苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

やっと「性は現実だ」と言い続けてきたJ.K.ローリング女史の戦いが実を結びつつある

今日は「性は現実だ "sex is real"」というJ.K.ローリング女史がここ数年言い続けてきたことが、やっと主流メディアでも受け入れらるようになったという話と、スコットランドで「トランスジョセーは男性です」と言ったらヘイトクライムで7年の実刑を食らうというのは本当なのかという話をしたいと思う。どちらもJKRと関係があるので、先ずNYTのこの記事から

『「生まれた時に割り当てられた性別」という言い方の問題点』

著者紹介:アレックス・バーンはMITの哲学教授であり、『Trouble With Gender: Trouble With Gender: Sex Facts, Gender Fictions "の著者。キャロル・K・フーヴェンは進化生物学者で、アメリカン・エンタープライズ研究所の非常駐シニアフェロー、ハーバード大学心理学部のアソシエイトであり、"T: The Story of Testosterone, the Hormone That Dominates and Divides Us "の著者。

性差は健康、安全、社会政策にとって重要であり、文化と複雑な相互作用をする。女性は男性に比べ、薬物による有害な副作用を経験する確率が2倍近く高いが、この問題は女性の薬物投与量を減らすことで改善できるかもしれない。一方、男性はCovid-19やがんで死亡する確率が高く、殺人や性的暴行の大部分を犯す。私たちは、"割り当てられた性 "が死亡数を増加させるとは言っていない。しかし、重要な事柄に関する用語はできる限り明確にすべきである。

より一般的には、性と人間の文化との相互作用は、少年少女、男性と女性の心理的・身体的差異を理解する上で極めて重要である。性とは何かを知らなければ、そのような理解は得られない。AP通信は、女性を "女性 "と表現することは、「生物学を強調していると見なされかねない」ため、好ましくないかもしれないとジャーナリストに注意を促している。トランスジェンダーの女性が女性スポーツに参加することについての白熱した議論はその一例である。この問題についてどのような見解を持つにせよ、生物学的な要因による男女間の運動能力の違いは現実に存在する。

著者らの言っていることはもっともだが、はっきり言ってこんなこと今更言われなくても解っている。我々トランスジェンダー概念に批判的な者から言わせてもらうならば、我々はもう20年近くこのことを主張してきた。J.K.ローリング女史も「性は現実だ」といったい何年言って来たと思うのだ?今更ニューヨークタイムスにお説教などされなくても解っている。問題なのはその解りきっている事実を我々が口にするたびにNYTのような主流メディアがさんざん「トランスフォビア」だと言って叩いてきたことだ。

それについてXでカナダの有名なフェミニスト、メーガン・マーフィ(@MeghanEMurphy)女史はNYTのやっていることは、潮目が変わったことを意識し今や発言しても大丈夫と判断してから、今更のように自分らが常に理論的であるかのようにふるまっているだけだというもの。だからNYTがこのような記事を発表したからといって、我々は勝ったなどと祝福する気分にはなれないと言うのだ。

私は、歴史的で一貫した臆病さとジャーナリズムの完全な欠如を勝利として祝うつもりはない。これは勝利ではない。敗北なのだ。私たちが負けたのは、メディアが現実の問題、被害、議論、性同一性イデオロギーをめぐる懸念(これはコロナの反応にも当てはまる)に関与することを拒否し、大衆を騙し、私たち全員を忘却の彼方へと洗脳し、女性や少女をバスの下に投げ捨て、数え切れないほどの人々がキャンセルされるのを許し、何千人もの子供たちの身体が破壊されるのを許したからだ。

そして今、彼らは足を踏み入れても大丈夫だとわかると、誠実に関与するふりをするのだろうか?冗談じゃないよ、こんなお惚けに騙されると思うなよ!私は断じて認めないからな!

マーフィーが怒るのも無理はない。彼女はこれまでにジェンダークリティカル(GC)と言ってトランスジェンダリズムに反対する意見を述べようとして、なんど講演を妨害されたか解らない。女性達だけで集まろうとして文字通り暴力で襲われたこともあったのだ。そんな時NYTはこの理不尽なトランスジェンダー活動家(TRA)達の行動について一言でも批判したことがあるのか?「性は現実だ」といったJKRを弁護したことが一度でもあるのか?

だがマーフィーも指摘しているように、主流メディアのNYTがこのような記事を発表しても大丈夫だと判断したことには意義がある。何故ならこの記事を書いた二人の学者たちは、このような記事をNYTに書いても職を失ったり自著の出版が妨害されたりする危険性は低いと判断したからである。世論はそれだけトランスジェンダリズムに批判的な方に動いているという証拠だ。

 

やれるもんならやってみろ、JKRがスコットランド政府に挑戦

 

先日スコットランド政府は反ヘイトスピーチ法というものを通した。これによると、「トランス女性は男性だ」とか「男性は女性になれない」などと言ったら、最高7年の実刑に処される可能性がある。そしてこのような「ヘイトスピーチ」はイギリスのどこでしても捜査対象となり、スコットランドに返ってきた際には逮捕される可能性もあるという。

法律成立の翌日、JKRはXでトランス自認の性犯罪者を含む10人のTRAを紹介し、これらはすべて男だと宣言した。

言論と信条の自由は終わりを迎える、スコットランドが生物学的性別の正確な記述を犯罪とみなすならば。私は現在国外にいるが、もし私がここに書いたことが新法の条項による犯罪に該当するのであれば、スコットランド啓蒙発祥の地に戻ったときに逮捕されることを楽しみにしている。

しかしスコットランド政府は今のところJKRの挑戦を受ける気はないらしく、JKRは捜査の対象にならないと発表した。JKRはイギリス連邦政府のリシ・スナク首相からも支持を得ており、ここでJKRを逮捕などしたら、世界中で大騒ぎになってしまう。

トランスジェンダリズムの強みは多くの人びとがこの問題について無知であることにある。だから人々が知らないうちに訳の分からない法律が通ってしまい、実際に被害が出てから人々の知るところとなるのだが、それでは時すでに遅しである。

だかJKRのような世界的な著名人が「性は現実だ」「男は女になれない」と言っただけで逮捕されるなどということになったら、そのバックラッシュたりやとてもスコットランドだけで鎮圧できるようなものではなくなるだろう。しかし、JKRがどんな弾圧にも脅迫にも怯まずに戦い続けて来たおかげで、多くの人びとが目を覚まし始めたのだ。

我々はこの戦いに勝利しつつあるのだ。