苺畑より In the Strawberry Fields

苺畑カカシと申します。在米四十余年の帰化人です。

第15代ドクターWHOクリスマススペシャルが至上最低の視聴率

もうユーチューブチャンネルでドクターWHOを追ってるチャンネルを観ていると、人々は口を揃えてドクターWHOは終わった、ファンは見放したと叫んでいる。それというのも2023年クリスマスに、クリスマススペシャルで第15代目ドクター、クティ・ガトワ(Ncuti Gatwa)のデビュー第一話の視聴率がなんと旧シリーズがデビューした1963年の最初の番組の次に低かったからである。

ドクターWHOは1963年に子供向けの低予算SF冒険シリーズとして始まった。新番組の視聴率が低いのはしょうがない。なにせ誰もこれがどんな番組か知らなかったわけだし、今のようにネットで前評判があったわけでもないのだから。しかし440万人視聴者数で始まったシリーズも回を追うごとに視聴者が増え、三か月後の第10話の頃にはなんとイギリス国内視聴者数1千40万人にまで膨れ上がっていた。そしてシリーズは俳優が代わっても1996年にいったん終了するまで高視聴率を保っていた。

2005年に新シリーズが始まったが、旧シリーズ再放送のおかげで番組の知名度は高く、また前評判もよかったため、新シーズンはは最初から1千80万人の視聴者数で始まった。その後アップダウンはあったとはいうものの、ドクターが入れ替わる最初のエピソードは常に900万から1000万以上の視聴者数は普通だった。ところが、13代目の女性初ドクターのジョディ・ウィティカ―の代になると、初回は1千90万と高い視聴者数で始まったものの、回を追うごとに、その人気が急降下。2022年彼女の最終シーズンでは347万人という全シリーズで最低の視聴者数を記録してしまった。

これはまずいと思ったBBCは新シリーズで一番人気のあった10代目ドクターのデイビッド・テナントを14代目としてクリスマススペシャルの3話だけ蘇らせることにした。テナントの最終回の視聴者数は史上最高の1270万という高さだったのだが、今回のスペシャルの第一話ではテナントのドクターとしては最低の761万人。しかも2話、3話とその数が減り、新ドクター引継ぎの回では685万人にまで減ってしまった。いくら人気俳優を蘇らせても台本がつまらないとファンはついて来ない。

そして遂に15代目ドクターのデビュー一作目の視聴者数はというと、旧シリーズ第一話の440万をわずかに上回るたったの462万人だったのだ!新ドクターのデビュー回としては至上最下位から2番目である。これだけ知名度があるシリーズでしかも一年も前から大々的に宣伝されていたにも関わらず、この視聴率の低さは何なのだ?

ガトワはドクターとしては初のイギリスネイティブではないウガンダ出身の俳優で英語も明らかに第二外国語だ。しかし彼の売りは黒人であるということよりも、彼がゲイであるということ。これは色々な面で問題なのだが、クリスマススペシャルで10代目ドクターの旅行パートナーだったドナ・ノーブル(キャサリンテイト)の息子が男から女のトランスジェンダーだったり、番組中代名詞がどうのこうの、ガールパワーがどうのこうのというくだらないメッセ―ジを押し付けられて辟易していたファンたちに、「おー、ところで新ドクターはゲイなんだ」と言ったら、「もういい加減に勘弁してくれよ」となるのも無理はない。

というわけで視聴率は散々たるものだったのだが、第一話を観た人の話だと、その内容は期待以上にひどかったそうだ。もうこれはドクターWHOでもなんでもない、ただのゲイファンタジーじゃないか!といった感想。だいたいドクターWHOは元々子供向けのSF番組だったのに、これでは子供と一緒に家族で観るなど不可能である。

いい加減BBCはドクターWHOを諦めて、再び一時休止し、もっとまともな制作チームが現れるまで待った方がいいのではないか?長年愛されてきたドクターWHOを虹色メッセージの道具にしないでもらいたい。

アップデート:BBC 超不人気な多様性メッセ―ジを今後も推し進めると開き直る

BBC Hits Back After Complaints Over Transgender Character In Doctor Who (msn.com)

ドクターWHOの最新シリーズの多様性というポリコレメッセージ押し付けについて、制作者のBBC側があまりの不評に反論を始めたが、ファンの苦情に答えて内容を変えていくというものではなく、今後もこの超不人気な多様性メッセージを推し進めていくと強調した。

左翼リベラルの言う「多様性」というのは非白人俳優やLGBTQ+俳優の起用、および「社会正義」メッセージを強調する筋のことを指す。

BBCは、『ドクター・フー』の最近の記念特番でトランスジェンダーのキャラクターが登場したというだけで、100件以上の苦情が寄せられたことを受け、『ドクター・フー』は今後も「誇りを持って多様性を称え、私たちが生きる世界を反映する」と主張した。

添付した記事ではクリスマススペシャルが不評だったことの原因が単に「トランスジェンダーのキャラクターが登場したと言うだけ」であるかのように書いているがこれは完全な誤りである。ファン達が問題にしたのはトランスジェンダーキャラが登場したことではない。問題なのは、それが話の筋と全く無関係であるにもかかわらず、このローズというトランスキャラがトランスであるということが何かと強調され、彼の母親のキャサリン・テイト演じるドナと一緒になって近年で一番人気のあるドクター、デイビッド・テナント演じるドクターを散々コケにしたことにあるのだ。

この記事ではBBCにローズに関する苦情が144も寄せられたと書かれているが、その内容がどのようなものだったかについて詳しく述べていない。だからそれが「トランスジェンダーなんか登場させるな!」というものだったのか「どうしてトランスばかり強調するのだ」というものだったのかは不明だ。

ドクターWHOは2005年の新シリーズ当時から多少ポリコレの感は無きにしも非ずだった。イギリスの人口では5%しかいないと言われている黒人が、同番組ではメインキャラクターやわき役に黒人が多く起用され、(ドクターのコンパニオンであるローズの恋人は黒人、ドナの夫は黒人、10代目ドクターのコンパニオンは黒人等々)ドクターのコンパニオンやコンパニオンの恋人や、家族など、出演者の半分近くが黒人だ。またシーズン1からバイセクシュアルのキャラクター、キャプテンジャックは登場当時から大人気でシリーズを通じて何度もゲスト出演し、遂にスピンオフ番組で主役を演じるまでになった。

それでもドクターWHOはずっと高人気だったことを考えれば、ドクターWHOファンは特に多様性に対して文句があるわけではないのだ。

新ドクターの初回エピソードを観た人の感想をいくつか観たが、最初の方でドクターがゲイバーで男たちと肌をむき出しにして踊るシーンが長々と続き、ゲイをテーマにした90年末期のテレビ番組「クィアアズフォーク」よりクィアだったと言ってる人もいた。

BBCは今後もこの路線を改めるつもりはないそうで、クリスマススペシャルで登場したトランス自認の男ローズも登場するんだそうだ。

どうぞご勝手に。私はもう観ないからね。