苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

移民を受け入れない日本は滅びるだあ?放っとけ!

人口減少が進む日本において移民受け入れを規制することは日本を滅ぼすことになるというワシントンポストのこの記事 アメリカは日本の悪い例から学ぶべきという内容。著者はフランシスコ・トロ。(この記事を完全翻訳してくれた人がいたのでリンクを張っておく。訳文はコメント欄に掲示しておこう。)

誰もが覚えている限り、(日本では)確固たる政治的同意により大量移民は拒絶されてきた。結果世界中でもっとも単一民族の国となっている。日本はトランプ流理想郷と考えることが出来る。人種によって定義される国家、そして未来のない国家。

なんでトランプが移民を嫌っていると決めつけるのかね。トランプの奥さんは最初の奥さんも今の三番目の奥さんも移民だ。ま、それはともかく先を読んでみると、日本は人口減少は悲惨な状態であり、あちこちの地方都市が死滅しつつある。かつてアメリカ経済を脅かすかに見えた経済大国は見る影もない。しかも日本の男尊女卑によって世界中で一番女性が子供を産み育てにくい国になっているというもの。

この記事によれば、人手不足の深刻さにより、保守的な安倍政権ですらも移民規制を緩めているとはいうものの、まだまだ外国人労働者受け入れは進んでいない。特に外国人への差別はひどく、外国人が家族を連れてくることは難しい。また労働許可は取れても、許可の更新手続きは頻繁で複雑だ。日本は労働者を受け入れながらも、歓迎し融和を進める姿勢がないとある。

経済的には労働者が必要であるにも拘わらず、文化的に外国人労働者を受け入れる土壌がないため、多くの職が埋められないまま慢性的な人手不足になっている。例えば工業や農業、そして加齢化が進む日本になくてはならない介護の仕事などは深刻な状況だ。 そして地方では家主の居なくなった家は空き家のまま放置され地方はどんどん衰退していく。

これは単に日本の「異様」さを示す記事ではない。これは人口統計融解という真っ赤な警告表示だ。そして発展よりも純血を選んだ社会がどうなるかという告発でもある。

あなたはどちらを選ぶ?

おいおい、純血と発展は二者択一なのか?それに日本が選んでいるのは人種的に単一であることではなく文化的に単一であることなのではないだろうか?

多文化主義は必ずしも発展にはつながらない。一遍に大量の異文化移民を受け入れた西欧社会の衰退ぶりを見ていればそれは明らかなはずだ。アラブやアフリカから大量の異教徒を受け入れた国々では犯罪が急増し治安は乱れ、教養のない移民はまともな職にも付かずに社会の負担になっている。長年払ってきた年金が外国人扶養に使われ自国民が貧困に悩むなどという状態が西欧のあちこちで起きている。

そんななかで、今の日本に必要なのが大量の外国人労働者であると結論付けるのはあまりにも短絡的だ。頭数だけ増やせばいいというものではないのだ。

工業や農業における人手不足の解決は単純労働者を増やすことより産業のオートメーション化を図ることだ。また介護人不足は老齢化を防ぐ医療の発展が得策だ。すでに日本は世界中でももっとも若返り医療の研究が進んでいる国なのだ。もし一般労働者の労働期間を7年延長させることが出来れば、現在の人手不足は簡単に解決するという話を聞いたことがある。多くの日本人が年を取らずに健康状態でいることが出来れば、多くの問題が解決する。

また出産が少ないという面に関しても、若い人たちが結婚して子供を産みたいと思える社会づくりこそが大事なのであって、やたらに外国人を増やして治安を悪くすることがそれにつながるとは到底思えない。無論そのためにはガソリンの税金を引き下げ、消費税をなくすなど、一般家庭が住みやすい環境を作り上げる必要がある。

はっきり言って、日本で妊娠人工中絶が産児制限に使われているということ自体スキャンダラスなことだ。日本のように少子化がすすむ国で人工中絶などあってはならないことのはず。日本社会はもっと昔ながらの宗教を取り戻し、お見合いなどよいシステムは復活させて、若い人たちが結婚して子供を育てたい社会を取り戻してほしい。大事なのは日本人が未来に希望を持てる社会を作ることであり、やたらに外国人を受け入れることではない。