苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

日本人に今時欧米生活をお薦めしない理由

昨日Xで毒舌で知られるめいろまさんがイギリスに移住しましたと言ってる27歳の女性に対して、かなり厳しいことを言っているのを見た。それで今の時代に海外に出ていく若い人たちは、(特に女性の場合は)こういう色々苦労なさった先輩方の話は聞いておいて損はないと思う。

ではきっかけとなった最初のやり取りをちょっと紹介。

この若い女性はYさんとしておこう。現在27歳でイギリスに短期就労のYMSビサで入国。このビサだと2年くらいは滞在が許可されるらしい。希望としては、その後に別の就労ビサに切り替え、さらに5年くらいの滞在を望んでいると言う話。

彼女はユーチューブでその話をしていたのでかいつまんで経歴を紹介すると、立教大学法学部を卒業後、日本の大手企業で就職するも、海外に自由に行きたいという理由で退職。つい数か月前までタイに住んでいた。高校や大学時代にアメリカ留学をした経験もあるので英語には自信がある。イギリスで数年勤めたら、スペインにも住みたいと思っている。ともかく30歳までに最後の挑戦をしてみたい。その後キャリアをどうするのかという点に関しては自分で何かのビジネスを始めたい。ネット界隈でインフルエンサーにもなりたい、ということらしい。

とはいえ彼女現在のYT登録数は2千人程度で、その他のソーシャルメディアを合わせてもフォロワー数は6千人くらいだというから、私の古いXアカウントのフォロワー数くらいなので先は長そうだ。

日本女性が白人イギリス人男性と結婚するのは先ず無理

さて、ではめいろまさんはこの方にどんなアドバイスをしたのかというと、

子供を産める時間はあとわずかです。ふらふら旅行していないで早く定食を探し、貯金し、結婚して子供を産んで。タイムリミットはあと5年。不妊治療でも授からないし体への負担は凄いのよ。まともな男性はどんどん見つからなくなります。永住権すらないワーホリは在住じゃないの。単なる短期旅行よ。

これに関しては、若い女性だとすぐ結婚だの出産だのの話をするのは古い考えだとか、おせっかいだとか言ってる人も多くいるが、めいろまさんはイギリスで学位も取り、アメリカを含め諸外国で仕事をしていた経歴もあり、いまでもバリバリのキャリアウーマン。現在イギリスでご主人とお子さんと暮らしておられる。

とまあそういう経歴の持ち主であるから、若い人にアドバイスや警告をする資格は十分にあると思う。特に同じイギリスで住もうというなら当然だろう。

Yさんは現在ロンドンに居住しているが、以前にも書いた通り、今のロンドンはかなり怖いことになっている。ロサンゼルスに住む私が言えた義理ではないのだが、今やロンドンは元々住んでたイギリス白人はすでに人口の30%程度で、後は中東やアフリカや東アジアから来た移民ばかりである。だからもしYさんがイギリスで白人のイギリス人男性と出会うことを夢見ているとしたら先ずそれは無理だろうとめいろまさんはいう。

イギリスは日本よりも階級社会である。同じイギリス人同士でさえ階級が違えば交際しない。だから階級の違うひとたちは出会うきっかけすらない。ましてや言葉のつたない季節労働の外国人など中流階級以上の人の眼中にない。

先ずイギリスは雇用が不安定で何時リストラされるか解らない。だから男性だけが働いて女性は専業主婦何なんていうのは無理。イギリス人男性が配偶者として求めているのは、自分が失業して次の仕事にありつけるまで妻の給料でもなんとか食いつなげる程度の稼ぎのある人。となると自分と同じレベルの仕事に就いている人でなければだめなので外国人季節労働者なんて問題外。

それで結局短期就労で来ている若い邦人女性が出会うのはイギリス人ではなくパキスタンなどから来た発展途上国からの移民がせいぜい。すぐに子供が生まれるも男尊女卑の社会から来た男は妻への暴力など普通にふるうし浮気もする。ろくに働かないくせに親兄弟からたかられる。嫌になって離婚できても、子供を連れて日本へ帰れば誘拐罪に問われる可能性あり。しかたなく働くも英語もそこそこで手に職もない外国人女が出来ることは最低賃金の掃除婦や飲食店のバイト程度。

とまあ身も蓋もないことをめいろまさんは言う。

イギリス(カナダ・オーストラリア)の短期就労ビザ労働者は使い捨て扱い

別にイギリスで結婚相手を探してるわけではないからそんなことはどうでもいい。単に海外で働く経験を得たいだけと思っていたとしてもYMSビサで出来るような仕事は使い捨ての肉体労働がほとんど。結局これらの仕事はイギリス人がやりたがらない肉体労働の仕事で、しかも短期だから技術を習得して次の職に役立てるなんてこともできない。

