苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

トランスジェンダー暴露本発売を巡り、過激な日本のトランスジェンダー活動家、ついに複数の書店に放火の脅迫!

今年はじめにKADOKAWAから発刊される予定だったアビゲイル・シュライヤーの "Irreversible Damage,"の邦訳本「あの子もトランスジェンダーになった」が日本のトランスジェンダー活動家らの妨害運動によって発刊は中止されたが、今回あたらしく産経新聞出版から「トランスジェンダーになりたい少女たち」という題名で発売されることとなった。すでにオンラインでの発売は始まっている。ところが、本日なんとも物騒な記事を読んだ。こちら産経新聞の記事。

「トランスジェンダーになりたい少女たち」 発行元や複数の書店に放火の脅迫、被害届提出

2024/3/30 15:15

産経新聞出版から発売される「トランスジェンダーになりたい少女たち」
産経新聞出版から発売される「トランスジェンダーになりたい少女たち」

4月3日に発行予定の翻訳本「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」を巡り、同書を扱う書店への放火を予告する脅迫メールが、発行元の産経新聞出版宛てに届けられていることが30日、分かった。複数の書店にも同様のメールが送られており、産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を提出した。

メールはドイツのドメインが使われており、産経新聞社のアドレスに送られてきた。「原著の内容はトランスジェンダー当事者に対する差別を扇動する」として、「出版の中止」などを求めた上で、発売した場合には抗議活動として同書を扱った書店に火を放つとしている。

翻訳本は米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーさんによるノンフィクション。ブームに煽られ性別変更したが、手術などで回復不可能なダメージを受け後悔する少女らを取材している。すでにアマゾンなどネット書店では予約が始まっている。

同書は2020年に米国で発売されたのに続き、フランス語、ドイツ語、スペイン語など9つの言語に翻訳されて出版され、多くの人に読まれている。日本語版については、昨年末に大手出版社のKADOKAWAから発行予定だったが、一部の強い批判や同社本社前での抗議集会の予告などを受けて発行中止となった経緯がある。

産経新聞出版では「多数の人が集まる書店を脅すなど許されない行為。悪質な圧力に屈することなく、書籍は発行します。被害届を出したほか、書店にも状況を説明していきます」としている。

以前にも書いたが、この本に関しては原著の発刊当時、科学的根拠に基づいていないとか、当事者へのインタビューがないとか色々批判はあったが、それでもアメリカでこのような激しい妨害運動はなかった。もっともアメリカでは発売前にどんな本になるかはあまり知られていなかったので、活動家達も先手を打てなかったのかもしれない。

それにしても日本のトランスジェンダー活動家(TRA)の過激性には驚く。欧米諸国のTRAの暴力的な運動をそのまま輸入したようだ。

ところで今回の出版に先駆けて、日本のTRAたちは、この本の内容を検証中だそうだ。朝日新聞で二階堂友紀という人が紹介している。(元記事は課金制なのであえてリンクはつけない)「実態踏まえない主張」としてトランスジェンダリズムの研究者(トランスジェンダー活動家)達が本著を「検証」中だと言う。(強調はカカシ)

 「トランスジェンダー入門」の共著がある高井ゆと里・群馬大准教授は、昨年12月から医療社会学トランスジェンダースタディーズの研究者ら数人で原著の内容を検証中だ。

 検証チームのまとめでは、同書は「思春期の少女たちが、SNSでトランスイデオロギーに触れて自らをトランスジェンダーだと誤認し、不可逆的な医療を受けている」などと訴える内容。

 検証の中核を担う研究者は「そもそもトランスジェンダーは政治的な思想や流行ではない。子どもへの医療は慎重に行われており、必要な医療資源の不足の方が問題になっている。実態を踏まえない主張で、具体的な問題も多い」と話す。

いや、白々しい。もちろんトランスジェンダリズムが政治的思想でないなら、何故政治的圧力をつかって発刊を妨害したりするのだ?最初からそうではないと決めつけた姿勢での取り組みでは公平な検証など無理だろう。

この本の内容が科学的ではないという例として「研究者」たちは、思春期ブロッカーで「知能指数が下がる」とか乳房を抑えるバインダーが「肺の機能を低下させる」といった供述には「信頼性の低い論文やデータを多用している」としている。

