苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

性同一性障害少年の自殺を口実に障害治療を違法にしようとする動き

去年のクリスマスに、性同一性障害に病む17歳の少年、ジョシュア・(リーラ)・アルコンが走行中のトラックの前に飛び出し自殺した。少年は女子であると主張する少年の病気を無理やり治療させようとした両親への抗議文をフェイスブックに掲載した。これを悪用して同性愛団体がトランスジェンダーコンバージョン治療を違法にしようという署名運動を始めた。

私は以前から性同一性障害の治療が野蛮な性転換手術のみであり、他の治療法を認めたがらないトランス社会の横暴なやり方に非常な苛立ちを感じている。記事にあるようなコンバージョン治療というものがどういう類のものなのかわからないが、カリフォルニア州では、性同一性障害患者に「あなたは自分が異性であるという妄想をもっているだけかもしれない」という精神カウンセリングをすることすら違法となっている。これが正しい医療といえるだろうか?はっきり言ってこれは言論の自由迫害だ。実際に性転換手術をうけてから自殺する人の数は手術を受けなかった人より多いという調査結果もある。

ジョシュア少年が自殺したのは悲劇である。だが、彼の自殺が実際にコンバージョン治療によるものなのか、彼をトランスだと思い込ませたうつ病にあるものなのか現時点では解らない。

この件に関しての記事は全てコンバージョン治療が悪質な拷問であるかのように書いているが、その治療というものが一体どういうものなのかという具体的な例が出されていない。また、治療によって良くなった人たちがいるのかどうか、つまり成功率や失敗率に関するデータがまるで表示されていない。 コンバージョンセラピーを違法にせよ! と騒ぐ前に我々は次のことを学ぶ必要がある。

  1. コンバージョンセラピーとは具体的にどのようなものを指すのか
  2. 治療の成功率/失敗率はどのくらいなのか
  3. 治療の結果、自殺に追い込まれた患者はどのくらいいるのか
  4. 他にどのような治療法があり、その成功率/失敗率はコンバージョンに比べてどのようになっているのか

繰り返すが、性同一性障害の治療が性転換だと決め付けるのは非常に危険だ。私は性転換手術をしたことを後悔している人たちの記事をずいぶん読んだり聞いたりしたが、手術後の自殺者も多い。そのことについては去年にも書いたことがある。

2011年にスエーデンのカロリンスカ研究所が発表した調査によると、性転換手術をした324人の患者を30年間に渡って追った結果、手術後10年ぐらい経つと精神的な問題がどんどんひどくなることがわかった。しかも恐ろしいことにこうした人々の自殺率は普通の人の20倍にも及ぶという。なぜ手術を受けた人々の間でこんなにも自殺率が多いのかはわかっていないが、年を取るにつけ自分が社会から受け入れられずに孤立していくのが原因ではないかと思われる。 これだけみても性同一障害の治療をすぐに性転換手術に結びつけることの危険性が解るというもの。性転換手術が自殺の原因になったとはいえないが、手術が患者の心の病気の治療に効果的であるとはいえない。

コンバージョン治療を違法にせよとわめきたてる運動家の理屈でいけば、手術後患者の自殺率が一般社会の自殺率より20倍もあるような治療は断固違法にすべきということになるが、トランス運動家の間に性転換手術反対の声は聞かれない。それどころか性転換手術以外の治療は断固阻止するという動きのほうが圧倒的に強い。

トランス運動家は、手術を後悔して元の性に戻りたいという人々の声を暴力的に沈黙させている。 彼らの目的はまよえる子羊を救うことにあるのではない。彼らは自分らの変態的な生活を無理やり一般社会に押し付けることにある。だからちょっとでもトランス人口を増やすことが目的なのであり、性同一性障害に病む患者を治療することなど全く興味がないのだ。 私は「コンバージョンセラピーは違法にすべし」という法律は絶対に通してはならないと思う。特にこの治療の内容が具体的でないことが一番危険だ。

さて、関連記事だが、アメリカの老齢者用健康保険が性転換手術費用を支払うことになり、74歳の男性が女性になる転換手術を行なった。

国民の税金をこういうふうに無駄遣いするとは、いい加減にしてもらいたいね!