の報酬を受け取っていた上、バイデン氏本人が次男の仲介でこの会社の幹部と会っていたことを示唆するメールの内容を報じたことも議題となった。

【バイデン氏】
「倫理に反することはしていない。息子が会社の役員を務めていたことで、さまざまな疑惑が出ているが、トランプ氏の弾劾裁判の中で、息子と働いていた人は誰1人として私が一線を越えていたと証言していない。私は完璧だったと証言している」と疑惑を完全に否定。
「むしろ、ウクライナをめぐって問題になったのはトランプ氏で、ウクライナに対して私が不利になるような証言を求めた」と述べて、逆にトランプ大統領を批判した。

トランプ大統領
「残念ながらハンター氏は長い間、職に就くことができなかったが、バイデン氏が副大統領に就任したとたん、ウクライナの企業の役員になった。月に18万3000ドル、前払いとして300万ドル支払われたと聞いている。100%不誠実だ」と述べ、ウクライナをめぐるバイデン親子の疑惑は晴れていないと批判した。

このスキャンダルは主流メディアもSNSもずっと隠蔽しようと必死だったので、まさか討論会で司会者が持ち出すとは思わなかったが、いつまでも隠しておくよりさっさと取り上げて片付けてしまおうという思惑だったのかもしれない。

だがバイデンの次男のハンターはコケイン中毒で海軍予備隊から追い出された後、何一つ定職についたことのないぐうたら息子。その男がどうやって言葉もはなせず経験もない外国のエネルギー会社で年収何十万ドルという重役職につけるのか、どれだけバイデン贔屓の人でも少し考えれば、これはおかしいと気が付くはずだ。バイデンの言い訳はかなり怪しい。

さて、最低賃金に関してはバイデンとトランプでは完全に意見が割れた。トランプは最低賃金を引き上げれば中小企業を苦しめかえって失業者が出るとビジネスマンらしい回答。バイデンは社会主義者よろしく賃金さえ挙げれば貧困層が潤うという考え。

オバマケア」について

NHKがこれをオバマケアと名指ししたのは面白い。正式名はアフォーダブルケアで、お手頃な医療保険という意味なのだが、これが全然お手頃ではなかった話拙ブログでさんざんしたので繰り返さない。興味深かったのは、バイデンが自分が大統領になった暁には、、と話だした時にトランプ親分が、じゃあオバマ政権時代お前さんはなにをやってたんだよ、と返したこと。なにしろバイデンは47年間も上院議員+副大統領と政治家をやってきているので、今後これをやる、あれをやると約束しても、かなり空しいという印象が残った。

不法移民政策

司会者がトランプ大統領に対して、アメリカに不法に入国して拘束された親と子どもが別々の施設に収容され、再会に向けた手続きが進んでいないことについて質問。

トランプ大統領
「われわれはかつてないほど国境警備を強化し、400マイル(640キロ)もの壁を建設した。われわれは移民を受け入れるが法にのっとって入国する必要がある。親子の再会に向けた手続きは進めているが、多くの子どもは親がおらず、密入国のあっせん業者やギャングが連れてきている」

【バイデン氏】
「子どもたちには親がいて、親とともに来て強制的に引き離されている」

また司会者がバイデン氏に対して、オバマ政権下では移民政策の改革が進まなかったことに触れ、バイデン氏の政策を有権者は信用していいのかと質問。

【バイデン氏】
「移民政策を正すのに時間がかかった。過ちだった。私は副大統領ではなく大統領になる。就任後100日以内に、在住許可のない1100万人の移民に対して市民権を得られるようにする」

トランプ大統領
「バイデン氏は8年間、副大統領だったのに何もしなかった。ただ、子どもたちを入れる収容所を作っただけだ」

国境に壁を建てるというのは2016年のトランプ大統領の公約のなかでも一番大切な約束だった。トランプ親分は公約どおり精力的に壁建設に力を入れてきた。しかしどれだけの建設が実現したのかということを報道したメディアはほとんどない。いや、それどころか民主党もメディアも国境の壁について話題にしたことすらない。トランプ親分の落ち度はひとつも見逃さない民主党やメディアが最近沈黙を守っているということからして、トランプ親分の政策は成功しているのだと考えるべきだろう。ここでも親分はバイデンが副大統領であった8年間、なんにもしてこなかったことを強調。違法移民がアメリカになだれ込むことなど誰も望んでいない。これは完全に親分に一本あり。