高井教授には申し訳ないが、同著では一人の患者しか扱われていなかったが、その後思春期ブロッカーで知能指数が下がるという研究がされており、思春期ブロッカーと知能指数の問題はすでに明るみに出ている。以下今年1月のデイリーメイルの記事より。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのサリー・バクセンデール教授(臨床神経心理学)は、憂慮すべき研究の中で、子供たちの脳機能に及ぼす薬物の影響について『緊急の』研究を呼びかけた。

NHSイングランドは、昨年、この治療が脳の成熟過程を阻害する可能性があるとの厳しいレビューを受け、思春期の身体的変化を止める薬の定期処方を中止した。(略)

バクセンデール教授は、論争の的になっている薬物が若者のIQレベルに与える『有害な影響』についての証拠を発表した。

思春期阻害剤で治療を受けている25人の少女を調べた研究では、IQが平均7ポイント低下した。

バクセンデール教授によれば、15点以上の『著しい低下』を経験した患者もいたとのことである。少女達は皆、成人期を早める『思春期早発症』に苦しんでいた。

すでに多くの児童に思春期ブロッカーを処方してきた英国の保険省が国営医療機関における思春期ブロッカーの処方を禁止しているというのに、こうした研究がすでに去れているにもかかわらず、自らをジェンダー研究者としている人たちが、研究分野の最新情報を得ていないとは思えない。

性別適合手術を受けた当事者の自殺率が非当事者より高いという件についても高井教授は「トランスの当事者はその生きづらさから、もともと自殺念慮の高い集団であることが考慮されていない」と語るが、それこそ性違和患者には自殺願望者が多いという非科学的な結論を述べている。

WPATHファイルスでも明らかにされているが、性違和患者と診断される多くの患者は他にいくつもの精神障害を持っている場合が多く、他の精神障害者と比べて特に自殺願望が強いわけではない。

また最近になって男性から女性への性転換手術によってかえって自殺願望が増えるという研究結果が発表された

カリフォルニア州政府のデータを用いた研究で、男性から女性への性転換手術を受けたトランスジェンダー女性の手術後の自殺率が2倍になることがわかった。

この研究は、2020年にスウェーデンの全人口を対象に行われた分析に続くもので、「その比較において、その後の気分障害や不安障害に関連した医療機関への受診や処方、自殺未遂後の入院との関連において、手術の利点はない 」というものであった。

さらに高井教授は、同著が「不安を訴える親の語りに焦点を当て、性別違和を抱える子どもの声にしっかり耳を傾けていない」「性別違和の問題に明るくない保護者が影響を受け、当事者の子どもに対する適切な支援が遠のくことが懸念される」と語る。

WPATHファイルスを全部読んだ私から言わせてもらうと、これは非常に空々しい発言だ。ジェンダークリニックこそ子供の声にしっかり耳を傾けていない。性違和があるかもしれないという子供に他に精神疾患があるのではないか、性虐待などのトラウマがあるのではないかというしっかりした診断もせず、子供がそういうからそうなのだと決めつけ、「性別違和の問題に明るくない保護者」を、このままでは子供が自殺してしまうといって脅迫し無理やりトランス治療を強行してきたのは誰なんだと聞きたい。

「4月以降に、原著の問題点をまとめた啓発用のチラシやウェブサイトを公表する予定だ」そうなので頑張ったらいいと思う。先ずは本を発行し人々が読んだ後で色々批判も聞けばいいのだ、しかし二階堂は本が発売されてからでは「公平な議論」が出来ないと言う。

 「読んでから判断したかった」との声も多いが、日本の社会にはトランスに関する正しい情報が不足し、差別をあおる言説や虚偽の情報が広がる。社会にリテラシーが蓄積されていない現状では、残念ながら「公平な議論」は容易ではない。

だからといって本の発刊を妨害していいと言う理屈にはならないはずだ。

原著が発刊された2020年当時はまださほど知られていなかった子供の性転換医療に関する悪質なやり方や、その後の悪影響などが、最近発表されたWPATHファイルズにてすべて実証されてしまった今、この本の価値はずっと上がったと言える。今こそ日本の方々にこれを読んでもらって、如何に子供のトランス治療が危険で野蛮なものであるのかを多くの日本の人びとに知ってもらいたい。