最近中国が尖閣奪取を想定した大規模な軍事訓練をしているという記事を読んだ。近隣諸国を想定敵国とするということには非常な危惧を覚えるが、責められて来たらどう防御するかではなく、実際に敵国の領土を占領しようという作戦というのは、嫌がらせの域を出ている。
ワシントン時事】米太平洋艦隊の情報戦部門を統括するジェームズ・ファネル大佐は、中国人民解放軍が東シナ海で電撃的に日本の自衛隊を打ち破り、沖縄県・尖閣諸島や琉球諸島南部の島しょ群を奪取する作戦を想定し、訓練を行っているとの見方を示した。米カリフォルニア州で2月13日に開かれたシンポジウムで明らかにした。
大佐はこの中で、昨年秋に人民解放軍が4万人以上を投入して東シナ海で実施した大規模演習「使命行動」に言及。「人民解放軍は、東シナ海で日本の部隊をせん滅する短期集中戦を遂行できるよう、新たな任務を与えられた。作戦後に予想されるのは尖閣諸島、さらには琉球諸島南部の奪取だ」と警告した。(後略)
さて、その中国が何故か今年の6月か7月頃に行われるアメリカ海軍主催のリムパック(RIMPACーRim of the Pacific Exercise)という諸外国の海軍を招待した大規模合同演習に参加するという話だ。去年防衛省のパネタ長官が訪中した際に直々に招待したというのだから呆れる。なんでアメリカが中国を同盟国みたいに扱うのだ? アメリカのこうした歩み寄りに対して、中国が感謝の意を表しているかというと全くそうではない。アメリカの姿勢を弱腰と見下した中国は、東シナ海上空域に防空識別圏なるものを勝手に設定したり、去年の暮れバイデン副大統領が東洋訪問中には中国揚陸艦が米軍巡洋艦に突撃してきたという事件まで起こしている。
「必要以上に米中間緊張を煽っている」のは中国の行動ではないか?そういう行為は即座に糾弾すべきではないのか?それをしないからアメリカは甘く見られるのだ。 今現在世界各地で起きている紛争、シリアやエジプトにしろ、最近ではベネズエラやウクライナでの紛争にしろ、すべて弱いアメリカが作り出した現象である。世界各国の独裁者たちは自分らが何をやってもオバマのアメリカが仲介する可能性はゼロと判断した。それは先代のブッシュ大統領が必死に闘ってやっと勝ち取った勝利をあっさりと投げ出してしまったイラク・アフガニスタンでの戦争にしろ、化学兵器を自国民に使ったシリアのアサド大統領に、兵器を処分しなきゃ承知しないぞと口だけで何もしなかったことや、核兵器開発を続行しているイランに対し無条件で経済制裁を辞めてしまったことなど、世界はオバマの弱腰外交をはっきり感じ取っているのだ。 こんな大事な時にオバマ王はなにをしているのかといえば、おふらんすのフランコ・ホランデ大統領を招いて豪勢な晩餐会を開いていた。しかもミッシェル夫人は宝石を着飾らせ、豪勢なテーブルセットの前に座らせた二匹の犬の写真をツイッターで公開。景気が悪くオバマケアで保険を失ったり失業したりしている国民が何百万といるのに、こういう無神経な写真を平気で公開できるというミッシェルの神経は、「パンが無ければケーキを食べれば、、、」とかいう誰かさんそのもの。バイデン副大統領は安部首相との会談をはじめとする日本訪問を終えて中国で習近平国家主席と会談したあと、12月5日に韓国に到着した。ちょうどその日、南シナ海で事件が発生した。
南シナ海で訓練中の中国海軍空母「遼寧」を、アメリカ海軍ミサイル巡洋艦が公海上で監視していたところ、中国海軍軍艦が停船要求信号を発しながら衝突危険距離まで急接近した。そのためアメリカ海軍巡洋艦は緊急回避行動を取り、衝突を回避した。 この事件は、バイデン副大統領の中国訪問中は、必要以上に米中間緊張を煽らないために公表されなかった。バイデン氏がアメリカに戻り、日本で日本-ASEAN特別会議が開催されている時期に合わせた形で発表された。今度はアメリカ政府が、中国の脅威を受けている日本そしてASEAN諸国に対中非難声明を発することを期待したようである。