気候変動対策

NHKの記事では指摘されていないが、この部分でバイデンは大失態を冒している。

トランプ大統領
「私たちは多くの木を植えるプログラムなどに企業とともにうまく取り組んでいる。空気を汚しているのは中国やロシアやインドだ。不公平なパリ協定では多額の金を支払う必要があるため離脱を決めた。数千万の雇用や数千もの企業を犠牲にするわけにはいかない」

【バイデン氏】
「気候変動は人類の脅威で、世界の科学者たちが言うように時間が残されていない。私はこの問題に雇用を創出しながら対応する。例えば、5万か所の充電ステーションを設置し、アメリカに電気自動車の市場を作るため投資していく。ウォール街は私の施策が1860万人分の雇用を生み出すと試算していて、トランプ大統領の施策より700万人分も多い」

トランプ大統領
風力発電太陽光発電は効率が良くないなどとしたうえで
「もしあなたが経済を破壊したいなら石油産業をなくせばいい」と述べた。

トランプ親分はこの後に「フラッキングについてはどうなんだ?」とバイデン爺さんに問い詰めた。Frackingの適当な日本語を私は知らないのだが、岩石から石油を収集する技術のことを指す。これによってアメリカは石油をアラブ諸国に依存する必要がなくなりエネルギー独立国となったのである。これに携わる労働者は数知れない。バイデン爺さんは過去になんどもこの産業をぶっ潰すと公言している。ところがこの期に及んで「そんなことは言ってない」としらを切ろうとした。下記のやり取りはトランスクリプトから(訳はカカシ)

バイデン:わしはフラッキングに反対だとは一度も言っとらん。

トランプ:言っていたのが録画に残っている。

バイデン:じゃあそのテープをウェッブサイトに載せたらどうじゃ。

トランプ:よし、載せてやるよ。

バイデン:載せたらよいのじゃ。おぬしは嘘をついておる。

バイデン爺さんはどうしてこんなことを言ったのだろう?民主党候補を決める討論会で爺さんはフラッキングは亡き者にすると断言した動画がちゃんと残っているというのに。このやり取りの最後にトランプ親分はとどめを刺した。

トランプ:石油産業を閉鎖するつもりか?

バイデン:そうだ。石油産業からの移行を考えている。

トランプ:それは大発言だ。

バイデン:移行する。大発言だ。

トランプ:大発言だ!

バイデン爺さんは自分が何を言ったのかわかっているのか?アメリカで石油産業に携わっている人間がどのくらい居ると思っているのだ?もし本当に石油産業をつぶしたら、アメリカの失業率は大恐慌時代の25%くらいでは済まなくなるんだぞ?

翌日になって石油産業に頼る地域の民主党議員候補らは口をそろえて「私はバイデンの政策に賛成ではない」とバイデンから距離を置く発言を始めた。爺さんはその場の雰囲気でつい本音を言ってしまった。これは痛い。

人種問題について司会者のクリスティンがトランプに白人至上主義者団体に関する質問をしなかったのはよいことだった。視聴者やもう聞き飽きただろうからね。

最終的に、トランプはアメリカは良い方向に向かっている、このまま景気を盛り上げ偉大なる国にしていこうというメッセ―ジを伝えたのに対し、バイデン爺さんはアメリカは酷い方向に向かっているこのままでは国は滅亡する、国を救えるのは自分だけだと訴えた。しかし47年も政治家をやってきてこれといって何一つ功績を残さず、いまや汚職のスキャンダルにまみれているバイデン爺さんと、疫病禍に人々に希望を与えて精力的に頑張っているトランプ親分と、アメリカ国民はどちらを選ぶだろうか?

11月3日の選挙まであと二週間!