先日BLMの熱烈支持者として有名なテニスの王女大阪なおみさんが、最近話題になっている東洋系アメリカ人への暴力について、こんなツイートをしていた。
NaomiOsaka大坂なおみ@naomiosaka 人々がバブルティーやアニメやお餅やお寿司や抹茶などを好きなようにアジアの人々を愛してくれたらなあ。考えても見て、これらの文化から利益を得ながら、これらを作ってくれた人種を攻撃するなんて、、、
はっきり言って大阪さんが黒人であることや東洋人であることで差別された体験があるとは到底思えない。父親はハイチの裕福層出身で、住んでるところもトランプ大統領と同じフロリダの高級住宅街。大阪さんが貧困層のアフリカ系アメリカ人とさほど接点があったとは思えない。また彼女はアメリカ育ちなので日本で黒人とのハーフであることで差別を受けたというわけでもない(日本で黒人差別があるなしに関わらず)。しかしまあそれは置いといて、彼女の一見どうでもいいようなこのツイートに結構否定的なコメントが寄せられたことが興味深かった。
- お前のパパとママが日本から逃げて来たのは人種差別のせいだったんじゃないのか?
- おかしな話だな、中国では黒人が入れない場所があるんだぜ。アジア人は黒人の文化でずいぶん金儲けしてるじゃないか、ダブルスタンダードもいいとこだよ。
- おまえ黒人になってどのくらい?こっちの方が大変だぜ、アジア人は黒人が嫌いだからな。
- アジア人を嫌いな人はそりゃいるでしょうけど、アジア人へのヘイトクライムなんてものが本当にあるのかどうかかなり疑問。
中国での黒人差別はひどいものだが、それをいうなら中国共産党による少数民族差別はアメリカでみられるそれとはレベルが違う、それと大阪さんと何の関係がある? 黒人を差別する国が東洋にあるからアメリカに住む東洋人が差別されてもいいという理屈はおかしいだろう。しかし多くの人々の人種意識なんてこんなものなのである。
実はアジア人へのヘイトクライムに抗議するハッシュタグが作られた時、当然「アジア人の命も大事だ」という意味で#Asian Lives Matterというハッシュタグがツイッターで作られたが、すぐにBLMの連中から「おれたちのスローガンを横取りするな」とクレイムが付き「アジア人へのヘイトを止めろ」というStop the Asian Hateとかいうおかしなスローガンに書き換えられた。なんで黒人だけがその言葉を使うことが出来るのか?そしてなんでアジア人がそういう黒人に遠慮する必要があるのだ?
はっきり言って黒人と東洋人が団結して白人至上主義と闘おうなんて考えそのものがばかばかしいのだ。なぜなら今のアメリカに白人至上主義なんてものはない。それは人権屋の頭にだけ存在している妄想だ。それに、アジア人と一口に言っても、アメリカでは中国、韓国、日本人をはじめ、東南アジア諸国、太平洋諸島原住民、シリアやパキスタンのアラブ人やインド人まで含まれる。こんな背景も文化も宗教も違う人たちに、いったいどんな共通点があるというのだ?単に色が白くないという理由だけで人々が団結できると思う方がおかしい。
実は先日、アメリカのどこかで反アジア人差別抗議デモが行われたが、その中に「中国人を悪者にするな!」という黄色のプラカードを掲げている人たちが多くいた。このサインは個人が手書きしたものではなく、きちんと印刷されたプロによるサインだった。明らかに中国共産党の工作員が混じっていると言う感じだった。
もともと中国は、トランプ大統領が武漢ウイルスは中国から来たことを指摘していた次点で、トランプは人種差別者だという論説をアメリカに広めようとしていた。この反アジア人差別運動は中共に利用されて、中国が行っているウイグル人へのジェノサイドなどですら批判できなくしようとされるのがオチだ。
この間も書いたように、東洋人を一番虐待しているのは黒人だ。白人至上主義者などではない。戦っている相手が間違っているのだ。それにしたって東洋人とみれば殴りかかってくるような輩が差別を止めろデモなどに関心などあるはずがない。そんなことをやっても忌々しいと思われるだけ。
