苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

何故イランはイスラエルに応戦しないのか

さて先日のイスラエルによるイランへの攻撃は非常に暫定的なもので、イラン国内でさほどのダメージがあったわけではないようだ。イランはイスラエルからはドローンが三機飛んできただけですべて打ち落としたと発表している。この程度のことでこれ以上応戦の必要はないと考え即座にこれで一応の撃ち合いは終わったようだ。

これについて元IDFの報道官で今は*FDDの役員であるジョナサン・コンリカス氏(Jonathan Conricus)はXのポストでこんなことを書いていた。(*FDDはワシントンDCを拠点とする、国家安全保障と外交政策に焦点を当てた超党派の研究機関である。)

イランはイスラエルに向けて何百発ものミサイルや無人機を発射したが、実体のあるものを攻撃することはできなかった。イスラエルは、イランが使用した兵器のほんの一部で、イラン中心部の機密目標を攻撃したが、明確なメッセージを送った:イランではイスラエル空軍から何も守ることはできない。

イランは迎撃に成功したと言っているが、実際に地元で大爆発があったと証言している人もおり、空爆はすべて標的に当たったようである。しかもイランの核兵器開発基地の至近距離にミサイルは落とされており、ジョナサンが言うようにイスラエルは、今回は手加減してやったがこの次はこうは行かないぞという強いメッセージを送ったことになる。

だからこそイランはメンツを保つために今回のイスラエルの攻撃は取るに足らないものだったため応戦の必要はないと早々と宣言したのだろう。はっきり言ってイランはかなり焦っていると思われる。なにしろ350発も打ちこんだ弾道ミサイルを含む数々の兵器がまるで役にたたなかったのみならず、イランはその何十分の一のミサイルを全く迎撃することが出来なかったのだから。これ以上戦闘を激化させたら今のイランに勝ち目はないと悟ったのだろう。

ところでイスラエルが攻撃したのはイラン国内だけではないようだ。

Ahsan Mohammed Ahmed Ahmed / Anadolu via Getty Images

イランが背後にいるイラク国内の軍事基地が何者かの空襲によって破壊された。

空爆の標的は、イラク東部バビロン県にある人民動員軍(PMF)のカルス基地であった。PMFイラク国家が支援する大規模な組織で、数十の小規模な民兵組織やテロリスト集団で構成され、その多くはイランの支援を受けている。
米中央軍(CENTCOM)と国際連合軍はともに、空爆には関与していないとの声明を発表した。

イスラエルも、少なくとも1人が死亡し、10人近くが負傷したこの空爆への関与を否定した。
イラクは、空爆を行った可能性のある空域での異物は検知していないと述べた。

アメリカもイスラエルも探知されないステルス昨日を持った戦闘機を所持しているので、イラクが探知できなかったとしても不思議ではない。

イランは正面切っての戦争でイスラエルに勝てないことはこれではっきりわかったことだろう。だからこそ余計に核兵器の開発を急がなければならないと思っていることだろう。

 

アップデート:

よもぎねこさんのところで非常に詳しくこの状況について説明してくれているのでリンクを貼っておく。必読!よもぎねこです♪ イランvsイスラエル 中道ウハウハさんからの情報 (fc2.com)