苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

ハリス選挙陣営がグーグル検索のニュース見出しをハリスに好意的に書き換えていたことが発覚

火曜日の午前中は近所の映画チェーンでシニアの映画券が半額なので仲良しの叔母ちゃんと一緒にほぼ毎週映画鑑賞をしている。映画の後でランチを食べながら色々だべっていたら、叔母ちゃんが政治の話を始めた。ユダヤアメリカ人の叔母ちゃんは典型的な左翼リベラル。彼女の情報源はリベラル女性を対象にした朝番組とこれもまた超リベラルな司会者が出演してる深夜のトークショーだけ。後は同じくリベラルな娘夫婦。

叔母:カカシちゃん、カマラの副大統領候補っていい人みたいね。

カカシ:え?そうなの?私は良く知らないけど(と惚ける)

叔母:えっと~名前なんだったかしら、トム・ワルツとかいうひと

カカシ:ティム・ウォルツ

叔母:そうそう。そのワルツさん。(ウォルツだよ)すごく好感持てるひと。軍隊歴あるし、誰かさんと違って。

カカシ:そうなんだ。でもバンスさんも元海兵隊だそうよ。

叔母:(気分を害した顔で)そうなの?

カカシ:(まずい、話題変えよう)ウォルツさんはフットボールコーチだったんでしょ?

叔母:そうよ!優秀なのよ。

叔母ちゃんはウォルツがどれだけ反ユダヤ教徒イスラム市民団体に多額の寄付をしていたかとか、イスラエル打倒を称えるイマームを招待して三回もイベントを行っていたことなんて知らないんだろうな。ウォルツが軍歴詐称していたこととか、BLM暴動の時にミネアポリス市長の嘆願を拒否して州兵を出兵させずに町が燃えるのを放置したことや、コロナ禍に厳しいロックダウンをして、外出禁止令を違反してる市民を密告するよう促していたことなど、きっと何も知らないんだろう。

 

カマラ・ハリスについても大統領候補になって24日も経つのに、ハリスが一度もインタビューを受けていないことに関しても、叔母ちゃんはハリスが熱心にラリーを行って演説をぶってるからいいのだと思い込んでいる。主流メディアを妄信している情報貧困な人の認識なんてこんなものなのだ。

 

11月の選挙を前に、メディアやビッグテックによる情報操作は想像を超えるものがある。Axiosの記事によるとハリス陣営はグーグルでカマラ・ハリスを検索すると、実際のニュース記事の見出しと説明をハリスに好意的になるよう書き換える操作を広告として購入していたことが暴露された。Axiosの記事はメンバー限定なのでフォックスニュースから。

 

ハリス陣営はCNN, NPR, ロイター、AP、CBSニュース、ガーディアン、タイムマガジンなどの記事の見出しと説明をハリスと副大統領候補のティム・ウォルツに都合のいいように書き換えて広告として使っていたことが判明した。

 

普通グーグルで何かを検索すると、最初の方にいくつか広告記事が載る。広告の場合ははっきりと広告であることを記載する必要がある。しかしハリス陣営のやり方は巧妙で一瞥では広告か本当の記事なのかわからないようになっていた。

 

私はこの話を最初スティーブン・クラウダーのチャンネルで聴いたのだが、どういう仕組みなのかよく分らなかった。それでフォックスの記事を何度か読んでやっと理解できた。つまり、カマラ・ハリスの名前でグーグル検索を書けると、ガーディアン紙やNPRなどの記事がずらっと出てくる。そしてそれらの記事の見出しや説明には下記のように表示されている。

ガーディアン紙へのリンクを掲載した広告には、「副大統領ハリス、中絶禁止と戦う-ハリスが生殖の自由を擁護する」という見出しが表示され、「副大統領ハリスは生殖の自由の擁護者であり、トランプの中絶禁止を阻止する」という説明が掲載されていた。

NPRの別の記事には、「ハリスが医療費を下げる」という見出しがあり、「カマラ・ハリスが高品質で手頃な価格の医療費を下げる」という説明が添えられていた。

ロイター通信の1つは、「インフレは下降している」とだけ書かれており、「バイデン・ハリス政権の下で、『米国はインフレとの戦いに勝利している』」と書かれていた。

ところが実際のリンクをクリックしてみると、記事の本当の見出しも内容も検索で出て来たものとは違うというからくりだ。多くの人は見出しと説明くらいしか読まないから、こんなに多くのメディアがハリスに好意的な記事を書いているなら本当なんだろうと思ってしまうという印象操作がされているわけだ。

 

この実際にリンクされている記事と見出しや内容が違うということは私は以前にヤフーの掲示板をやっている時によく見かけた。日本語の掲示板でやたらと頓珍漢な主張をする人がいて、その人がこの記事にはこれこれこういうことが書かれているといって英語の記事のリンクを張っていた。ところが実際にリンクを辿って記事を読んでみると、彼の言うようなことは何も書かかれていないばかりか、酷い時は正反対のことが書かれていることが多々あった。それで私は読者はリンク先の記事(特に英語)なんか読まないと踏んでわざとやってるなと感づいた。実を言うと彼が英語を読めるのかどうかさえ怪しいものだと思った。そこで私は彼のように頓珍漢な主張をして、ここに書いてあるぞと言ってまるで関係のない料理のレシピを張ったことがある。その人が怒って「そんなことは何も書かれてないじゃないか!」と言うので、「君のやってることを真似しただけだよ。」と答えた記憶がある。

 

ま、冗談はともかく、フォックスニュースによると、これらのメディアは自分たちの記事がそのように使われていることを知らなかったという。驚いたことにこういうやり方はグーグルの使用規約に触れないのだそうだ。もっともトランプ陣営がそんなことをやっていたら大騒ぎになることは間違いなしだが、ハリス陣営のやっていることなのでお咎めなしというわけだ。

 

ハリス陣営もメディアもどんどん汚い手を使って情報操作をやっている。我々はそんなことに騙されないようにガードを固めなければならない。