多くの黒人が大阪さんのツイートに全面的に同情できない理由は何と言っても東洋人の社会的な成功にある。東洋人への差別がアメリカには全くないとは言わない。いや、アファーマティブアクションなどのようにあからさまな組織的差別は存在している。だがなぜか東洋人はアメリカ社会で成功している。アメリカで平均所得が一番高いのは東洋人なのだ。貧困層の黒人からしてみれば、社会的に成功している東洋人は特権階級に見える。自分らが何世代も生活保護を受けて貧民窟で苦労してるのに、東洋人は移民二代目からはもう金持ちのプロフェッショナルになっている。だから黒人の多くが東洋人はなにかしら特別扱いを受けているからに違いないと考えるのだ。そんな奴らが時々犯罪の犠牲になるからって、被差別者面するんじゃねえよ、と言った具合だ。無論彼らは日系人が第二次世界大戦中に財産を没収されて収容所送りになった過去があることなど知らないのだろう。
何度かご紹介しているが、東洋人がアメリカ社会で比較的成功しているのは政府から特別扱いされているからではない。ましてや東洋人への差別が皆無だからなどということでもない。これは単に東洋人は真面目で働き者が多く、親族や友人関係の結託が強くお互い助け合いをするというだけの話だ。それで、東洋人が成功するいくつかの理由を挙げてみよう。
- 勉学にいそしむ。東洋人は学校でも良く勉強し、A以外は受け入れないという態度で励むので、成績優秀な生徒が多い。
- 働き者である。移民一世は言葉も分からず高所得の仕事にはつけない。それでコンビニなどの仕事からはじめるが、勤勉なためお店は繁盛貯金が貯まる。二世代目からは大学に行く。
- 親族や同胞が助け合う。新移民は銀行でローンなど簡単には組めないため、親族がお金を融資してくれる。踏み倒しても法的な処罰は受けないが、その後は村八分になってしまうのでそんなことは面子が許さないから一生懸命借金は返す。
- 両親が揃っている。
実は東洋人の成功の一番の理由は4番目の両親が揃っているということにある。東洋人の親は教育ママがいることでよく知られている。東洋人は成績がいいだけでなく、バイオリンやピアノなど高度な技術をたしなむ子が沢山いる。だが、こどもが学校で良い成績をとったり楽器が弾けたりするためには親の多大なる応援がなければできることではない。子供がちゃんと宿題をやっているか、ピアノの練習をしているか、子供の成績表に親が興味をしめしているか、子供の態度は両親の応援によっていくらでも変わるからである。
東洋人移民は自分が死ぬほど働いてでも二世代目からは大学に行かせる。東洋人家庭の子供が大学に行くなど当然のこととされているのだ。ユダヤ系のミスター苺に言わせると、これはユダヤ系家族と非常に似ているという。ユダヤ系も家族の血筋をすごく大事にするが、子供の教育にも非常に熱心である。いちどミスター苺の親族には医者や弁護士が多いという話になり、そういえばカカシの親族も父を含め伯父や叔母や従弟たちに弁護士や医者が多い。東洋人と並んでユダヤ系の平均所得が高いのも決して偶然ではない。ちなみに黒人社会による反ユダヤ差別もかなりなものである。
黒人でもこれを解ってるひとたちは成功している。私の職場には元軍人が多いが、軍隊に志願して何年か任期を経れば大学への奨学金が出る。それで家計に余裕のない家庭出身の子たちがそうやって大学を卒業し、そのまま軍隊で出世するなり、民間人となって高所得を得るなりしているのだ。私の同僚にも元軍人の黒人は多いが、彼らは皆教養も高く、同じ伴侶と長年連れ添い子供たちも皆大学でである。つまり、社会的に成功するかどうかは人種で決まるのではなく、個人がどれだけ努力をするかにかかっているのだ。
だいたい黒人が大統領になれる国で、黒人に生まれたら努力しても出世できないなんて考え方そのものがナンセンスなのだ。しかしそういう考え方を少数民族に押し付けようとしているのが左翼の人権屋たちなのである。はっきり言って彼らこそが黒人及び少数民族を底辺に押さえつけておきたいのではないかとさえ思える。東洋人はそんなばかばかしい思想につきあうべきではない。今まで通り幸せな家庭を築き社会的に成功し続ければ差別など克復できるはずだから。