これはカナダとかオーストラリアのワーホリでもいえることなのだが、ワーホリで出来るような仕事は将来のキャリアに役立つようなものは少ない。前にも紹介したように、車の修理工とか電気技師とか看護師・介護士といったように、もともと手に職のある人たちが円安を利用して海外でお金を稼ごうというのだったら話は別だが、特別な技能を持っていない外国人に出来ることは限られている。

オーストラリアではワーホリでファームといって文字通り農場での野良仕事があり、きちんとした建物での衣食住ではなく、テント暮らしなんてところもあるという。そんなところに寝泊まりして肉体労働のチェリー摘みとかするんだったら、アメリカの季節労働者のメキシコ人たちより酷い暮らしになる。

なんでわざわざ先進国の日本から外国に行ってそんな仕事をしなきゃならないのか。そんなところで仕事をしてみても英語なんか話せるようにならないし、技術を学ぶこともできない。

大量のアラブ・アフリカ移民の受け入れで変わってしまった欧州

私はイギリスに住んだことはないが、めいろまさん以外からも昔と今のイギリスを比べてその変化を憂う話はいくらもきいている。これは単に年寄りが言う「昔はよかった」という話ではない。めいろまさんも90年代のイギリスでは、日本人移民も結構優遇されたと言っている。めいろまさんは今40代半ばらしいので、めいろまさんがイギリスの渡ったのは多分90年代のことなのだろう。

イギリスだけではないが、欧州一般でここ2~30年間アラブ・アフリカからの移民が激増した。そしてここ10年あまり、難民と称する違法移民が大勢欧州に押し寄せてきている。これによって欧州の状況は激化してしまったのだ。

もし日本の若い人たちが今のイギリスを1990年代のイギリスと同じだと考えて来るのだとしたら、それでは危険だという現地の人の声に耳を傾けたほうがいい。

アラブ・アフリカ系移民は性犯罪を犯す率がずば抜けて多い。かれらはどこの国へ行っても同じことをするので欧州中が同じように治安の悪化、特に性犯罪の悪化が酷いことになっている。日本でもアラブ・アフリカ圏から移民を大量に受け入れたら欧州と同じことになる。

治安悪化がひどいアメリカ都市部

こうして考えると私がアメリカに来た1980年代は夢があったな。単に私が向こう見ずで怖いもの知らずの浅はかな若者だったという以外にも、本当に希望のある時代だった気がする。

私は1990年代くらまでなら、欧米へ行って色々な体験をしてみたいという若い人たちのことは大いに応援した。現に私は日本人の若い知り合いにアメリカで一年くらい暮らしてみなよとしついこいくらい誘っていた。

しかし今のアメリカに移住はお薦めしない。特にカリフォルニアやニューヨークのようなリベラルな市は先ず止めたほうがいい。アメリカも欧州と同じように不法移民が物凄い数で押し寄せている。

アメリカの移民はアラブ・アフリカはもとより、中南米や中国などからもやってくるので始末が悪い。

今は円安なのでアメリカに出稼ぎに来たい人がいるのは解るが、アメリカは給料が良くても物価が物凄く高いから貯金はそう簡単には出来ない。それにイギリス圏の国とちがってワーキングホリデーのようなものもないので、短期でアメリカで働こうなんて思ってもそう簡単にはビザが下りない。

アメリカはイギリスほどの階級社会ではないし、東洋人女性がアメリカの白人と結婚するのはさほどハードルは高くない。ただアメリカ人なのにアメリカ人女性を捕まえられない男性にはそれなりの問題点もあるので、白人だから大丈夫なんて思って結婚するとひどい目にあう。

日本女性は勤勉でまじめだからと貢がせるヒモのような男もすくなくないので要注意。

外国暮らしは要注意、先輩たちの忠告は聞こう

何時の時代にも外国暮らしには危険が伴う。確かに今の欧米は昔より危険ではあるが、それでも大昔に何も知らずに外国へ移住した移民たちに比べたら今のひとたちは遥かに恵まれている。だから先人たちの忠告には耳を傾けよう。

ただ、危険だからといって誰も冒険をしなかったら何の進歩もない。洞窟暮らしの原始人が外になにかあるはずだとアフリカ大陸から出て行ったからこそ今の世の中がある。危険を覚悟ならそれでいい。ただ目を見開いて、外国への憧れだけで無茶をしないように気を付けてほしい。